鈍感な君に唾付けて
注意事項1
起承転結はありません。短編詐欺に思われたら申し訳ございません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
注意事項3
ぬるいですが、ちょっとヤンデレっぽい描写があります。苦手な方は此方もご注意を。
あとがき、ご注意を。本当にやべぇです。
住宅街の中にポツンとある、緑と茂みに溢れた境内。そこの賽銭箱に小銭を一つ落とすと、一人の青年が姿を表した。彼は問答無用で私の髪を自分の指に巻き付けると、ぐっと顔を近づけた。
「君のそれはわざとなのかなぁ」
「あの、それはどういう?」
絶世の美人がそこにいた。光さえ吸い上げるような美肌に、蜜を溶かし入れたような澄んだ双眸。白を幾重に重ねたような毛髪は、指を入れれば何処までも沈み込んで行きそうだった。
彼は何時もの明るい、軽快な風貌はそこには無かった。ただ怒りだけを此方にぶつけてくる。開かれ口腔から覗く、鋭い犬歯は抉られたら痛そうだ。
思わず身を竦ませて後ずさると、其れを拒絶するように顔を、髪を引き寄せられた。.......痛い。
「.......こんな事になるなら、さっさと唾付けておけば良かった」
苛立ちと共に吐かれた溜息。ほんの僅かな舌打ちを交え、彼は指を解いて体重を掛けてきた。後ろは硬い石畳だ。頭を打ち付けたら一溜りもない。だから必死になって踏ん張っていたが、いとも容易く尻餅を着いてしまう。
「あぅ」
最初に感じたのは無骨な石の感触ではなく、柔い羽毛のようなもの。後ろを振り返ると、既に神社の境内ではなく、見知らぬ部屋の一室だった。そこにある一枚だけの敷布団に私は臀を乗せている。
混乱する私を安心させようとしてるのだろう。先程までの手荒さはなく、ただただ甘やかすように、髪を撫でてくる。その高低差が激しく、寧ろ恐怖心を煽ってくる。
「んむ.......」
目を閉ざしたのとほぼ同時、唇を奪われた。目を見開いていたからよく分かる、こんなにも睫毛は長かったんだ。しかし油断したのも束の間、湿った柔らかいものが入ってきて、問答無用で口腔を蹂躙する。歯茎を詰り、舌を絡ませてくる。奪い、奪われるような、激しい口付け。気をやりそうな程。
「信じられ無いよね、本当に。鈍感にも程があるっていうか。だから」
「ひゃっ」
腰周りに手を回し、心臓部に耳を擦り寄せて来た。とろけた猫のような表情をして、首周りに手を這わす。これから行う事を予言しているようだった。
「さっさと連れ込んでものにするよ。君のこと」
人の振りした、人に合わせた人外さん大好きです。
時折素が出てるのを見て、ゾクッとします。(大好き)
実はプロトタイプがありましたが、良心の呵責とイメージに反して居たので、再構成しました。
※短編だから出来ること。
現実のあの方はあんな事言ってない!!
半分はお前の妄想だろうが!!
という葛藤がありました。
今もそう思ってます。頭おかしい作者です。