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義妹記  作者: 白鳳
義妹編
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はじめての大仕事(2)

「ただいまー!」


帰宅してまずは二人とも一度私室へ行って制服から着替える。その後リビングに降りる。


「さて、今日の晩飯はなんだ?」


「んー、何にしよっかなー…」


冷蔵庫の中の食材とにらめっこをするマナミ。食材はたいていのものが十分量そろっているので作ろうと思えば文字通り何でも作れるのだ。


「お兄ちゃん、何が食べたい?」


「何でもいいのか?」


「もちろん」


「んー…じゃあ、から揚げがいいな」


「うぇ~、またから揚げ?この前食べたばっかじゃん」


「好きなんだからしょうがないだろ、ダメならシェフのおまかせでいいよ」


「お、お兄ちゃん…///」


マナミはなぜか頬を赤らめる。今の会話の中で紅潮する要素はなかったと思うが・・・。


「ん?どうした、具合でも悪くいのか?」


「…っ!な、なんでもない!!」


そういって冷蔵庫から食材を取り出そうと手を伸ばす。がしかし取り出したのは牛肉、普通から揚げは鶏だろうよ。


その後もマナミは俺と目をあわせないようにしていた。何かまずかったか?


食後は自室で勉強とみせかけて、今日の仕事の内容のおさらいをする。


事前に配布された資料によると、今回の目的は『とある要人の暗殺』で場所は郊外にある屋敷、対象の死亡を確認した後に屋敷近くの空き地にまで移動しそこで回収、と…。他にも屋敷の間取りや侵入経路の確認も怠らない。


―コンコン、ガチャ


「お、お兄ちゃん・・・その・・・お風呂、空いたから入ってね」


突然の来訪に驚いたが、マナミはそういっただけでそそくさと自分の部屋に戻っていった。思春期の女子ってのはよくわからん。


「とりあえず、冷めないうちに風呂でも入っておこうかねぇ」


風呂場に行き脱衣所で服を脱ぎ鏡を見る。筋骨隆々、とまではいかないがガタイはいい方だろう。鍛え上げられた体には所々に傷跡が残っている。


「この手の傷も最近はあまり増えなくなってきたなぁ」


働き始めたころの俺はひどいもので綾さんが手を施してくれていなかったら、たとえ残機が増えるキノコがいくつあっても数が足りなかっただろう。


階層はこのくらいにしておいて、風呂に入る。風呂の時でもそうでないときでも同じなんだが、時々誰かに見られているような感じがする。もうすでに『八部集』に目をつけられているんだろうか?しかし俺自身には何も影響を及ぼさないので今は無視の一点張りだが。


そんなこんなで風呂を上がる。これまでの時間は10分少々でマナミにはいつも短いだのカラスの行水だの言われるのだが、今日はさっき部屋に閉じこもって以来一向に出てくる気配がない。


心配になったのでマナミの様子をうかがうと、まだ10時前後だというのに照明を消してベッドに突っ伏している。屋上の一件で結構な気苦労をかけてしまっていたのだろう。だが今の俺にとっては好都合で、この隙に着替えてこっそり家を出、おやっさん達のもとへ向かうことにした。







「おぉ、早かったな。まだ来ないものだと思っていたが」


俺を見かけたおやっさんが少し驚いた様子で話しかける。


「マナミが早めに寝てくれましてね」


「…そうか、我々が原因でなければいいのだが。ともかく、作戦開始の時刻を予定よりも早くできたのは大きい」


おやっさんは俺達兄妹のこと、特に俺のことについてはかなりブラックな部分まで知っているので俺に最大限の配慮をしてくれる。今回の作戦も、俺が到着し次第決行する手筈になっていたのだ。


「何があろうと必ず生きて帰還するんだ」


「わかってますよ。なんせ家では真奈美が待ってますからね」


出発直前におやっさんと会話を交わし、出発する。時刻は11時過ぎ、屋敷は郊外にあるため外はすでに真っ暗であるが出入口となる門だけは灯りが灯っていて、屈強そうな男が警備をしている。だが今回はそこからではなくて″裏口″から入ることになっている。情報によると、外壁の一部が回転扉のようになっているそうだが、目印はない。要は自分で片っ端から壁を押して探せということだ。


「この辺の事前の調査をしておいてくれたら少しは楽になるのになぁ」


なんて愚痴をこぼしながら、俺は壁を押していく。


押せども押せども一向に正解にたどり着けない。嫌気がさしてきたその時――


ゴゴゴ…


壁が動いた。幸運なことに正解にたどり着いたようだ。そこから中に入り、扉の位置を覚えておいてもとに戻す。先に進もうとすると、何者かが待ち構えているのが見える。


「過激団が関係しているってのは本当だったか…」


待ち構えていた者たちの正体は量産型兵士、いわゆるクローン兵だ。誰をベースにしているかは知らないが。過激団は人手を必要としているところにコイツらを派遣して金を稼ぐセコいビジネスもやっている。


「『八部集』の誰かさんと一戦交える前に軽くアップでもしときますか!」


一気に距離を詰める。向こうもこちらに気付き、一気に散開して俺を包囲する。そして中心の俺に向けて一斉に殴りかかる!さすがはクローンなだけあって波長もぴったりだ。屋上での不良どものそれとは次元が違う。だが所詮は雑魚兵、さしてダメージはない。


「効かんな!」


両腕を伸ばして自転する。それだけで包囲網は解けてしまった。すかさず屋敷の本館に向けて歩みを進める。行かせまいと後ろから一体の量産型が延髄切りを放つ!


俺はその足が延髄にヒットする前に掴み、前方に放り投げる。そしてそのまま――


――グシャッ


顔面を地面の凸凹と同じように踏み越えて、むしろ強く踏みつけてさらに先に進む。どうせこいつらはクローンで無限にいるんだから殺したって構わないだろう。だから俺はこいつらだけは殺すことを躊躇わない。


ある程度進んだところで反転し、こいつらと向かい合う。奴らのうちの一体が俺に飛び掛かる!俺も飛び上がり、相手の腹に膝を入れる。体制が崩れたところで重心を移動させて上位になり、そのまま落下し相手を下敷きにして着地する。着地時に骨の砕ける音がする、こいつはもう立ち上がれないだろう。


ほかの一体が俺に向かって突進してくる。俺はそれをかわし、お返しに拳をぶち込む。相手は後退し、膝を土地につける。すかさずそこにシャイニングウィザード!一丁上がりだ。


すぐさま近くのやつに接近し、脛をバット折りの感覚で蹴る!バットが折れるくらいだ、人の足も簡単に折れてしまう。相手がのけぞっているうちに顔に手を置き、地面に叩きつける様に押さえつける。その途中で相手の首は俺の脚に当たり止まる。だが押さえつけるのは止まらない!結果、相手の首はあらぬ方向に曲がってしまった。


そのまま前方へ駆け出し、二体の首を掴み締め上げる!二体ともしばらくは振りほどこうと抵抗していたが次第に弱くなり、とうとう動かなくなった。





「これで全部片付いたな」


屋敷の中に入り、要人の私室へと進む。しかし・・・


「なんだこの屋敷は?警備のものが誰一人としていないじゃないか」


それから先に進むが、やはり誰もいないし現れない。確か資料では各種武装をした警備の者がいるはずなんだが…


予想だにしない事態に戸惑いながらも目的の私室へと進む。私室に近づくにつれ、何か聞こえるのに気付いた。さらに進むにつれてより鮮明に聞こえてくる。これは、人の叫び声、それに銃声…?


自分以外に同業者がいる!人がいないのはそっちに人員を割いているからだ!


そう判断した俺は廊下を走る!そして私室についた頃にはもう音はしなくなっていた…。そしてその私室には扉がなかった、正確には吹き飛ばされてなくなっていた。中を覗くと警備の者らしき人が数人横たわっており、高級そうな絨毯を紅く染めていた。


部屋の中央では男が誰かの頭を掴み上げる様が見えた。月明かりからかすかにわかる風貌からして、掴まれている男が例の要人とみて間違いない。獲物は渡すまいと男のもとへ駆け寄るが間に合わず、要人の頭から吹き出す生暖かい血の雨を浴びるだけであった。



次はボス戦です



誤字脱字の指摘・感想等々お待ちしております。


(追記)7/10 八部集が八部衆になっていたので訂正しました

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