雷神の依頼 其ノ参?
遅くなりました〜
俺たちは、最後の試練に挑もうとしていた
「最後の試練、その内容は!
この俺、雷神と戦うことだ!」
は?
俺たちはきっと間抜けな顔をしていたと思う
最後の試練が雷神との戦闘?
「ちょっ! ちょっと待て!
いや、待ってくれ!」
「ん?」
「雷神であるトールとの戦闘は
3つの試練を終えてからじゃないのか?」
みんなが疑問に思っただろうことを
俺はトールに尋ねた
「あぁ、その事か
お前達の戦闘を見ていた上で必要ないと判断した」
「「「「いいのかよ?!」」」」
俺たちの声はこれ以上ないくらいに綺麗にハモった
少し落ち着いてからもう一度尋ねる
「いや、試練を飛ばすって……」
「それについては創造主も俺に任すと言われている」
いや、プログラムに任せるって……
「では、準備が出来たら声をかけてくれ!」
俺たちは一度山を下り町へと戻った
町には生産系プレイヤー達やNPC達の店が立ち並んでいる
「前より増えてるな」
それが率直な感想だった
恐らく素材の供給が行き届き始めたのだろう
俺たちは露店に立ち寄りながら
トールとの戦いに向けて準備を進めた
そして明日の夜9時を集合時間とし解散した
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翌日 夜9時
「揃ってるな」
「おう」
「えぇ」
みんなの意気込みが感じられる
「それじゃあ行くぞ!」
「「「「おう!!」」」」
山の頂上へ着くと
トールが待っていたという表情で大槌を振り回していた
危ないなぁ………
「さぁ!! 戦おうぞ!!」
トールが大槌が振り下ろす
周りに紫電が広がり戦いが始まった
「ひとまず散開しろ!」
広範囲攻撃を恐れ俺たちは周囲に散らばる
「ハッ!!」
トールが近くにいたガイに詰め寄る
そこへ遠距離攻撃がとめどなくダメージを与える
「やるな!」
トールは大槌を振り紫電を撒き散らし
遠距離攻撃を弾く
(あんなのありかよ?!)
そしてトールはそのまま大槌を
次は俺と紫音に向けて振り下ろしてきた
俺と紫音は刀を当て大槌をズラす
ピシッッ
瞬間俺の刀に無数の亀裂が走り消えた
恐らく耐久値が持たなかったのだろう
俺は新しい刀、雷銅を取り出し構える
「雷を司るこの俺に雷の刀で挑むか!」
これは意地みたいなものだ
《六鬼神》を使えばもっと戦える
だが俺はこの誇り高き神の名を冠すAIに
プレイヤースキルで挑みたくなった
否、なってしまったのだ
振り下ろされる大槌を流し接近する
一太刀、もう一太刀入れる事に
俺の動きは速く鋭くなっていく
続いたガイ達が大槌を封じ
援護射撃でダメージを増やしていく
瞬間、辺りを落雷が襲った
多くのものが弾かれスタン状態に陥る
「そろそろ俺も全力で行かせてもらおう!」
トールの周囲を雷が覆う
大槌は紫電を纏いトールは空へと昇る
「喰らうがいい!
《地を穿つ神雷》!!」
名の通り神の雷が地を穿つため天空から降り注いだ
雷が止んだ時
そこにあったのは黒く焦げた大地だった
残ったのは俺と光姫と紫音、
それにガイとワダツミのメンバー3人だけだった
「楽しかったぞ! また、ここに来い!」
トールのその言葉を最後に残ったメンバーへ雷が降り注いだ
こうして、俺たちはこのゲーム初めてのデスペナを体験した
初めてのデスペナですねぇ
因みにデスペナの内容はデスペナの回数で変わる設定です
1回から5回
・一定時間ステータス減少(約1時間)
6回から15回
・一定時間ステータス減少(1時間半)
・アイテムからランダムで1つを失う
16回以上
・一定時間ステータス減少(2時間)
・アイテムからランダムで5つを失う
・レベルが3下がる
(その分のステータスも)
となっていて
3ヶ月に1回デスペナ回数がリセットされます