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義妹記  作者: 白鳳
義妹編
22/59

マナミとデート(3)











「ふぅ…ここまで逃げれば大丈夫だろ」


マナミをおろし、ちょっと休憩する。


「お兄ちゃん、今何時?」


時計を見て「1時前だ」と答える。


「じゃあお昼食べにいこ!」


「どっかアテがあるのか?」


「もちろん!お兄ちゃん、早く早く!」


マナミが俺の手を引っ張り進んでいく。








――15分後


「着いたよ、お兄ちゃん」


目の前の建物の名前を見る。お好焼・・・焼焼やきやき


なんて読むのかわからんが焼の字が3つ連なっていて目立つだろうな。


ガラガラガラ―――


「いらっしゃいませー。あ、マナミちゃん、それに先輩!」


「やっほ~」


「よっ。近くまで来たから食べに来たぜ」


「それじゃ、空いてる席にどうぞ」


そう言われたのでテレビのよく見える座敷席に座った。


「ねえお兄ちゃん、さっきのコ誰だかわかる?」


「あぁ。屋上のメンバーの一人だろ」


「なんて名前だったか覚えてる?」


「さすがにそこまでは覚えてないな。でもお前が”みーちゃん”って呼んでるコだろ?」


「よかったねみーちゃん!お兄ちゃんみーちゃんのこと覚えてたよ」


たまたまお冷を持ってきたみーちゃんに自慢げに言う。


「マナミはみーちゃんって呼んでるけど、名前なんていうの?」


金谷かなたに 瑞姫みずきです」


「いい名前だ。あ、俺豚玉、トッピングでチーズ追加しといて。それとやきそば」


「マナミはいつもの!」


ポケットからメモ帳を取り出し、そこに俺たちの注文を書き留めていく。


「あぁそうだ、そっちで焼いて持ってきて」


「かしこまりました」


一度奥へ戻り、カウンターの向こう側に出て調理を始める。


「なんか通っぽかったよ、さっきの」


「自分で焼くのが面倒だっただけさ」






待つこと数分――


「お待たせしました!」


鉄板の上でジュージュー音を立てているお好み焼きが運ばれてくる。


焼そばもそれに遅れて運ばれてきたが、マナミにいくらかあげるとこを見越してか、小皿もついてきた。


「それでは、ごゆっくりどうぞ」


俺達に一礼して他の客の対応に向かう。俺はしばらくその動きを見ていた。


「ふーん…」


「ちょっとお兄ちゃん、どこ見てるの?」


「いやなに、ちょっと観察を、ね」


「へぇ~、それで何かわかったの?」


やけに突っかかってくるマナミ。ヤキモチか?


「まあな。それは後で教えてやるとして、食べようか」


「ちぇーっ」


口を”3”にして不満そうなマナミ。


「別に変な目で見てたわけじゃないんだからいいだろ?」


「じーーー」


疑いの目で見てくる。


「心配すんなって。お前がいれば他の女子を変な目で見る必要はないんだから」


事実、俺は女子をそういう目で見たことはない。周りの会話に合わせるためにいろいろ言ったことはあるが。


「お、お兄ちゃん、それって…///」


逃げ口上のようにマナミを赤面させることを言っているようだが、本心から思っていることである。


ちなみに真っ赤になったマナミはお好み焼きの鉄板以上に熱くなっていた。







―――食後


「ふー。食った食った」


「マナミもおなかいっぱーい」


「それじゃ、観察の成果を試してみますか。…みずきちゃーーん!」


「はーい!」


俺に呼ばれて奥からみずきちゃんがでてくる。


「突然だけどみずきちゃん、……高校に入る前からバスケやってたよね?」


「は、はい…そうですけど。マナミちゃん、私が中学からバスケやってるって言ったっけ?」


「んーん、マナミも知らなかった」


「さっき客とすれ違う時に見たんだけど、相手に背中を向けてすれ違ったよね?」


「…あっ!」


みずきちゃんは俺がどうしてわかったのか理解できたようだ。


「お兄ちゃん、どーゆーこと?」


マナミはわかってなかった。バスケ部じゃないから仕方ないけど。


「バスケで一対一の時は相手を背後に位置させることが大事なんだよ、ボールが扱いやすかったりするから。


で、そういう動きをきっちり叩き込まれるわけ。だから無意識のうちに背中を向けてすれ違ったんだよね?」


「そう…ですね。さすが先輩です!」


「でもそれだったら高校からバスケ始めても同じじゃない?」


「流れがスムーズだったからな。入部したての奴にそんな動きはできないだろうと思ったんだよ」


「ほぇ~。」


「先輩もバスケやってるんですか?」


「全然」


「じゃあなんでそこまで?」


「それは秘密」









「それで、いくら?」


「合計で2100円になります」


「ほい、これで」


財布から1000円札を三枚だし、みずきちゃんに渡す。


「はい、900円のお返しです」


「ん、ありがと。美味かったぜ、お好み焼き。それじゃ、また学校でな」


「ばいば~い」


「ありがとうございましたー!!」



ガラガラガラ―――








「さーて、腹ごしらえも済んだことだし…」


「済んだことだし?」


「買い物に行くか」


「ホントに?やったぁ!!」


マナミは嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねていた。





俺達が向かったのはこの辺りで一番の大きさを持つショッピングモールで、日常的に使うものなら買えないものはないといわれるほどだ。


そしてここはその中の服を扱っている一角。


「お兄ちゃん、どう?」


洋服を自分にあて、俺に感想を求めてくる。


「あぁ、似合ってるぞ」


そうは言ったものの正直ファッションに興味はないしよくわからない。だがマナミはその手のセンスがあるらしく、周りの女子からの評判はなかなかのものだ。


だから感想を求められて適当に似合うといっても何ら問題はないのだ。……本人が知ったら怒るだろうが。


「じゃ、コレ買おーっと」


こんな調子で店をハシゴしていき、二、三時間が過ぎた。


服の買い物に付き合うのも最初の頃は他の客や店員からの目線が気になったが今ではそんなことはない。


「お兄ちゃん、お疲れ様。マナミの買い物は終わったよ」


「あ、あぁ…」


俺の両手にはたくさんの袋、袋、袋、それに加えてこれから食料品を買うというんだから恐ろしい。


…まぁアテは見つけてあるんだがな。


「お兄ちゃんは何か買わないの?」


「俺はいいや、どうせ明日も来るだろうし」


「そっか、明日はマナ先輩とのデートだもんね」











――食料品売り場


大荷物の俺はレジの近くのベンチに座ってマナミが買い物を済ませるのを待っていた。


ちなみにマナミはこういった生活費用の財布と、自分の好きなことに使う個人用の財布がある。


前者を使った場合は用途と金額を俺に報告し、使った分を俺が補填する、というシステムにしていて、常に1~2万円は入っている。


後者はもちろんそんなシステムにはしていないが小遣いを前借したりしないあたり、上手にやりくりしているのだろう。


「お兄ちゃん、お待たせ~」


そうこうしていると俺ほどではないが買い物袋を引っ提げたマナミがやってきた。


「大丈夫か?」


「う、うん…大丈夫」


「本当か?」


「うゅ…ちょっとしんどいかも」


「だろ?ちょっと待ってろ、今助っ人を呼んでやるから」


「…助っ人?」


俺は持っていた荷物をマナミに任せて通路の方へ歩く。













「今回のデートで、守はマナミちゃん以外に瑞姫にもちょっかいを出した、と…」


「もうネタはあがってるぞ、律っちゃん」


「っ!?い、いつから私に!?」


「さぁ、いつからだろうな」


「…私の負けね。いいわ、煮るなり焼くなり好きにしなさい」


「それじゃ、お言葉に甘えて」








しばらくすると、お兄ちゃんが返ってきた。・・・律先輩を連れて。


「待たせたな、助っ人を呼んできたぞ」


「律先輩が?」


「そうみたいよ。それで、なにをすればいいのかしら」


「じゃあこれ、お願いします」


律先輩にさっき買ったものを渡す。お兄ちゃんには洋服の入っている袋を渡した。


「あら、これでいいの?カメラとかを持ち歩くのに比べたら楽ね」


「そりゃよかった。じゃ、俺んちまでヨロシク」







律「お疲れ様。楽しめたかしら?」


マナミ「なんか今回は更新早いねー」


作者「前回が遅れたのでお詫びに早く投稿しました」


マナミ「ふぇ~」


作者「週末にはまた更新しますのでご安心ください」





律「次回ではいよいよ守の家に侵入できるのね…ゴクリ」


星野「それは素晴らしいわね…ハァハァ」


二人「――!」


ガシッ


守「変な同盟結ぶな!それから星影、ハァハァするな!そしてまだ本編で出てないんだから出てくるな!」


星野「まぁそう怒らないで。あとで奉仕してあげるから…ね?」


守「俺に色仕掛けは通じんぞ」


星野「やっぱり見慣れてしまって目が肥えてるのね…」


律「ということは、やっぱり夜な夜な…」


星野「あるかもしれないわね」


マナミ「ところで奉仕って何するの?」


星野「それはね・・・・・ハッ!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


律「これはマズイわね…、逃げるわ!」


星野「同じく!」


ダッ×2


守「………」


ヒュン


律&星野「ちょ、本気とかチート過ぎない!?は、話せばわか……」






マナミ「え、え~っと…;次話も読んでね☆」





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