8.誘い
テスト終わったんで書きます。はい。
「君はあまりにも異質な存在だ。まるで目的意識を持ち、人間のように振る舞っている。見た目は普通のモンスターだが、普通のモンスターとは、持つ思考回路が違うようだ。」
……この世界に来てから早1週間程のことです。私が人間ということがばれてしまったかもしれないです。こういう場合、悪魔でもモンスターであることを突き通すのが正解なのか、人間であることを自白するべきなのか、私にはわかりません。このリ○ク(だから違う)は初めて出会った人間であるというのに、その人に身ぐるみを剥がされるとは、私はどれだけ運がないんでしょう。
とりあえず、敵対はしない方向で。勝てないし。(元)人間である私が同族を殺すことに躊躇いを感じるのは当然でしょ?私は半ば警戒しながら彼の話に耳を傾ける。
「君に僕の言葉が届いていることを願って名を名乗ろう。僕はスローネ。近くの教会のガードをしてたんだけどね。あのアメジスト・フォクシーが逃げ出したという話を聞いて捜査にあたっていたのさ。」
彼はスローネという人だったようだ。冒険者に見えたが、宗教関係の人だったとは。私も自己紹介をしようとして声を発しようとする。
「ギィ……ギギギリィ!ギィギィッ!」
(えっと……私はっ!蓮といいますっ!)
………………
「…………」
薄々予想はしてたけど、私喋れねーじゃん。そうそう言葉を話す機会なんてなかったから素で話そうとしてしまったよ。気まずい……これは気まずいよ私。
言われようのない静寂が私とスローネを襲う。私は2のダメージを受けた。(メンタル的に。)
「そうだね。紙を渡すから、名前を字で書いてくれないかな?」
そういってスローネが渡してくれたのは、一枚の木の板と、鉄製の先の尖ったピックだ。モンスター用としてか、それとも代用品か。私にはわからないけれど、ありがたく使わせてもらおう。私は木の板に蓮と書く。ドゥクサーの姿で文字を書くことは慣れていないはずなのに、意外とスラスラ書けたようだ。これはあれだ。ゴール○ンスライムがゲイボルグを装備しているような感じぞ。あれ、どうやって持ってるんだろうな。
「……この字は…チャイレズ語ってやつかな……ここから大分離れてるし、知り合いもいないし…読めない。」
……チャイレズ?あっ(察し)
そういやファンタジー世界といえば西洋だよな……。なんで漢字を当たり前のように使ってんだ私は。チャイレズって言う響きはチャイナでよかったか?多分大丈夫だ。(自問自答)…となると。やはりローマ字か?いや…ローマ字でいいのか?本当に通じるのか?名前だけなら伝わる気もするが、それ以降の会話とか構成文、文法なんてわかったもんじゃない。(それ英語)私は伝わってくれと言う意思を死ぬ気で伝えようとローマ字でRenと綴る。伝わってくれるかな……
「レンというのか……モンスターに名前がつくのは珍しい。」
伝わったようで何よりだ。でもあらぬ誤解が生じているようだが、私は知らない。ドゥクサーと呼ばれるよりはマシッてだけ。そしてどうやらこの世界ではローマ字である程度通じるようだ。多分。(英語)
「さて、本題に入るが君を近くのギルドにいれたいと思う。私の言葉がしっかりと理解できているようだし、最近は自律性モンスターの受け入れ体制も整っているんだ。」
モンスター受け入れのギルド……どういうことなの……あと自律性モンスターってなんだ。私みたいな中身が人間のモンスターがうじゃうじゃと揃っているのか。なんかやだなそれ。というかこのレベルとランクでギルド生活なんてこなせるのか?シマリスに追われてクジャクに怯えて犬に殺されかけるという日常が死にかけレベルでヤバイというのに、誰かを助ける、依頼をこなす、より強い敵を倒すなんてことは果たして可能なのだろうか?
………そんなの不可能に決まってる。
私は拒否の体勢をとった。え?どうやってって?スローネから離れて早く帰りたいという意思を込めて窓をドンドン叩いている。前足で。
「その様子だと、ギルドには入らないあるいは入れないという志だね。」
彼は窓を開けてくれた。そして優しく私の体を抱き上げると、地面にトンと落とす。私の体勢は崩れ、足に衝撃を少し感じた。痛いというわけでもないので私はすぐに体勢を立て直す。やれやれ、もっと優しくしてくれないものか。
「まぁ急にこんな話をして悪かったよ。でもギルドも人材やモン材を必要としている。強くなったらでもいいし、気が向いたらでもいい。また僕の所にくるといい。ギルドはいつでも募集しているらしいからね。」
彼は笑顔でこちらを見て、そう言った。
私はそれだけ聞くと、一直線にその場を走り去った。
話繋ぐのって難しいですね。ファンタジーといえば中世の西洋世界を思い浮かべる私ですが、気が向いたら中国世界等をモチーフにしたモンスターとか考えてみたいですね。