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ハズレスキル《物理補助》、気づけば世界最強でした  作者: 松竹 ウメ


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18話 奇襲と、集落への道

ゴブリンたちが、雄叫びを上げながら突進してくる。


「散開しろ!」


ガルドが指示を出す。

俺は銃を構え、先頭のゴブリンの足元を狙う。

パン!

弾丸が地面に着弾する。


「《物理補助》……地面の摩擦係数、最小化」


ゴブリンの足元が滑りやすくなる。

ズザッ!

ゴブリンが転倒する。

ガルドがすかさず剣を振り下ろし、倒す。


「一匹!」


ジンが弓を構え、矢を放つ。

矢がゴブリンの頭部に命中し、倒れる。


「二匹!」


残り三匹。

リーナが魔法を詠唱する。


「《フレアボルト》!」


炎の矢が放たれ、ゴブリンに命中する。

ゴブリンが燃え上がり、悲鳴を上げる。


「三匹!」


残り二匹が、俺に向かって突進してくる。

俺は銃をホルスターに戻し、ナイフを抜く。

一匹目のゴブリンが棍棒を振り上げる。

俺は横に避け、ゴブリンの脇腹にナイフを突き刺す。


「《物理補助》……ナイフの刃先、振動数増加」


ビリビリと、ナイフが震える。

ゴブリンの内部に振動が伝わり、内臓が破壊される。

ゴブリンが倒れる。


「四匹!」


最後の一匹が、怯んで後退する。

ジンが矢を放ち、ゴブリンの足を射抜く。

ゴブリンが倒れ、ガルドが剣で止めを刺す。


「五匹、全滅!」


静寂が戻る。


「よし、初めてにしては上出来だ」


ガルドが俺の肩を叩く。


「ナイフの使い方も悪くない」


ジンが笑う。

「でも、もう少し落ち着いて戦った方がいいわ」

リーナが冷静に分析する。


「ああ、まだ慣れてないからな」


俺は正直に答える。

初めての実戦。

ダンジョンでのゴーレム戦や、草原でのオーク戦とは違う緊張感があった。


「さあ、薬草も集まったし、帰ろう」


ガルドが袋を持つ。

俺たちは森を出ようとする。

その時――。

ガサガサガサッ!

今度は、四方八方から草むらが揺れる音。


「まずい……!」


リーナが叫ぶ。

草むらから、次々とゴブリンが飛び出してくる。

その数――十匹以上。


「囲まれた!」


ガルドが剣を構える。


「どうする!?」


ジンが焦る。


「逃げるぞ! この数は無理だ!」


リーナが判断する。

俺たちは一斉に走り出す。

ゴブリンたちが追いかけてくる。


「タクミ、足元を滑らせろ!」


ガルドが叫ぶ。

俺は走りながら、後方の地面に向けて銃を撃つ。

パン、パン、パン!


「《物理補助》……地面の摩擦係数、最小化」


追いかけてくるゴブリンたちが、次々と転倒する。

だが――数が多すぎる。

転倒しても、すぐに起き上がって追いかけてくる。


「このままじゃ、追いつかれる!」


ジンが叫ぶ。

その時――。

リーナが足を滑らせ、転倒する。


「リーナ!」


ガルドが駆け寄ろうとする。

だが――ゴブリンたちが、リーナに群がる。


「離せ!」


リーナが魔法を放とうとするが、ゴブリンたちが腕を押さえつける。

そして――一匹の大きなゴブリンが、リーナを担ぎ上げる。


「リーナ!」


ガルドが剣を振るうが、ゴブリンたちが行く手を阻む。

俺は銃を構え、リーナを担いだゴブリンに向けて撃つ。

だが――ゴブリンたちが盾になり、弾丸が当たらない。


「クソッ!」


ゴブリンたちは、リーナを連れて森の奥へと逃げていく。


「待て!」


ガルドが追いかけようとするが、残ったゴブリンたちが妨害する。

俺たちは残りのゴブリンを倒すが――。

リーナを連れたゴブリンたちは、すでに姿が見えなくなっていた。


「リーナ……!」


ガルドが悔しそうに地面を殴る。


「落ち着け、ガルド」


ジンが肩を掴む。


「リーナを助けなきゃいけない。冷静になれ」

「……分かってる」


ガルドが深呼吸する。


「ゴブリンは、獲物を集落に連れていく。リーナもそこにいるはずだ」

「集落の場所は分かるのか?」


俺が尋ねる。


「ああ。この森の奥に、ゴブリンの集落がある。以前、別の依頼で偵察したことがある」


ガルドが立ち上がる。


「行くぞ。リーナを助ける」


俺たちは、ゴブリンが逃げた方向へと走る。

ゼリーも、俺の足元でぷるぷると跳ねながらついてくる。


十分ほど走ると――森の奥に、粗末な木の柵が見えてきた。

柵の向こうには、小さな小屋が立ち並んでいる。


「あれが、ゴブリンの集落だ」


ガルドが低い声で言う。


「中には、何匹くらいいる?」

「以前見た時は、二十匹くらいだった。だが、今はもっと増えてるかもしれない」


ジンが険しい表情で答える。


「それに――ゴブリンキングがいる」

「ゴブリンキング?」

「ゴブリンの中でも、特に強い個体だ。体も大きく、知能も高い。普通のゴブリンの三倍は強い」


ガルドが説明する。


「厄介だな……」


俺は集落を観察する。

柵の入口には、二匹のゴブリンが見張りをしている。

集落の中央には、他より大きな小屋。

おそらく、あれがゴブリンキングの住処だ。


「作戦を考えよう」


ガルドが言う。


「正面から突入すれば、全滅する。何か策が必要だ」

「火を使って、集落を混乱させるのはどうだ?」


ジンが提案する。


「いや、リーナを巻き込む危険がある」


ガルドが却下する。


「じゃあ、俺が囮になる」


俺が口を開く。


「囮?」

「ああ。俺が正面から注意を引く。その隙に、お前たちがリーナを救出する」

「危険すぎる。お前一人じゃ……」

「大丈夫だ。銃と《物理補助》がある。少なくとも、

逃げることはできる」


俺は冷静に答える。

ガルドが考え込む。


「……分かった。だが、無茶はするな。リーナを救出したら、すぐに合図を出す」

「了解」


俺は銃を確認する。

弾丸は、魔力を使えば無限に撃てる。

MPの残量を確認する。

まだ十分にある。


「行くぞ」


俺は立ち上がり、集落の正面へと向かう。

ガルドとジンは、集落の裏手に回る。

ゼリーは――俺の足元にいる。


「ゼリー、お前も来るのか」


ぷるん。

ゼリーが跳ねる。


「分かった。でも、危険だから離れてろ」


俺は深呼吸し、集落の入口へと歩み寄る。

見張りのゴブリンが、俺に気づく。


「ギャアアア!」


ゴブリンが雄叫びを上げる。

集落中のゴブリンが、一斉に俺の方を向く。

そして――中央の大きな小屋から、巨大な影が現れた。

体長は二メートル以上。

筋肉質の体に、粗末な鎧。

手には、大きな鉄の棍棒。

ゴブリンキング。


「……でかいな」


俺は銃を構える。

ゴブリンキングが、低い声で唸る。

そして――俺に向かって、突進してくる。

戦いが、始まる。

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