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義妹記  作者: 白鳳
義妹編
34/59

マナの家にて


お久しぶりです。およそ二か月ぶりの投稿です


これからまたボチボチと更新していきますのでお付き合い願えたら幸いです。








マナミを呼ぶのと、買ってきたものを置いてくるため一度帰宅する。靴の様子を見る限り、『今は』マナミ一人のようだ。


玄関の扉を開け閉めする音にマナミは即座に反応し、部屋を飛び出してやってくる。


「おかえり、お兄ちゃん!」


「ただいま。留守の間何もなかったか?」


「うん!もうマナ先輩のとこに行くの?」


「そう、だな…。買ってきたものしまったらさっさと行くか」


「は~い。それで、何買ってきたの?」


「ジャージ」


「……お兄ちゃん」


マナミは俺をジト目でにらみつけ、侮蔑・呆れの感情を前面に押し出す。


「いや、だって安かったし…」


「だってもヘチマもない!!」


「……はい」


「マナ先輩の家に行くんだったらジャージは絶対ダメだからね!!」


「はい…」


大急ぎで私室に帰り、全速力でジャージを脱ぎ、この前マナミに見繕ってもらった服に袖を通す。


着替え終わるとまた大急ぎでマナミの前に戻り、


「これでいいか?」


と、マナミのチェックを受ける。チェックする人が選んだ服なんだから通るのは目に見えているが。


「ふむ…ふむ…おっけ~。やればできるじゃない!」


厳しかった表情は消え去り、いつもの温和なマナミに戻る。今度から外出するときは、名残惜しいがジャージはあまり着ないようにしよう。


「それじゃ、マナ先輩ん家行こ!」



















ピーーンポーーーン


マナミが呼び鈴を鳴らす。しばらくするとマナの母が玄関を開け、俺達を食卓に通す。


「マナ先輩は?」


「今日はあの子が料理してるのよ。貴方達が来るからって張り切ってたわ」


「それは楽しみですね」






「お茶を持ってくるからかけて待っててちょうだい」


言われた通り俺達はテーブルに座って待つ。俺の隣はマナミで、対面がマナ、斜め前がマナ母という布陣だ。


あたりを見渡してみると、有名な政治家との写真や、選挙で当選して万歳をしている写真、達磨に目を入れている写真などがあり、マナは市議とはいえ政治家の娘だということを実感させられた。


「ごめんなさいね、主人の写真ばっかりで」


「いえいえ、そんなことはないですよ」



「お母さん、料理できたから運ぶの手伝ってー!」



「はいはい、しょうがないわね」




料理が運ばれてくる。メニューは焼飯に卵スープ、それから野菜サラダと特別豪華なわけではなく普通の食事だ。


「おいしそー!それじゃさっそk…」


「まぁ待て、マナがまだついてないだろ」


先走って食べようとするマナミを抑える。マナ母はその様子を見てくすくすと笑っていた。


その後マナが着席し、準備が整う。家長ではないが俺が先導して食事を開始する挨拶を行い、皆もそれに追随する。


さっそく焼飯を一口。


「ん!これはウマい!」


「ホント、おいしい!」


2人とも口をそろえてマナの料理を称賛する。当人は俺達の口に合うかどうかが心配だったらしく、安堵の表情を浮かべる。





その後も箸が進み、俺のところは三人よりも多くよそっていたにもかかわらず、一番に食べ終わってしまった。


「ごちそうさま。美味かったぜ」


少し遅れて3人とも食べ終わる。マナが片付けをしようと席を立つと――


「片付けは私がやっておくからマナミちゃんと遊んでらっしゃい」


「いいの?それじゃマナミちゃん、私の部屋に来る?」


「行く行く!!」


「それじゃあ俺も…」


「お兄ちゃんはダメ!」


「えっ」


「女の子同士の話だからお兄ちゃんは立ち入り禁止!!」


腕を交差させて×字を作り、俺の介入を断るマナミ。マナも考えが同じらしく、ごめんねという表情だった。


そして二人は俺を置いて2階のマナの私室へと消えていった。


「積もる話があるんじゃない?」


「そうみたいですね」


今一度自分が座っていた場所に戻り、洗い物をしているマナ母と会話する。


「ご両親がいなくて大変じゃない?」


「もう8年近くなりますからね、慣れましたよ」


「それは頼もしいわね。でも何か困ったことがあったら遠慮せず相談してちょうだい」


「そうさせてもらいます」


「ところで…あのマナミちゃんって子、どうしたの?」


返答に詰まる。適当なことを言ってこの場をしのいでもいいのだが、この人は政治家を夫に持っている以上生半可な嘘は見破られてしまう。


かといって家の内情をぺらぺらと喋るわけにもいかない。悩みに悩んだ挙句――


「ご察しの通り、義妹です」


「やっぱりそうなのね。御影ちゃんはどうしたの?」


「アイツは…養父に引き取られて以来一切連絡取り合ってないからわかりません」


「あなたはついて行かなかったのね」


「血を守らなければなりませんでしたから…」


マナ母はふふっと笑い、


「男の子だったらそうよね。そういう義理堅いところ、お父さんにそっくりよ」


「ありがとうございます。それじゃ、僕はこれからバイトなんでそろそろ失礼します」


「あらあら、遅れたら大変よ。長々とごめんなさいね」


「多少の余裕はあるんで大丈夫ですよ。それとマナミは適当な時間で家に帰らせてやってください」


「わかったわ。それじゃあこっちからもお願い、ウチの子と仲良くしてやってね」


「…わかってますよ。そこまで鈍感じゃないですからね」


「いらぬお節介だったようね。でも安心したわ」


「それじゃ、今日はご馳走様でした」


「またいつでも来てちょうだい、あの子も喜ぶから」


マナの家を出、一度家に帰ってからおやっさんの待つ事務所へと進んでいった。






マナ「お疲れ様でした。それでは短いですがあとがきをお楽しみください」



マナミ「んっ…、ん…二か月ぶりだから体が鈍っちゃってるね」


守「そうだな。今一つ動きにキレがないな」


星野「……なんかすごいメタなことになってるわね」


守「なんだ、星影か。お前はまだ出番がないからこの辛さはわからんだろ?」


星野「うるさいわね!」


マナミ「それにここがメタな場所になってるのは恒例になってるもんね」


星野「本編に支障はないって最初言ってたじゃない…」



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