ゲーム会社見学
次の日、学校へ来ると
また紫藤のやつが話しかけてきた
美月がごめんねと断りを入れ
俺らは席に着く
紫藤は俺の方睨んでいた
「みんなー 席に着いてー!」
千代先生の号令がかかり席に着く
「はい、今日は明日からある
会社見学について説明します」
そう切り出した
入学前、アンケートに
見学先を選ぶところがあり
俺と美月はゲーム会社を選んでいた
「えっと、多かったところなどは
こちらで調整してあります
前の黒板に明日の見学先を書いた紙を掲示しておきます」
この説明を受け、
残りの時間は掃除分担などを決め
今日は解散となった
次の日
「はーい ゲーム会社見学の人集まってー」
担当は千代先生のようだ
俺と美月はゲーム会社見学になっていたので
そちらへ向かう
中には紫藤もいた
この会社見学は1年生から3年生まで合同で行われる
俺らはバスに乗り見学先のゲーム会社に向かった
ゲーム会社
「ゲーム会社見学の担当となっているものです 星鏡高校様ですねこちらへどうぞ」
担当の人が先導して機械やあれこれを説明していく
「さて、このゲーム会社見学のメインイベントですがVRMMOの体験をしてもらいます」
ゲームの体験かぁ
「ゲーム名はEternal Utopiaというゲームです」
何人か知ってる人がいるようで
担当の人の話に反応する
「さて、ここに来ている人数分ありますのでこちらへ」
中にはたくさんのナーヴギア設置されている
「男性はこちらへ女性はあちらへと別れてください」
そのあと、セット方法などを学び
いよいよログインしてみることとなった
「ベットに寝転んでゲームを起動させてください 向こうでうちの検証部門の社員が対応します
それでは、いってらっしゃい」
いよいよ開始だ!
『システムアナウンス』
音声が流れる
『この世界はリリュシオンと呼ばれるゲームを軸に形成されたゲームです』
リリュシオンという言葉に反応する
俺が昔やっていたゲームだ
『システムコード』
『プレイヤー名 煉』
『β組であると判明抽選を開始します』
煉 俺のプレイヤー名
れんの漢字を変えただけだ
どうやらリリュシオンのプレイヤーは
β組と呼ばれるらしい
おそらくβテストと同じだろう
しかし…抽選とは何の事だろう
美月もリリュシオンをやっていたため後で聞いてみよう
『抽選終了』
『これよりEternal Utopiaの説明に入ります』
Eternal Utopiaの説明に入った
基本はリリュシオンを変わっていないらしい
変わったとなれば《眷属》のシステムと
数種類の武器の追加だ
世界観はリリュシオンのメインにあった
王国がありその周りには
他種族の国があるとの事だった
一通りの説明を受け
『それでは
プレイヤー名 煉様 いってらっしゃいませ』
このアナウンスとともに
俺は始まりの大地に立っていた
ここはリリュシオンと同じく
始まりの大地 新規プレイヤーが
とばされる場所だ
周りを見ると先生達がいた
「煉くん! 聞いた?!」
美月が話しかけてくる
リリュシオンのプレイヤー名はたしか
「プレイヤー名は光姫だったか?」
「そう!
ここやっぱりリリュシオン?」
「そうみたいだ、マップにも
王都リリュシオンと書かれてる」
そう話していると
「おや、来たようですね」
おそらく、ゲーム会社の人だ
「私は、ゲーム会社の
検証部門 部長です
よろしくお願いしますね」
「さて、このゲームのプレイヤーが何人かいるみたいだね。
とりあえず最初の町へ向かおう」
そう話し、行き先が決定した
すると紫藤が近づいてくる
「美月さん、プレイヤー名は光姫か
俺と一緒に来なよ
安全だよ このゲームやってるから
ここら辺には慣れてるしね」
へぇ と思いつつ光姫の反応を伺う
「あの、ちょっといい?」
「うん? なんだい?」
「ゲームのリリュシオンって知ってる?」
「リリュシオン? ここの王都の名前だろ?
それがどうしたんだい?」
どうやら紫藤はβ組では無いらしい
「あ、いいの気にしないで
あと、みんなについていれば大丈夫そうだし一緒に行かなくてもいいかな」
「そ、そうかい」
紫藤は去り際、俺を睨み離れていった
「最初の町に着きましたよ」
会社の人がそう説明してくれる
そこから町の説明、職業の説明をしてくれた
「それでですね、うん?
あれは、ちょっと木菟さん!」
聞き覚えのある名前が聞こえる
「うむ?
あぁ、運営側の方?
どうなされた?」
「今、会社の案内でゲーム説明をしていて…」
「ふむ、そうだったか 了解した」
と言ってこちらへ向かってくる
「私はプレイヤー木菟
ギルド 梟 のギルドマスターだよ
我々、梟は情報屋をしているんだ
活用してくれたまえよ」
「あぁ、ギルドというのはね…」
説明が終わる頃に
周りがざわつき出した
「おうおうおうおうおう!
どけ! 邪魔だ!
俺らはギルド 漆黒の竜 だぞどけどけ!」
見るからにうるさそうだ
「はぁ…面倒なのが来た…」
木菟がそう呟く
「ん? お前新入りのエータか?」
「ギルマス! お疲れ様です!」
そう答えたのは紫藤だ
「実はギルマス……」
紫藤はギルマスであろう威張ってたプレイヤーに耳打ちをする
そしてこちらを見て
「おうおう!
嬢ちゃん可愛いな! 俺らと来いよ!
いいこと教えてやるぜ!」
そう言い仲間と笑っている
紫藤もニタニタと笑っている
「おい! そこのガキ!」
今度は俺に対してのようだ
「お前、うちのメンバーの邪魔したってな?」
邪魔?まだ、この世界来て1時間くらいしか経っていないのだが…
あぁ、紫藤がこっち見てるってことは
あいつか
めんどうだな…
「おい! 聞いてんのガキ!
ちっ! 無視かよ
おい! こいつ連れ出せ!
誰に楯突いたかわからせてやる!」
えーーすぐリンチかよ…
運営何してんの?
とりあえずGMコールだけはしとこう
「あ? GMコール?
ガキてめぇか! GMコール出せないように
潰せ!」
周りの取り巻きが襲いかかってくる
紫藤も含め12人だ
どうしようかと考えていると
「やめろ!」
木菟が俺の前に立った
木菟さん!
かっこいい大人のイメージ
杖を片手に持っています