スキル解放
木菟と 漆黒の竜 のギルマスが対峙する
「なんだぁ?
てめぇもガキの味方かぁ?」
「まぁ、今回に限ってはそうでしょう
あなた達の行いはゲーム内での迷惑行為はGMコールものですからね」
木菟はどうやらこちらの味方をしてくれるらしい
「あぁ! うざったいな!
てめぇら! ヤツらを囲め! エータ!
そのガキはてめぇの好きにしろ!」
「幼馴染くん 悪いけどキミは邪魔なんだよ 俺と美月さんのね
『決闘をプレイヤー 煉に申請』
さぁ 俺と戦え! 逃げ道はない!
まぁこの世界での俺のレベルは23
対して幼馴染くんのレベルはチュートリアルクリア後の5
結果は見えてるけどね
さぁ! 承認ボタンを押せ!」
逃げ場はない…
木菟も取り囲まれていて救援も見込めない…
仕方ない…か
「分かった…戦うよ…
『プレイヤー エータとの決闘を承認しました』
さぁ、やろうか… 」
エータが長剣を構える
こちらも初期装備を構える
『決闘を開始します』
3
ピリピリとした空気が張りつめる
2
紫藤のやつがニタニタと笑う
1
俺の全神経が戦いへと向かっていく
バトル 開始!!
開始と同時に紫藤が距離を詰めてくる
「やっちまえ!」
「負けたら許さねーぞ! エータ!」
敵ギルドのメンバーが紫藤に声援を送る
周りに人が集まってくる
???「おい! あれ!
なんか木菟のやつまで囲まれてるぞ!」
???「あの囲んでるギルド
木菟の言ってた害悪ギルド…」
???「迂闊に手出しできねぇな クソ」
???「あの少年も危ない…」
俺は紫藤の攻撃を躱し続けていた
次は右、次も右、そして左
紫藤の攻撃を紙一重で躱していく
「なんでだ! なんで当たらない!
クソ! 避けるな! 」
一方周りにはどよめきに包まれる
「なんで当たってないの? バグ?」
「いや、あれ完全にプレイヤースキルだぞ…」
「マジかよ」
「さっきの会話聞こえたけど
レベル23とレベル5でしょ?
18の差をプレイヤースキルで埋めるって…
あのレベル5の子一体何者よ?」
「確かに、でもこうなると
どっちが勝つか気になるな」
周囲はレベル差の決闘でのこの状況に驚きを隠せていないようだった
「なんでだよ! なんでだよ!!」
紫藤は長剣を振り回す
さっきと違い適当もいいところだ
俺はその剣を紙一重で避けると初期装備の剣で攻撃する
「…ちっ! 初期装備じゃ攻撃力が足りないか」
紫藤のHPは残り9割だ
決闘のルールだと
・先に相手のHPの8割を削る
・終了時HPの割合が多い方の勝利になる
が勝利条件だったはず
俺のHPは削られていない
残りはあと3分
このままいけば勝てる!
ガンッ!
背中に衝撃が走り
HPの3割が削られてしまう
「ッ!! 何がッ!!」
紫藤との距離をとり後ろを見ると
ニタニタと笑う
漆黒の竜 ギルマスがいた
「確かにプレイヤースキルはすげぇが!
決闘内容をしっかりと確認するんだったなぁ!
初心者のガキ!」
デュエル内容?
…まさか こいつ!
決闘内容
・周囲プレイヤーからの飛び道具あり
…厄介だ
これはリリュシオンの頃から存在している
一対多 練習用のために実装されたものだ
早めに気づけばよかった…
気づくと紫藤は攻撃を仕掛けようとしていた
俺は咄嗟に避けるも後ろからの被弾にダメージを受けてしまう
HPゲージの6割が削り取られている
残り時間1分……クソッ……
紫藤と 漆黒の竜 のギルマスから距離をとった
『スキル解放 《六鬼神》 :《六鬼神・酒呑》』
「こ、これはリリュシオンのときの…」
《六鬼神・酒呑》俺が持っていた
スキル《六鬼神》(6つのスキルが統合した
統合スキル)のうちの一つ
《六鬼神・酒呑》
解放条件はスキル《六鬼神》の取得と
15レベル以上離れた敵との戦闘でHPの6割を失う
さっき攻撃をくらったとき解放されたのだろう
「よし! これなら!」
俺は体制を整えスキルを発動した
「スキル《六鬼神・酒呑》!!」
目の前に青い炎とともに一振の刀が顕現する
「蒼炎・酒呑」
刀の銘は蒼炎・酒呑
蒼い炎を纏った美しい刀身
周りの目が蒼炎・酒呑へと向く
俺は紫藤に向けて
刀を振るう 紫藤の長剣諸共紫藤を切り伏せ
その切り口から蒼炎が吹き荒れる
『決闘終了
プレイヤー 煉の勝利です』
システムアナウンスが流れる
俺の一太刀で紫藤のHPゲージを吹っ飛ばしたのだ
程なくして、周りの人達によるGMコールが
承認され 漆黒の竜 のメンバー達がギルマスを残して消えていく…
なぜギルマスが残っているのだろう…
「クソ! エータのやつ何負けてやがる!
テメェらだなGMコールしたヤツらは!
その顔と名前覚えたぜ!
俺の名は 漆黒の竜 のギルマス
『漆黒』の獅子!!!
テメェら全員皆殺しだァ!!」
漆黒の竜 のギルマス 獅子が
そう喚き散らした瞬間
やつの姿が消えていった
おそらく、
プレイヤー名が分からず
GMコールできなかったのだろう
ギルドの方は悪い噂で名前が広まったが
プレイヤー名は有名ではなかったという事だ
とりあえず
これでひとまず大丈夫そうかな…
新たな登場人物の予感!