── 第67話─使い方が、見えた日──
ここまで読んでくださってありがとうございます。
レンの力の「使い方」が、ようやく形になってきました。
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レンは、ようやく一つのことに気づき始めていた。
自分の力は、
何でも止められる力じゃない。
最初は、そう思っていた。
危なそうなら外せばいい。
揉めそうなら消せばいい。
でも、それは違った。
実際にできるのは、
「一番まずい結果」だけを起こさせないことだった。
怒りは消えない。
喧嘩腰の言葉も残る。
魔力も、衝動も、ちゃんと存在している。
ただ――
殴る直前の一歩。
魔力が人を傷つける直前の一点。
そこだけが、繋がらなくなる。
だから、レンは分かった。
全部を何とかしようとすると、失敗する。
怖がって止めようとすると、場が固まる。
選ぶのは一つだけ。
「これが起きたら、壊れる」
そう分かった一点だけを、外す。
それができた時、周りは何も変わらない。
誰も気づかない。
誰も感謝しない。
騒ぎにもならない。
でも――
誰も傷つかない。
それで、十分だった。
できることが増えたわけじゃない。
強くなったわけでもない。
ただ、
「やってはいけない使い方」と
「やっていい使い方」の線が、見えてきただけだ。
レンは廊下を歩きながら思う。
――次は、もっと判断が遅れる場面が来る。
――一瞬で選べない時も、きっと来る。
それでも。
もう、やり方は分かっている。
止めない。
消さない。
一番まずい未来だけを、選んで外す。
それだけだ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
レンの立ち位置も、少しずつ変わってきています。
次はまた、違う角度から動かしていく予定です。
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また次話で。
※毎日19時頃更新




