クエスト そして レベル上げ(メルフォルベア)
向かった先には
赤黒い巨大熊と
それに立ち向かっている第2パーティ
メルフォルベアの残りのHPは8割で
第2パーティは
タンクのHPが残り僅かだが
まだ1人も倒れていない
ガイと第3パーティのタンクの人が
先行し第2パーティを下がらせタンクを変わる
そして回復担当である神官たちが第2パーティの回復を行い
その間、遠距離攻撃のできる人達が遊撃をして少しずつダメージを入れる
それは見事な連携としか言えないものだった
光姫も弓士として遊撃に参加して
ダメージを入れ
ガイたちタンクがメルフォルベアの一撃を受け止めて俺を含む近接戦闘のメンバーが間髪入れずにダメージを入れていく
現在メルフォルベアの残りHPは5割
このままだとまずガイたちタンクが押し負ける
そうした場合、俺たちは全滅する
「俺も少しは役に立たないとな」
そう言いながら俺はメルフォルベアに突っ込んでいく
ワダツミのメンバーの1人が俺の特攻を危険だと止めようとするもそれを無視し
メルフォルベアの死角から一撃を入れる
ダメージが入りこちらに気づいた
メルフォルベアが一撃を叩き込んでくる
「危ない!」
後方で光姫が声を上げる
俺はバックステップで距離を取り
スキルを使う
「《六鬼神・酒呑》発動!
蒼炎・酒呑!!」
蒼き炎を纏った刀身が姿を現す
妖しくも美しい一振りの刀に
俺を除くそこにいた全てのものが目を奪われる
俺は刀を握り《縮地》を使う
《縮地》はスキルブックまたはスキルの《刀術》により獲得できる
俺は《刀術》のレベルが上がったので獲得できている
メルフォルベアとの距離を一瞬で詰め
斬
メルフォルベアが反撃するも
俺は縮地を使い攻撃を躱す
そしてメルフォルベアの身体に縦横無尽に
蒼き炎の花を咲かせる
メルフォルベアが消滅していく
「……すげぇ」
誰かが声を漏らしたと同時に
ハッとした様子でみんなが歓声を上げる
「まじかよ、勝てちまった……」
「流石、鬼神と呼ばれるだけはある」
「今の何?! 速くね?!」
「お前、見えたかよ?」
「み、見えてたし?」
などあちこちから声が聞こえる
「ガハハハ、流石は煉だな!
まさか、打ち倒しちまうとは!」
ガイが近づいてくる
「スキル頼りだったけどな、
《六鬼神》のおかげだよ」
そう話していると
後ろから抱きしめられる
後ろを振り向くと俺の背中に顔を埋めた光姫
「光姫? どうした?」
「………」
光姫は黙って顔を埋めたまんまだ
「光姫?」
もう一度声をかけると
光姫の手に力がこもり
勢いよく顔を上げて
「煉くんの……ばかぁぁぁぁぁ!!」
叫びながら俺の頭をぐわんぐわん揺らす
「わ、悪かったって……
VRMMOだし負けてもデスペナルティ受けるだけだしさ」
「そういう問題じゃなーーーい!
勝手に突っ込んでいかないでよ!
心配したでしょ!」
光姫さんめっちゃ怒ってらっしゃる
口調も変わってる気が……
「ご、ごめんなさい……」
「もう、勝手に突っ込んでいかない?」
「は、はい」
「約束だからね!」
「あぁ、約束する」
どうにか許してもらえるみたいだ
光姫の頭をあやす様に撫でる
そのあとガイたち ワダツミ と話し合い今日は町に戻って解散することになった
町につくと
木菟が待っていたガイが帰り際に
メルフォルベアと対峙したことを伝えたためだ
「煉に姫、それにワダツミのみんな、大丈夫だったか?」
「あぁ! 煉が《六鬼神》を使って倒した!」
「そうか、よかった」
話の内容は省略化されているけど
ガイが木菟に今日の出来事を伝える
「煉! ドロップ品を見せてやれよ!」
ガイがドロップ品を見せてやれと促す
そう、メルフォルベアからはドロップ品があったのだ
「木菟、これがメルフォルベアのドロップ品だ」
木菟に袋を渡す
これは無限収納袋、プレイヤーの必需品の1つでチュートリアルクリア後にプレゼントされるものだ
無限と書いてあるが許容上限はレベルによって変わり最大が見えないからこそ無限収納袋と呼ばれているのだ
木菟は袋を受け取り中身を取り出す
中からは
牙や爪、毛皮そして魔石も出てくる
?! 木菟が驚いた顔でこちらを向き
「魔石もですか! これは珍しい」
そう、魔石もドロップしたのだ
ドロップ率があまりにも低く
滅多にお目にかかれないメルフォルベアの魔石だ
「ふむ、煉、魔石は一体どうするんだい?」
「どうするって言うと使い道か?」
「あぁ、使い道だ
売っても高く売れるし装備強化にも使える」
木菟は興味津々のようだ
まぁ、彼らのギルド 梟 のメンバーは基本好奇心旺盛なのだが
「装備に使おうかと思っている」
「装備か、やはり刀か?」
「あぁ、付与魔術を使い刀を強化する」
「付与魔術?! もう覚えたのか」
木菟が驚いた顔でこちらを見つめる
「あぁ、今の俺の基本ステータスだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プレイヤー 煉
種族 人間 性別 男 レベル36
職業 支援士 レベル8
HP 970 MP480 SP250+50
STR140
DEX105+40
VIT120
AGI185
INT160+60
MND135+50
LUK180
称号
『β組』『六鬼神』『鬼神』
スキル
《刀術Lv12》《剣術Lv8》《縮地Lv3》《雷魔法Lv9》《火魔法Lv5》
《六鬼神・酒呑Lv6》《鑑定Lv7》
《付与魔術Lv1》
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
木菟が興味深そうに俺のステータスを覗いている
「基本ステータスが高いな
レベル36で通常のレベル45くらいの
ステータスになっている」
そんなに高かったのか……
「確か、ガイが今、レベル54で装備無しの
STRの数値が320のはずだ」
ガイで320か……
そこでふと疑問に思ったことを木菟に尋ねる
「攻略組のステータスって分かるか?」
「彼らのか、分かっているのは
レベルは先日75を突破したこと
ステータスの数値の推定は
平均450〜600だと思われる」
「レベル75か………」
「あぁレベル75、あの頃の最前線よりまだ低いな」
そう、あの頃のリリュシオンの時代は
レベル92が攻略組の平均レベルだった
「そうか、木菟情報ありがとう」
「今日はどうするんだい?」
「もうログアウトすることにするさ」
そう言って光姫の元に向かう
「光姫、そろそろログアウトするか」
「そうだね、あ、煉くん!」
「ん? どうした?」
「明日、私の家に来れる?」
光姫の家に?
明日は、土曜日、用事もない
「あぁいいけど
いつ頃向かえばいい?」
「えっと、朝の9時くらいに
お願いできる?」
「ん、分かった」
そう言って宿屋に向かいログアウトしようと思っていると
ガイが近づいてくる
「煉! 姫!
今日は助かった! ありがとうな!」
「あぁ気にすんな」
「そうですよ」
「そう言ってもらえると助かる
引き続きクエストの手伝いは任せてくれ!
次はいつ出来そうだ?」
明日は光姫と用事
明後日は詩音と買い物に行く予定がある
「光姫、次は月曜日でいいか?」
「うん 大丈夫だよ」
「ガイ、次は月曜日に頼めるか?」
「おう! 任せてくれ!」
ガイと話した後
俺たちは宿屋に行きログアウトした
因みに
ステータス平均は
20〜30で100前後
30〜40で150前後
40〜50で250前後
50〜60で350前後
60〜70で500前後
70〜80で700前後
80〜90で900前後
90〜100で1200前後になります
作者より
これから投稿は週に1〜3話のペースで
行いたいと思っています
そして、次回は美月と詩音のお話です