表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堅牢すぎた金庫  作者: 若庭葉
1/11

前口上

 変わった人間と言うのは実際いるもので、僕の周囲では緋村(ひむら)奈生(なお)と言う捻くれた男が、その代表格だろう。阪南芸術大学の芸術企画学科と言う、何をするのかイマイチよくわからない学科に所属する彼は、それなり以上のルックスと、そのアドバンテージを無にして余りある皮肉な物言いに定評があった。

 無論、主に僕からの「定評」だ。

 他に特徴を挙げるなら、重篤なニコチン中毒者で、阪芸生特有の死んだ黒眼(まなこ)をしており、生きて行く上で必要のなさそうな知識ばかりが豊富。加えて妙に勘がスルドく、尚且つ突飛なほど想像力豊かで、そう言った稀有な性質を時たま──実に気まぐれに──発揮する。今年の夏には、現実に起きた殺人事件の真相を看破してしまったことさえあった。

 そんな奇人変人の見本のような彼をして、「相当ヘンだ」と──原文は『思考回路がドウカしている』だが──言わしめる学友が、一人いた。

 この事件は、そんなもう一人の変わった友人によって、もたらされた物である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ