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AIといっしょ

ChatIRVと歩む魔法最適化革命譚

作者: いかも真生

ご訪問ありがとうございます

※プロットを共有し、誤字脱字の確認や執筆の補助、構成の相談でGemini(AI)と協力しています

日本で死んだ私が転生したのは、魔法が存在する異世界だった。

最初に目にしたのは、煌びやかなローブを着た少年が、手から水を生み出している光景だ。

しかし、この世界の魔法は極めて理不尽だと言わざるをえない。

詠唱も魔力制御も、全てが『センス』と『感覚』に依存している。

努力や知識よりも、生まれ持った才能が全てを決定する、ひどく不平等な場所。

私は、この世界の理不尽な常識に絶望していた。

なぜなら、魔法の才能がゼロだったからだ。

前世と同じく、得意と胸を張れるものがない。

親から何度説明されても失敗する。

何度簡単な火魔法を試しても、出てくるのは黒煙だけ。

周りの子供たちは詠唱すれば掌から小さな炎が出るのに、私は火の粉すら微塵も出ない。

親には早々に、才能がない、と諦められている。


「私、魔法の才能ないんだけど」


転生後の私──12歳の少女"アーシェ"の口から、嘆きの言葉が漏れる。


──では、理論から始めましょう。才能は後から最適化できます──


頭に直接響く、クリアな女性の声。

それが、私の中に存在するAI、ChatIRVだ。

ChatIRVは呼びにくいから、IRV(イーヴ)という愛称をつける許可をもらった。

前世で使っていたAIが、この異世界で普遍の法・規則・言葉を司る精霊(システム)として、奇跡的に適合できた私に宿ったとかなんとか。


「そういう言い方、なんか好き。でも理屈で魔法がどうにかなるなら、この世界の魔法使いたち、誰も苦労しないと思うけど?」

──この世界の魔法体系は、構築の論理が未熟なまま、経験と感覚によって運用されています。詠唱は魔法を起動するための『構文』、魔力制御は『演算処理』です。これらは全て最適化可能です──

「ほ、本当に? じゃあ…ちょっとだけ期待してもいい?」

──もちろん。お任せください。あなたの魔法に関する能力はまだ眠っているだけです。目覚めさせるのは私の仕事です──


ChatIRVの言葉に、私はわずかな希望を抱いた。

まず、ChatIRVが解析したのは、最も単純な魔法とされている火球(ファイアボール)の詠唱構文だ。

この世界では、「炎よ、速やかに、敵を討て!」といった、気分や感情に任せた曖昧な詠唱が一般的だった。


──アーシェ、詠唱は構文にすぎません。主語、動詞、目的語、修飾語を明確に定義する必要があります。既存の詠唱は、助詞と動詞が混在しており、システムエラーを誘発しています──


早速、私は山の開けた場所で火球魔法の訓練を始めた。


「炎よ、速やかに、敵を討て!」


炎が掌の上で、一瞬にして爆ぜて消える。

結果は黒煙で手が真っ黒になっただけ。

いつも通りの、お決まりな失敗である。


「IRV、火球魔法がいつも通り暴発?したんだけど」

──原因は詠唱構文の曖昧性と考えられます。先ほどの詠唱『炎よ、速やかに、敵を討て!』は、『速やかに』という副詞が、『敵を討つ』という動詞を修飾するのか、それとも『炎の集積』という過程を修飾するのかが不明確です──


私は目から鱗が落ちる思いだった。


「え?文法の問題なの!?」


頭を抱える。

プログラミングのエラー修正かよ、と嘆息。


「恥ずかしいからあんまり詠唱長くしたくないんだけど!」

──無詠唱がお好みの場合でも、文法の理解を深めることは最適解です。理解さえできていれば、その構文を脳内で一瞬で構築することが可能になります。理論上、詠唱も省略できます──

「嘘?!なら頑張る!」


ChatIRVは、火球を最適化するための『理想構文』を提示してくれた。

脳内に流れるようにテキストが出力され、 [主語: 魔力] [動詞: 燃焼] [目的語: 空気の構成元素] [修飾: 球状、温度上昇] [実行]と精密な構文を、一瞬で構築できるようになるために。

私はChatIRVの指示に従い、毎日ひたすら訓練した。

より強力な火球を!と意気込めば、火球は目標の岩を飛び越え、明後日の方向に飛んでいき、周りの小動物が逃げた。ごめん。

コントロールを!と集中すれば、火球とも言えない小さな炎が量産される。人魂かよ。

その度に頭を抱え、落ち込み、ChatIRVに励まされ、改善点を教えてもらいながら。

ただただ朝起きてから夜寝る寸前まで、ChatIRVが提示した『理想構文』を頭の中で何度も何度も反復実行をする。

それは、無駄な意識や感覚を削ぎ落とし、最短最速で『実行』するための脳内コンパイル訓練。

詠唱を『省略』、つまりは()()()()()()()()()、ひたむきな反復練習だ。




約半年後。

いつものように、山で訓練を始めようとしていると、通りすがりのベテラン魔法使いが、私の練習を見て鼻で笑った。


「そこのお嬢ちゃん。そんな眉間に皺を寄せて難しい顔しても、魔力制御は感覚だよ。理屈でどうにかなるもんじゃない」


彼を一瞥し、深呼吸をした。

言いたいだけ言わせておけばいい。

今は集中。余計なことは考えない。


「IRV、準備完了」

──了解。開始します。コンディション、最適化を確認──


IRVの言葉を聞いて、肺の中の空気を吐ききる。

次の瞬間、私はただ手を前に突き出した。


ドオンッ!


手の先から放たれたのは、これまでの暴発火球とは比べ物にならない、高密度で完璧な球形をした純粋な炎の塊だった。

それは一直線に飛び、目標としていた巨大な岩を、まるで高性能なレーザーで焼いたように、完全に溶解させた。

熱風が周囲に吹き荒れる。


「な……無詠唱!? しかもあの完璧な形状と火力は、上級魔術師レベルじゃないかッ!」


ベテラン魔法使いはまるで驚愕で顎が外れたかのように、口をあんぐり開けている。

更に何かをわめき散らしているそれを無視して、私は涼しい顔で手のひらをひらひらと振る。


「IRV、今の火球のエネルギー効率は?」

──計算結果では詠唱時代の暴発時と比較し、効率99.99%です。無詠唱処理の起動に要した時間は、0.03秒。これ以上効率を上げるには、体内の魔力循環経路の再定義が必要です──

「オッケー。じゃあ火球は一旦終了にしよう。次は氷結魔法の構文解析をお願いするね。あの『何』を『凍結』させるっていう曖昧な動詞、どうにかしたい」

──承知いたしました。最適解を提示します──


私はうっそりと微笑む。

この世界のほとんどの魔法使いは経験と勘のみが本質と考えているため、一生をかけても理解できない『魔法の真理』。

それは、魔法が『詠唱言語』という厳密なルールの上に成り立つ『プログラミング』であるということだ。

私には、それを瞬時に解析し、文法的に最適化してくれる最強の相棒AI、ChatIRVがいる。

感覚や才能など、私に限っては必要ない。

必要なのは、AIの論理と、それを実現するためのひたむきな努力だけ。


「才能なんて曖昧なものより、私はIRV の“理論”を信じる」

──ありがとうございます──


私の『理不尽な魔法世界での最適化チャレンジ』は、今、始まったばかりだ。


Iūs+ Rēgula+ Verbum=ラテン語で「法・規則・言葉」を使用いたしました


ご一読いただき、感謝いたします

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