2.新しい人生(人?)
ここまでノベルバにて書いていた文になります。文才をくれ文才を。国語は比較的特異な方なはずなんだ!文をくれ文才をお!!
私は気を失っていたみたいだ。目を覚ますと私は野原の柔らかい芝生の上にいた。すごく心地よい。近年の小学校では人工芝というものが校舎に広がっていると前世では聞いていたが、そんなものは比にならない。天気が悪くない限りここで日光浴するってのもひとつのライフだなと私はまったり考えていた。
それにしても、木がちょっと高い気がする。いや、ちょっとどころじゃない。おそらく私が今みている木から落ちてきたであろう林檎のような紫色の果実が私の目線と同じ。しかも私はねっ転がってる訳じゃない。元々こんな体だ。ここに来てからだが。
めっさちいさくなってるな。私。
とりあえず私はクソジジイ(神様)から貰ったマニュアルを読む。
ここにそれを記すとしよう。
1.モンスターのライフが0になった瞬間、お主は死ぬ。精々楽しむのじゃな。
2.お主のステータスやスキルをみれるようにしておいたぞ。モンスターのステータスはみれないが、ランクや解説をみることはできるのじゃ。
また、お主のレベルが勝っていれば、特定のアイテムの用途を知ることもできるのじゃ
3.戦ってレベルアップするのはもちろん、特定の種族を倒したり、一部の食べものを食べればステータスポイントが上昇するのじゃ。これは進化先に影響するから、上げることをお奨めする。
とりあえずこんな感じ。
この世界の体力が0になれば、私が死ぬ。そうならないために私はステータス画面を開く。意外とあっさり、ゲーム画面のようなものが現れた
名前、光殻蛹 (Fランク)
LV1/50
vit 8/8
atta 4(0)
def 10(2)
spd 2(0)
解説(その体に眠るは無限の可能性。)
……これスライム以下のステータスだな。体力が10を越えていないし、そもそも10というdef(防御力)が心なしか高く見える程。これヤバイだろ。名前から察したが、私、蛹になっているみたい。形や感覚的には蝶のような糸を巻いて動けないような蛹ではなく、どちらかと言うとポンポン跳ねられるようなものに近い。実際跳ねてるんだもん。そんで私の体つきなんて今じゃわかるはずないんだから。
それでいて無限の可能性.....か。今はステータス的にdefに降られているみたいだ。これをある程度操作できるようになれば、この説明文通りの進化ができるのか。まぁいきなり魔王格になれないことはわかっているので、これもまた地道にやっていくしかないだろう。
私はそう考え、早速ステータス画面を閉じて動き始める。
………おっせぇ。
蛹なんだしと括っていたが、これは遅い。木1本を素通りするのにバカみたいに時間がかかる。これじゃあこの森を抜けるにはいったいどれだけ時間がかかるのであろうか。これもspdが原因だろうか?2しかなかったもんな。difの補正値がspdが同じとかどういうことだよ。
……ぴょーん。ぴょーん。
そんなこと考えていたら私の横をやや大きいくらいのコオロギが通り抜けていった。……私より大きいし、速い。いいなぁ。私は奴の名前と、特徴を探った。
閻魔コオロギ(Fランク)
閻魔というのは名ばかりで、普段は高い草を食糧としている。比較的温厚な性格で、たいあたりと噛みきるが主力。
なるほど。現実世界にもいたコオロギと大差ないな。エンマコオロギってやつか?……にしても噛みきるか。今の私には到底耐えきれなさそうな技をもってやがる。スキル……か?
具体的なステータスがわからないというのはちょっと厳しい。今の私は技を何一つもたないレベル1の遅い蛹。カマキリどころか蝿にも食われそうだわ。しかもspd2という驚異(笑)の遅さ。勝てる要素が何処にもない。試したことないが、私の防御力は全ステータスで唯一、(補正付きで)10を越えた自慢の(失笑)能力である。
奴のレベルがどの程度であるか予想するのはまだ難しいが、ここに予想ステータスを書き綴る。
閻魔コオロギ(LV?)
vit ?~15
atta ?~8
dif ?~8
spd ?~12
体力などの不確定要素は多いし、実際に戦うところをみてもいないからなんともいえない。確信を持てると言えばあのspdだけだ。もしかしたらあれでも一桁かもしれないが、二桁の可能性もある。そもそも基準である私がこんな有り様なのだから、そのくらいのステータスは上回ってくれ。頼むから。
difは蛹に期待を込めてだ。これでもし全ての能力が上回りなんかでもしてたらもう私がいきる術などない。(今でも絶望的)
……そういや一部の食べ物を食べればステータスが上昇とか書いてあったな。俗に言う力のたねとかいうレアアイテムか。あの果実にそんな能力があると信じていいのだろうか。
私は先ほど見つけた紫色の果実のもとへかけよる。そして私はその果実にがっついた。ステータスとか知るか。ここで死ぬって?どうせ死ぬんだ。食わずに死ぬなら食って死ね。そういう格言が……え?ない?
とにかく体は大丈夫そうだ。あとあの果実、甘くて瑞々しくて美味しかったよ。問題はあの果実がどんな能力を有していたかだ。まずはステータスを見る。
名前、光殻蛹 (ランクF)
LV 2/50
vit 10/10
atta 5(0)
dif 12(2)
spd 4(1)
…………レベルが上がっている。言わずもがなあの果実の影響だろうが、とんだご都合主義だ。こんなもの早々手にはいるなら苦労なぞしない。
私はあの果実に照準をあて、その能力を探ることにする。
名前、麗殊の果実
食べたものの力を増幅し、食べたものに望む力を与える果実。その希少価値はダイアモンドを上回る。
……やべー。これ絶対神からの副産物だ。なんかもうやっべーもん食っちまったな私。spdに補正がついたのは、あの果実にspdをあげてほしいという信号を送ったことになっているかららしい。まぁいいけどね?補正1で4って....実数値3の努力値1もいいところやないかい!
とまぁあまりブチブチ切れてても仕方があるまい。レベルアップは果たせた。とりあえず何かを狩らなくては、進化もレベルアップも糞もない。他の果実は世界樹レベルの大木の高いところになっているみたい。
絶対にとれないし、たいあたりしてもあの樹が揺れるなんてことはない。むしろ自傷してそのダメージで落ちる。人生エンド。
……
見つけた。
私の目の前にはヒラヒラとオレンジ(茶色)の羽をパタパタさせながら………地面に顔を擦っているようにみえるなんとも情けない蝶がいた。
一応ではあるがステータスを探ることにする。
カレハ蝶 (ランクF)
枯れ葉の様にボロボロの翼でいつか飛ぶことを夢見ている。
……だけである。夢見ているだけである。今の私でも勝てそう。そうとわかれば私は蝶に全力でタックルする。
バラッという何かが砕けたような音と共に、カレハ蝶の体は何処かへ舞っていく。
EXPを4獲得しました。光殻蛹のLVが3になりました。
進化先、ゲドウ、ガッツドラゴン、早散蝶を解放しました。未解放は閻魔コオロギ、クヌギネズミ、雛ひよこです。
…いつの間にか進化もできるようになっていた。てっきり最大まであげないと進化できないシステムかとおもっていたが、そうではないようだ。未解放も合わせてその能力を見ていきたい。
ゲドウ attack↑ defense↓(ランクF)
影からの奇襲が得意な小動物。その特異な能力を裏付ける灰色、黒の体色をしている。日差しから避けるように生活している。
ガッツドラゴン attack↑ speed↓ (ランクE)
誰彼構わず戦いを挑む命知らずなドラゴン。翼がなく飛ぶことはできないが、二足で歩き、ベビーパンチを使いこなす。
早散蝶 vit↑ attack↓ (ランクF)
多種多様な回復魔法を使いこなす金色の蝶。その色からか、羽等を取引したり剥製にされたりする。早散りは命のこと。
閻魔コオロギ speed↑ vit↓ (ランクF)
跳ねる威力を調節することで、スピードをてにいれた。それとは対象に生命力は虫の息となった。
クヌギネズミ defense↑ attack↓ (ランクF)
クヌギの木の中に住みかをつくるネズミ。よく蝙蝠や蜘蛛の餌になっている。
雛ひよこ vit - attack - (ランクF)
親から産み付けられ捨てられた雛。飛ぶことはできないが足蹴りで天敵を撃退する。
………さて。どうするか。思ったより癖が強いぞ。
まぁまず雛ひよこはなしだな。能力の上昇がない。バランサーとして戦うのはありかもしれないが、それはもっと上のランクになってからだ。突飛のないFランモンスターとか勝てる要素がない。
そして閻魔コオロギもなしだ。なぜなら現にコオロギがこの森にいるからである。もしかしたらコオロギの巣にはいれるということもあるかもしれないが、戦うという道を選んだとき、勝てる見込みがない。あちらがレベルが上という可能性があるからな。
さて。そうなるとクヌギネズミ、早散蝶、ガッツドラゴン、ゲドウの中から選ばなくてはならないのか………。
後悔だけはしたくない。
次回からはノベルバを通さず書きます。はい。
まぁまたよろしくお願いします。