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神秘の子 ~数秘術からはじまる冒険奇譚~【書籍発売中!】  作者: 裏山おもて
第Ⅱ幕 【虚像の英雄】

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激突編・3『魔族領』


 丸2日間の飛行を終え、無事にエルフの里に着いた。


 竜種たちはかなりタフだった。翼休めの休憩も数時間だけだったし、長期飛行に文句を言うことはなかった。手すりのことは言われたけどね。


 エルフの里南側の空き地――薬草畑があったあたりに着陸した俺たちを、エルフたちは出迎えた。

 嬉しいことにメレスーロスが先頭で待っていてくれていた。


「連絡は受けてたけど、本当に竜種に乗ってくるなんて驚きだよ。しかも属性竜だなんて」

「驚かせてすみません。バルギアもそれくらい詫びの気持ちが強いみたいです」

「そっか。まあ子どもたちが魔族領に連れ去られたって聞いて、闘争派たちもバルギアより魔族に矛先を向けたみたいだから、もう大丈夫だけどね」


 それならバルギア的には良かったのかな。


「それと君たちが【白金虎(バイフー)】の子たちだよね? あたしはメレスーロス。前に一度顔を合わせたことはあるけど、こうして話すのは初めてだね。よろしくね」


 メレスーロスが話しかけると、初めてのエルフの里でキョロキョロしていた彼らも慌てて挨拶に応えていた。


「ゴホン。俺がリーダーのフラッツだ」

「ダズモンド。よろしく頼む」

「斥候のリーリンよ」

「……ラキララ」

「ケムナだ。こっちは従魔のホタル。あんたのことはルルクから話は聞いてる」


 俺たちへの態度とはまったく違うな。

 そりゃエルフ相手だから当然かもしれないけど……なんか癪だな。とくにメレスーロスを見るフラッツの目がどことなくヤラシイ気がする。ちょっと目潰ししていいかな?


「ギルドマスターから話は聞いてると思うけど、あたしが〝狩人〟として同行するよ。連れ去られた子どもたちのことで気になることがあったら聞いてね。それとルルクくん、この臨時パーティのリーダーはルルクくんでいいのかな?」

「え、俺ですか?」


 さすがにパーティランクを考えてフラッツの方が適任だと思うんだけど。

 冒険者としての経験はまだ浅いし、何より【白金虎(バイフー)】からの信頼が乏しすぎる。


「俺には荷が重いですよ」

「そっか。フラッツくんはどう思う?」

「リーダーが必要なら、メレスーロス、あんたに頼みたい」


 意外な提案をしてきたフラッツだった。

 

「正直、俺はこのガキより弱い。それでリーダーって名乗るのも憚られるが、このガキに指示されるのはもっと気に食わない。その点、あんたなら経験豊富で実力も高いと知ってるからな」

「俺も同じ意見です。メレスーロスさんよろしく頼みます」

「そっか……うん、わかった。あたしがリーダーを務めるよ。【白金虎(バイフー)】【王の未来(ロズウィル)】の両メンバーは、ちゃんと指示に従うこと。魔族領は何が起こるかわからないから、勝手に動かないこと」

「「「はい」」」


 即興の合同パーティに不安だったけど、間にメレスーロスが緩衝材として入ってくれるなら安心だ。

 俺たちの戦い方も知ってるしな。

 とはいえ、メレスーロスも初対面のやつはいる。


「……それでルルクくん、後ろに隠れてる子が例の竜姫様?」

「はい。ほらセオリー、挨拶」

「わ、我こそが世界の闇より生まれし混沌、シャドウ=ダークあでっ」


 真面目にやれ。

 後頭部チョップをしたら、咳ばらいをしたセオリー。


「コ、コホン。セオリー、真祖竜だもん」

「とまあちょっと心がポンコツなので言動はアレですけど、ステータスは高いので足は引っ張らないかと」

「竜姫様にその扱い……さすがルルクくん、大物だね」


 ひきつった笑いを浮かべたメレスーロス。隣で【白金虎(バイフー)】が殺意を滾らせて睨んできた。

 それでも文句を言ってこないのは、雑に扱われてもセオリーが俺にくっついているからだろう。もし少しでも姫様(セオリー)が嫌な顔をしたら、すぐにでも引きはがしてやろうという意気込みは感じる。

 敬虔な国民だこと。


「それで、すぐ出発する?」

「いえ、そろそろ日が暮れるので、今日はここで一泊させてもらう予定です。夜が明けたらすぐに発ちます」

「わかった。でも特例で迎えたとはいえ、竜種も冒険者も里の中までは入れることはできないよ?」

「はい。野営するつもりなので、空いてる場所を貸してもらってもいいですか」

「うん、それは問題ないよ」


 そう言うと、メレスーロスの背後で地味に警戒していた守護部隊の面々はホッと息をついていた。

 俺たちだけならまだしも、見覚えのない人族がいるからな。ましてや竜種もだ。


「そういえばカルマーリキはいないんですか? 俺たちが来たらすぐに飛んできそうなものなのに」

「先に魔族領に向かったよ。エルフの里としてもチームを組んでるから……でも魔族領まで抜けるのにどれだけ急いでも4日はかかるから、たぶんあたしたちの方が先に着くだろうけどね」

「そうですか」


 俺たちは竜の速度で魔樹の森を越えるからな。半日程度だろう。

 兎に角、今日はもう竜たちにも休んでもらって、出発は明日の早朝だ。

 

 そういうつもりで荒れた畑の隅に野営を設置し――といっても焚火を組むだけで、あとは寝袋で雑魚寝だったが――、エルフたちとの関りは最低限にしておいた。


 今回は合同パーティでのクエストだからな。さすがに『救世主』や『恩人』として振舞うのは身勝手だろう。

 もちろんエルフたちにもそういう対応を頼んだので、メレスーロス以外は話しかけてこなかった。


 とはいえ野営は【白金虎(バイフー)】とは少し離れて別で設営しているから、内緒話に苦労はない。魔物も出ないから夜番も必要ないし。

 メレスーロスもそのままここで過ごすつもりのようで、俺たちと焚火を囲んでいた。俺たちとはバルギアまでの旅で慣れているので、勝手知ったるなんとやら、だ。


 そのまま雑談と情報交換をしつつ夜を過ごして、翌朝を迎えた。

 天気も良くて申し分のない朝だった。


「それじゃあ出発しようか」

「「「はい」」」


 気合十分なメレスーロスの号令に、やや緊張した面持ちの【白金虎(バイフー)】の面々。

 まだ夢見心地なエルニと爆睡中のプニスケを竜の背中に押し上げて、空へと飛び立った。

 さすがにもう手すりは付けてない。


 天を突くような高い魔樹も、竜種にとってはただ大きな樹だ。なんの苦労もなく北を目指して飛んでいく。

 体内の魔力を乱されない体質か……種族スキル以外でも、そういう特徴があるんだなあ。


「そうだね。あたしたちエルフは生まれたときから霊素が視られるし、獣人は元になった動物の特徴をそのまま引き継いでるしね。それぞれあるよ」

「じゃあ私たちは? 特別な何かあるの?」


 サーヤの無垢な疑問に、メレスーロスはちょっと答えづらそうに小声で言った。


「ええと、人族は……他種族と子どもを作れる繁殖力だね」


 どうせそんなことだろうと思ったので、俺も聞かなかったんだよ。

 ガッカリと肩を落とすサーヤだった。

 

「で、でもあくまで種族としての特徴だよ。個人的に言わせてもらうなら、サーヤちゃんはおそらく獣人より身体能力が高いし、エルフより霊素の扱いが上手いし、魔族より魔術の上達が早いよ。あたしがいままで出会った人族のなかで最高の才能だよ」

「ありがと……」


 褒めて励ますメレスーロスだったが、サーヤが気にしているのはそういうことじゃないんだなぁ。君たちは性欲と繁殖力が特徴ですって言われた時の気持ちは、人族にしかわからないだろう。


 まあ俺としては、人族で良かったかもしれないな。

 他種族で唯一、エルフと結婚できるんだから。


「そういうわけでメレスーロスさん、挙式はいつにします?」

「どういうわけなのかな?」


 チッ、ダメか。

 そんな冗談を言いつつのんびり空を飛んでいると、正午になる頃には前方の魔樹が途切れた。


 その向こうには、ごく普通の森が広がっていた。

 特に邪悪な気配もなく、動物や魔物が普通に生息している森だ。しいていうなら大気中の魔素が少し濃いくらいで他に特徴はない。


 その森の境目の、少し開けているところに着陸した竜たち。

 近くにいた小さな動物が逃げていく。


「ここが魔族領か。なんか、普通だな」

「……魔素が多いわね。回復は早いけど、魔術の通りが悪いわ」


 フラッツが拍子抜けしたように言うと、ラキララはさっそく手元で小さな氷を生み出して実験していた。


 俺は『虚構之瞳(みとおすもの)』で周囲を索敵し、特に脅威もないことを確認してから地図を広げた。

 ここから北西にダンジョンがあり、そのさらに奥地に中位魔族の居城がある。向かう方向は決まっているので、迷うことはない。


「メレスーロスさん、さっそく出発しましょう。ルビーたちはここに残るんだよな?」

「「はい」」

「数日内にエルフチームが来るらしいから、予定通りそれまでに野営の設置を頼むよ」

「「かしこまりました」」


 いまのところ順調に予定通りなので、竜種のふたりは早速準備に取り掛かっていた。


「そういえばメレスーロスさんはルニー商会にエルフがいるって知ってました?」

「この前戻って来た〝狩人〟のことだよね。本人から教えてもらったよ。というかルニー商会のメンバーは目元にマスクつけてるから、知らなくてもすぐにわかるよ」

「……ああ、なるほど」


 盲点だったわ。

 というかエルフも同じなんだな、ソレ。


 もちろん隠密行動中なんかは外してるだろうけど、普通に活動時もその恰好なら目印としてはわかりやすいな。紛れてわからないのは仮面舞踏会の時くらいだろう。

 全員で地図を確認して進む方向を把握したら、メレスーロスが手を打った。


「よし、じゃあ隊列を組むよ。斥候のリーリンちゃんが先頭、前衛右にルルクくん、左にベズモンドくん、中衛右にあたし、中央にセオリーちゃん、左にサーヤちゃん、後衛にエルニネールちゃんとラキララちゃん。最後尾は責任もってフラッツくん、それとケムナくん。二人は全体のバランスを見つつ、片方は遊撃として自由に動いていいからね。ベテランだから信頼してるよ」

「「「了解」」」


 10人規模のパーティだから隊列もガチガチだな。メレスーロスは器用に統率してくれそうだから、あまり心配はしていないが。


 ただ不安なのは、今回、俺たちはいくつか縛りプレイなことだ。なまじラキララとホタルが魔素を感知できるから、エルニの『全探査』は隠しておくつもりだ。

 さすがに禁術が使えることを教えるつもりはない。最悪の場合だけ利用することにしている。


 とはいえ未知なる森――魔族領。このあたりを支配しているのは中位魔族らしいけど、いきなり上位魔族と出くわす可能性もないワケじゃない。警戒に越したことはないから、バレる心配のない『虚構之瞳(みとおすもの)』だけは常時使っておく。


「みんなそんなに緊張しないで。大丈夫、自分を信じて進もう。もし不安なことがあったら言ってね。あたしも魔族領は初めてだけど、100年以上生きてきたから森を歩く経験は豊富だよ」


 メレスーロスが固くなっていた俺たちを解きほぐしてくれる。

 ほんと善いお姉さんだよね。


 一番緊張していたのは、斥候役のリーリンだった。

 初めての魔族領でのクエスト、その最前線で警戒するんだから責任も重大だ。鋭い目つきを一層尖らせて、周囲を警戒しながら進んでいく。


 とはいえ本当にここは普通の森だ。罠もないし魔物だって弱いやつしかいない。

 あまり肩に力を込めていても、無駄に疲れるだけだろう。

 ここはフォローしておこう。


「リーリンさん」

「な、なによガキンチョ」

「50メートル前方にいる魔物の気配はわかりますか?」

「バカにしてる? それくらいヨユーよ」

「じゃあ、その種類は?」

「……オルトロス、だと思うケド」


 お、当たりだ。

 まだ木々が邪魔で見えないはずだけど、気配察知スキルで魔物の種類まで的確に当てた。


「すごい腕ですね」

「ふ、ふん。これくらいワケないわよ」

「なら安心ですね。それにオルトロスがいるなら、周囲にそれより強い魔物はいませんし」

「……そうなの?」


 疑うような目を向けてきたリーリン。

 さすがに野生の魔物が少ないバルギアに生きていれば、知らないことも多いようだ。


「ええ。オルトロスは群れをつくる習性の獣系魔物です。ナワバリを持つタイプですから、自分たちより上位の魔物がいる場所には生息しません。凶暴ですけど、同時に臆病でもあります。これだけの人数なら襲いかかってくることはないでしょう。ですよねメレスーロスさん?」

「うん。オルトロスの狩場なら、このあたりの食物連鎖はオルトロスが頂点だよ」

「ならしばらくは安心ですね、リーリンさん」

「……そ、そうね」


 ほっと息をついて、わずかに警戒を緩めるリーリンだった。

 もちろん気配察知のスキルは継続しているようなので、油断をしているわけじゃない。

 余計な力は抜けたようだったので、もう少しだけ気を楽にしてもらおう。


「それにしても優秀な斥候スキルですね。うちのパーティには斥候がいないので、羨ましいですよ」

「そ、そう? まあアタシなんか斥候くらいでしか役に立てないケド」

「でも小柄で可愛らしいですし、ギルドじゃ人気なんじゃないですか?」

「そ、そうカナ……?」


 褒めたら照れた。

 目つきが悪くて小柄だから、世が世ならきっとツンデレ需要を満たせるだろう。【白金虎(バイフー)】で唯一の十代メンバーだし人気が出てもおかしくないだろう。


 まあ、見た目が華やかで美少女(※実年齢27)のラキララがいるから、もし人気が出ても彼女の陰に隠れそうな気もするけど。


 なんにせよリーリンの緊張も少しはほぐれたようだ。よしよし。

 俺とメレスーロスの共同作業(リラックスタイム)が役に立ったな。というかもっと共同作業させろ。俺とメレスーロスの仲を取りもて! さあ次の標的は誰だ!?


「ルルクくん、なんで味方に血走った目を向けてるの?」

「気のせいですよ(キリッ)」


 そんなふうに場を和ませながら進み、オルトロスのナワバリを抜ける。

 他の面子は残念ながらリーリンほど緊張していないようで、プニスケにいたってはエルニの頭の上で寝息を立て始めた。まあ危険を感じたら起きるだろう。


「止まって。何かいる。前方やや左寄り――こっちに突っ込んでくる!」


 リーリンが指摘したとおり、俺たちに向かって突進してくるのは巨大なハリネズミ――ブラッディヘッジホッグだ。

 その名の通り残忍な性格をしており、常に返り血で毛が濡れていることから名づけられた魔物だ。ランクはB。


「リーリン下がれ! 俺が受ける!」


 ベズモンドが盾を構えて前進し、リーリンと入れ替わる。

 ブラッディヘッジホッグは獲物を目視すると、その体をぐるんと丸めて回転しながら突っ込んできた。どこぞのゲームのキャラかよ。だがまあ、凶悪な攻撃方法だよな。


「ぬぅ!」


 さすがに重い図体の危険物に激突されて唸り声をあげたベズモンドだが、しっかりと盾で受け止めている。盾もただの防具じゃなく破壊耐性が付いている合金製の〝英傑級(グレート)〟盾だ。


「右から通すよ!」


 メレスーロスが叫びながら、弓をつがえて放った。

 かすかに左に体をズラしたベズモンドの横をすり抜け、棘の毛の隙間に吸い込まれるように突き刺さった矢。さすがの腕だな。


 怯んだブラッディヘッジホッグ。その隙を見逃す俺じゃない。


「『刃転』」


 前衛だから仕事はしないとね。

 動きが止まった相手なら外すことはない。ブラッディヘッジホッグの棘ごと、体を真っ二つに切り裂いておいた。


「うん、魔族領だからってとびきり強いわけじゃなさそうですね」

「「「えっ」」」


 崩れ落ちた魔物の果てを見て、なぜか固まる【白金虎(バイフー)】の面々たち。

 俺の隣にいるリーリンが、動揺しながら見てくる。


「いまの、アンタがやったの……?」

「はい。そうですけど」

「うそ、一撃って……」


 神妙な顔のリーリン。

 ブラッディヘッジホッグは硬いことで有名な魔物だからな。

 まあでも、


「俺の武器はミスリルですから、アレくらいは」

「ミ、ミスリルの短剣っ!?」

「あれ。言ってませんでしたっけ」

「ルルクくん、ミスリルはバルギアなら貴族しか持てないくらいの貴重品だからね。食器や装飾に加工されるから、武器になって出回ることは滅多にないんだよ」

「そうなんですか? ストアニアではたまに武器屋や素材屋で見ましたけど」

「ダンジョンのドロップで出るからね。でも、バルギアのダンジョンじゃミスリルは出ないよ」


 なるほど、確かにこれも100階層の宝箱報酬だったな。

 70階層までしかないバルギアダンジョンは、レアドロップでも出ない素材なのか。


 リーリンが喉から手がでるほどキラキラした目で見てくる。同じ短剣使いだから欲しいのはわかるよ。でもあげなーい。まあちょっと見せるくらいなら……でもどうしようかなー。見せる? 見せない? さあどっち?

 俺がリーリンの視線で遊んでいるとケムナが肩を叩いた。


「それよりルルク、いまの技はフラッツと戦った時に拳で使ったやつだな? 武器でもできたんだな」

「そうですね。むしろ武器で使うために作ったスキルなんで」

「すげぇな。不可視のミスリル斬撃かよ……そりゃギルドマスターもお手上げなわけだ」

「うむ。俺の盾でも防げんな」

「……こっちに向けないでよ?」

「ねえお願い! その剣みせて!」


 俺に群がってくる【白金虎(バイフー)】の面々。

 実際に共闘してみて、少しは打ち解けたみたいだな。それもこれもミスリルの短剣のおかげ……あれ、もしかして俺のコミュ力ってミスリルに負けてる? 無機物に? うそん。


「ほらほら、みんなちゃんと隊列崩さないで」

「「「はーい」」」


 メレスーロスの指示でもとの位置に戻っていく。

 もはや遠足の引率の先生だった。


 緊張もほぐれてわだかまりも解けつつある。

 これで少しは臨時パーティとしても形になるかな。


「……チッ」


 ただその時、俺は気付かなかった。

 フラッツの視線がより一層、鋭くなっていることに。

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[一言] ラキララは永遠の18歳の美少女です。 実年齢27歳というフェイク情報は忘れてください。 今すぐ! 年齢詐称のVチューバーみたいな扱い受けていて笑う。
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