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花咲く森の道で

作者: 遊月奈喩多

おはようございます、遊月です。

Twitter上で私が楽しませていただいているタグ「創作試験問題」でのお題『森のくまさんの世界観のなろう系短編小説』として執筆いたしました。


なろう系かはともなく、趣味に走りましたよ!

ということで!


本編スタートです!

 …………ろ、

 ……きろってば、


 うーん、なんか声が聞こえる……。

 もうちょっと寝かせてよ、昨日も日付変わるまで残業したんだからいいでしょ? もう、心も身体もくたくたなんだから……。

「おい、起きろ」

 あれ、でもこんな風に起こしてくれる人、うちにいたっけ!?


「だ、だだだ誰!?」

 目を開けると、あれ、おかしいな。

 周りにあったのは安っぽいアパートの狭い部屋とかじゃなくて、無数に生えている木々。わたしが寝ているのも、薄っぺらくて硬い布団じゃなくて、所々チクチクしてくすぐったい草むら。

 簡単に言えば、わたしは木が生い茂る知らない場所で眠っていたらしい。

 ……え、いや待っておかしい。

『うぅっ、うっ、~~っ、っく、……』

 …………。

 やけ酒飲んだりした日だと、酔って帰ったりするとけっこういろんなこと忘れたりしてしまうけど、ううん、違う。昨日に限っては、忘れたとかはありえない。胸の痛みと共に、記憶を再確認する。

 ていうか、思い出したくなかったな……。

 せっかくお風呂とか入って紛らわせてた気持ちが、また(あふ)れてくる。視界が滲んで…………。


「おい、大丈夫か?」

 え。


 ここに来て1番驚いたこと。

 それは、わたしをさんざん起こしたりしてくれていた声(好きな声優さんにちょっと似てて、なんだかときめいたりしちゃってた)の主が、大きなクマだったこと。

 そう、クマ。


「くまぁぁぁぁぁーーーー!!!??」

「おう、クマだけど」

「そんなあっさり認めることじゃないよ!?」

「いやでも、俺クマだし」

「えぇ……」


 わたしの知っているクマは、猛獣だ。

 木の、実を食べたり川で鮭を獲ったりする、大きな獣だ。どうしたって、紳士的な声で寝ているのを起こしてくれたり、こんな流暢にしゃべったりしない。え、ていうか、ほんとにクマだよね……?

「ふふっ」

 疑いの眼差しを向けていると、ほんとにクマらしからぬ優しい笑いが聞こえた。なんとなくまたときめいたりしながら、「どうしたの?」と尋ねると。


「いや、ここで眠ってるとき、ずっと誰かの名前を呼んで泣いていたからな。元気が出たようで、安心した」

「――――っ!!!」


 顔が熱くなってくる。

 そういうのを面と向かって言うとか、しかもそんないい声で優しいこと言うとか、もう反則じゃない!?

「そういうの、言うかな~!」

 恥ずかしくなって、思わず駆け出してしまう。

「あっ、おい! イヤリング落としてるぞ!」

 だから! そんないい声で追いかけてこないでってば!

 花咲く森の道で、わたしは一匹の優しいクマと出会った。

前書きに引き続き、遊月です。

森のくまさんは、きっと優しいですよね。えぇ。


ということで、また次作でお会いしましょう!

ではではっ!!

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