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義妹記  作者: 白鳳
義妹編
18/59

デートの約束





――後日・昼――


「「いっただきまーす!!」」


一年生たちの言葉を合図に食事が一斉に始まる。


「そういえばリサちゃんってコンビニ弁当が多いよな」


「また親とケンカしちゃいまして…」


「大変だねぇ。そのうちうちに泊まりに来たりするんじゃない?」


「行ってもいいなら行きますよ」


「え?この前リサリサ来た・・・ッ!」


(そのことはいいの!)


「リサちゃん、マナミの口を押えてどうしたんだ?」


「あ、いや、マナミちゃんの口にご飯粒がついてたんで取ってあげたんですよ!」













「あっ、そうだ。お兄ちゃんに報告することがあるの」


「報告?中間テストで満点でもとったか?」


「んーん。あのね…マナミ今年の野球応援でチアやることにしたの!」


「そういえば立候補してたねー」


「チアねぇ…。立候補したんだったら文句は言わないけど…」


「あれ?あんまりうれしくなさそうですね、センパイ」


「あー、うん…まあな」


「なんで?お兄ちゃん」


「だってチアガールって人前で足上げたりするんだろ?兄としてはちょっとなぁ……」


「大丈夫ですよ、先輩。野球応援のチアじゃあそんな動きはないですから」


「え、ないの?」


「守君は応援に行かないから実際の動きを知らないのよ、ね?」


「え?先輩、野球応援行かないんですか?」


「『行かない』っつーか『行けない』んだね。俺はお留守番っていう役目があるから」


「守たちがお留守番してくれてるからウチの学校は一回戦から全校応援なのよ、感謝しなさい」


「律っちゃん、それ、俺が言う台詞だから。……まぁそういう動きがないんだったら、いいか」


「そうそう。それにお兄ちゃん、心配しなくてもちゃんと当日はブルマか見せパンだから!」


そういってスカートの裾を掴み、たくし上げる。


……ん?対策をするのは試合の日当日だから、今日は・・・


「マナミちゃん、スカートおろしておろして!!」


「ふえ?・・・・・・あっ!///」


マナミがあわててスカートを戻す。他の何人かは陸の目を押さえていた。俺は兄という身分もあって目隠しされなかった。


すぐさま俺は「許せ陸!」と言ってボディブローをズドンとぶち込む。食後だったので食べたものが出やしないか心配したが無事気を失ってくれた。


「ふう。これでさっきのことは覚えていまい」


マナミはというとマナと一緒に律っちゃんとサキちゃんに説教をしていた。おそらくさっきのを画像として保存しようとしたんだろう。


「それから…お兄ちゃん!」


「は、はいっ!」


突然俺にも矛先が向けられる。この前の二の舞だけは避けないと!


「お兄ちゃん…見たよね?」


「あ…あぁ。すまん」


「謝らなくていいよ!さっきのは…その……さ、サービスショットだから//!今日は『兄の日』だし!!」


ということだそうで、何はともあれお咎めなしで一安心だ。






「いやーヒドイ目に遭ったわ」


「ご苦労なこった」


「誰のためにやったと思ってるのよ!」


「わかってるって、だから今買い取りに来たんじゃないか」


俺は財布から万札を出し、律っちゃんに渡す。


「今回は随分と体を張ったようだし、画像の希少度も加味してそれで買うよ」


「フフ…、流石守ね。これが例のフィルムよ」


フィルムを受け取った俺はいつもの集団に戻っていった。







「そういえばアタシの調べによると、遠野先生は何かアヤしい副業をやってるらしいわ」


「えっ、とーちゃん先生が!?」


この前仕事で一緒だった『ハルさん』こと『遠野とおの はるか』は表向きは学校の先生をしていて、マナミ達のクラスの担任で、俺らの物理の担当でもある。なかなかのイケメンで、女子の間では親しみを込めて『とーちゃん先生』と呼ぶのが主流らしい。


「アヤしい副業って何なの?」


「そこまではわからないわ。でもあの若さで副業もなしであんな高級なスポーツカーに乗れるはずがないわ」


「家が裕福だとか?」


「ないわね。もしそうだったら教師なんてしてないわよ」


「お兄ちゃん、何か知らない?」


「さぁ?知らないな」


さすがに同業です、なんて言えないからな。


「そっか。夜のバイトで見かけたりしてないかぁ。。」


「「「夜のバイト!?」」」


全員の視線が俺に集められる。


「先輩、そんなことやってたんですか!」


「生活が苦しいのかもしれないけど、それはダメだよ!マモル君!!」


「待て待て待て待て!夜『の』バイトをしてるんじゃなくて、夜『に』バイトしての間違いだ!!」


・・・・・・。


「そうですよね。先輩が水商売やってるわけないですよね」


「チェッ、つまらないわね」


「でもセンパイ、バイトをしていること自体は否定しないんですね?」


「あぁ。事実だし」


「そんなこと公言していいのかしら?ユキが黙ってないと思うけど」


「・・・・・・ハッ!!」


そうだった。ウチの学校は学校の許可がないとバイトできないんだった!俺はもちろん許可なんてとってないから風紀員たちにばれたらマズいことになる!


「大丈夫だよ、クロム。ユキちゃんには言わないから」


「私達も絶対に言いませんから!」


「もちろんマナミもだよ!」


「アタシ達はどうしよっかしら?ねぇ、サキ?」


「そうですね~」


やはりこいつらが立ちはだかるか、こうなれば買収するしか…


「律っちゃん、それだと新聞部の部費が減ることになっちゃうけどいいかな?」


「えっ!?そ、それはちょっと…」


さすが生徒会長、その権限を使えば特定の部の部費を雀の涙ほどにできるのだ!


「じゃあ、黙っててくれるよね?」


「…しょうがないわね」


「よかったね、マモル君。みんな誰にも言わないって」


「そうしてもらえると助かる。それとマナ、ありがとうな」


「わ、私はただ当然のことをしただけで、お礼なんて、そんな……////」


語気が弱くなるのに反比例して顔の赤みが強くなっていく。


「あっそ、じゃあ今のナシね」


「えっ!?」


「冗談、感謝してるって」


「もぉー、マモル君のいじわる!!///」


「悪い悪い。気になる異性には意地悪したくなる性質でな」


「い、今なんて言った?」


「さぁて、忘れちまったな」







「ねえマナミちゃん、先輩って女殺し?」


「…かも」









「そうそう、この前5人で行ったラーメン屋だけど、結構人気が出てきたみたいよ」


「やっぱ律っちゃんの記事の影響はでかいなぁ」


「当然よ!」


「ねえマモル君、5人って誰?」


「俺・マナミ・律っちゃん・ハギ・ケイ、の5人だな」


「…私は?」


「…誘おうと思って生徒会室までは行ったんだがな、なんか忙しそうだったから諦めて引き返したんだ、悪いな」


「そうだったんだ…私も行きたかったなぁ」


「そう言うなって、ちゃんと代わりを用意してあるから」


「代わり?」


「今週の土日のどっちか、俺とどっか行かないか?」


「え?それって…」


俺は照れ臭そうにそっぽを向き、頬をかく。


「それしか思いつかなくってな・・・どうだ?」


「もちろん行く!」




「さすが守、普通の人にはできないことを平然とやってのけるわ」


「そうですか?」


「…何人もの男共が彼女にアタックしたけど全滅だったのよ」


「そこに痺れる、憧れるぅぅぅぅぅ!」


「リサリサ、どうしたの?」


「…ごめん、言ってみたかっただけ」







「お兄ちゃん、マナミは行っちゃだめなの?」


「そう…だな。一応マナとのデートだし」


「で、デート!?」


マナが驚く。


「え?そうだろ?」


「はわわわわわ……///」


マナはなんというか…茹で上がっていた。


「えー、マナミもお兄ちゃんとデートしたい~~!!」


「それじゃあ…マナとデートに行かない方の日は、お前とデートってことにするか」


「うん!」



その後マナとマナミが話し合った結果、土曜日にマナミと、日曜日にマナとデートということになった。







「ウチの学校の2トップ相手に二股かけるとか、アナタ前世はギャルゲの主人公とかだったんじゃない?」


「さあな、ところでそれは嫉妬か?」


「違うわよ」









守「今週末は出費が多そうだな。ちょっと下ろしておくか」


星野「手持ちで何とかなるんじゃない?」


守「マナミがここぞとばかりに買い込むだろうからな。

  …つか星影、お前出てくるの早すぎ。まだ本編で出てきてないだろ」


星野「別にいいじゃない。どうせここは本編と無関係なんだし」


守「いいわけあるか!帰れ帰れ」


星野「昔と変わらず厳しいわねぇ(ぶつぶつ)」



守「油断も隙もあったもんじゃない」


オニ「まったくね」


守「オニさん、アナタもです」





作者「今回の更新はここまでです。いかがだったでしょうか


   さて、ここでお知らせがあります。」


マナミ「おしらせ?」


作者「私事で申し訳ないんですが、しばらくの間、暇を取らせていただきたく思います」


マナミ「えっ!?」


守「理由わけを聞かせてもらおうか」


マナミ「まぁまぁお兄ちゃん、私事って言ってるんだし細かいことを聞くのはやめとこ。ね?」


守「マナミがそういうなら…」


作者「というわけですので、しばしの間お別れです。それでは!」

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