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第七話 地下牢

食事を終えてしばらくすると先ほどの少女が食器を下げにきた。


「お嬢さんはなんて名前なんだ? シンがお嬢さんと同じくらいの歳で興味あるみたいで」


「え? 私に? えっと……リリです」


「さぁ、シン話してみろ」


前に押されて鉄格子を挟んでシンとリリは向き合う。


身長は少しシンの方が高い。


「えっと女性を初めて見るのですが美しいですね」


「え、あ、はい……シンさんも素敵ですよ……それよりもなぜ若いのに捕まっているのですか?」


「それはこの国の法を知らず、助けなくてはと思ったからです」


「法を知らない?」


「山奥で祖父みたいな人と住んでいたので、法は知らない。 ただ、目の前で人が虐められていたから助けただけです」


リリにとっては法が全てであると教えられてきたのでシンの言葉に驚きを隠せない。


「もしまだ殺されないのならどうかまたお話ししてください」


シンは頭を下げるがリリは何も言わずに小走りで帰って行った。


「フラれたな」


タロスは嬉しそうに笑っていた。


自室にてランドールは報告の手紙を書いていた。


「失礼します」


「入りなさい」


リリが中に入ると黙って座っている。


「いい、今ちょうど手を休めているところだ」


「はい。 なぜシン……いえ少年は牢に入っているのですか?」


「彼が自らタロスの主人だと認めたからだ」


「ですがまだ成人になっていないと思われます、その場合罪に問われるのはタロスの方だけかと……」


「わかっているさ」


「ではなぜ?」


「タロスの余罪は知っているか? 村長五名、軍人十名……このうち死んだのは今回の村長だけだ」


「そんなに余罪が……」


「だが、今回の村長は何をしているか知っているか? 彼は税を重くし私腹を肥やした上で村の娘に手を出していた。 普通なら裁かれても当然だ」


「それは……」


「だがこの帝国には村長を裁く法律はない。 自らを律する事だけが明記されている」


リリもはっきり覚えている。


それゆえに父であるランドールは自らにも厳しいルールを作っている。


「だからと言って彼を釈放する権限は俺には無いのだよ。 なぜこの村に来たのか……」


ため息混じりにランドールは答える。


「私が聞いてきます」


「あまり無茶をするなよ、お前は俺の娘だ……」


「はい」


リリは頭を下げると部屋を後にした。

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