再会 そして事件
ギルド 漆黒の竜 のメンバーが消えたことで
見ていた人達が近づいてくる
「なぁ! 君! そのスキルどうやって手に入れたんだい?」
「初心者なんだろ?
チュートリアルの特別報酬?」
「まだギルド決めてないなら是非うちへ来なよ!」
「はぁ? こっちが先に目をつけていたのよ?
君! 私たちのギルドに来ない? 優遇するよ?」
俺は寄ってきた人達に囲まれてしまう
ゲーム会社の職員さんも
学校のみんな人ごみに流されている
こちらに大柄なプレイヤーが近づいてくるのが見えた
あれ…なんか見覚えが………
人の波を掻き分け俺の目の前へと来る
???「おい! 今のスキル!
《六鬼神》だろ? なぜ持っている?」
大柄なプレイヤーは肩を持ち話しかけてくる
肩痛い……
あぁ、これは確実にアイツだな…
リリュシオン時代から変わってないな
猪突猛進 真っ直ぐ過ぎんだよ
「落ち着け、ガイ」
俺は確信を持ってそう告げる
「何故俺の名を?」
ガイは不思議そうにこちらを見ている
「何を言っているんだ
あのスキルについて忘れたのか?
ガイ 喜べ! 煉が戻ってきたんだ!」
木菟がガイにそう告げると
ガイが俺の情報を《鑑定》する
プレイヤー名 煉
「煉! 煉じゃねぇか!
お前もやっと戻ってきたのか!!」
いや、《鑑定》持ってんなら早く使えよ!
《鑑定》持ってるならすぐ分かったろ!
そう話していると、今は無理だと悟った
大勢のプレイヤー達が離れていく
???「煉? 煉なの?」
離れていくプレイヤーとは逆に見覚えのある少女が近づいてくる
おそらく、人混みに流されこちらに近づいてこれなかったのだろう
「私のこと、分かる…?」
少女が不安そうに聞いてくる
あぁ、覚えているとも
彼女もかつて共に戦い抜いてきた大事な仲間
「緋扇、久しぶりだな」
「よかった… 覚えててくれた…」
緋扇がこちらを見つめ微笑む
じーーーー
あの、ちょっと見すぎでは………
「久しぶり… 嬉しい…」
まぁ喜んでいるしいいかな?
「ひぃちゃん! 久しぶり!!
木菟さんも! ガイさんも!」
光姫が近づいてくる
「おぉ! 姫じゃねーか! やっぱり
煉といたのか!」
姫…光姫のリリュシオン時代のあだ名だ
最初は嫌がっていたが
何ヶ月がするともう諦めていた
「久しいな こうして再会すると」
「あぁ! 煉も姫も戻ってくるのだろう!
これから楽しくなりそうだ!」
「ん、楽しみ…」
再会を喜び話していると
「すいません、少しいいですか?」
ゲーム会社の社員さんが近づいてくる
「プレイヤー 煉さんですね?
あのリリュシオン時代の」
どうやら俺の事を知っているらしい
「β組、つまりリリュシオン時代のユーザーの方には抽選で当時のスキルを配布することになっていたのですが…
まさか、《六鬼神》を引き当てるとは…」
なるほど、チュートリアルのときの抽選とは
これのことか…
ゲーム会社側も俺が《六鬼神》を引き当てたことに驚いているようだ
「実はですね……」
ゲーム会社の社員さんが話し始める
「リリュシオン時代、あなたはあのクエストをクリアしました
当時の運営側としてもあのクエストをクリアするとは思っても見ませんでした、
スキル《六鬼神》は一種の最強スキルのうちの一つ プレイヤーのステータスにダメージが依存するとしてもかなりの高火力スキルです
だからこのEternal Utopiaでは、
あのクエストはスキル《六鬼神》とともに消えました
彼らのレイドだけが残されています
なのでそのスキルはこの世界では手に入らないものになっている
だが、あなただけは可能性があった
β組特典として
リリュシオン時代の取得しているスキルの中から抽選で一つのスキルを取得することができたから
そして、あなたは引き当てた
数あるスキルの中から《六鬼神》を!
可能性というものを見せてもらいました
運営側はあなたの、
プレイヤー 煉の帰還を嬉しく思います!」
ゲーム会社の社員さんは俺のこのゲームへの帰還を祝福してくれた
そうか俺は手繰り寄せたんだ《六鬼神》という可能性を
俺は木菟達にゲームを買ってまたログインするということを伝えログアウトした
こうして、VRMMO見学を終えた
ログアウト後
先生が見当たらない紫藤と
慌ただしい社員の様子について社員の1人から説明を受けていた
どうやら紫藤はGMコールによる強制ログアウトのあと
暴れ、現実世界の俺に危害を加えようと刃物まで取り出したところ警備員が止めに入り 社員の人を人質に取り逃げようとしたらしい警備員達によって取り抑えられたが…
その際、何名かの社員を刃物で刺し
重体2名 軽傷5名という被害を出したらしい
俺達は警察による事情聴取を受け
高校へと戻ることになった
学校へ着くとすぐに緊急集会が行われ
三日間の休校となることが伝えられた
後日のニュースでは
「先日、重体2名 軽傷5名という被害があった、有名進学校のゲーム会社見学ですが
容疑者の男子生徒は
『あいつが悪いんだ!
彼女は俺の隣が相応しいんだ!
なんであんなやつが俺より強いんだよ!』
と、話しており
警察の事情聴取によると
「入学式の時に 『うちに来ないか?一緒に遊ぼう』 と話しかけてきて、嫌だったので断っていた 幼馴染の彼はその事を知り私を守ってくれていた」
という女子生徒の供述と
周りの生徒や先生からは
「女子生徒は嫌がっていた」「幼馴染の男子生徒はよく女子生徒を気遣い容疑者である男子生徒より彼女を守っていた」
との証言があったことにより
容疑者の私怨による犯行であることがわかりました
男子生徒は少年院に送られることになったそうです」
というニュースが流れた
紫藤はもう登場してこないです
名前が少し出るくらいかな
重軽傷者の説明
重体者は紫藤が刃物で刺したとき
内臓を損傷
軽傷者は紫藤が刃物を振り回したとき
切り傷を負った