第4話
サーチゴブリンは思いつきなのでいい名前があったら教えてください。
「ごちそうさま」
パイナップル缶を食べ終わり一息ついた健治は、疑問に感じていたことを口にする。
「なあミケ、このパイナップル缶は一体どこから出したんだ? あと最初のゴブリンのことも聞きたいことがあるだが」
すでに二個目に手を出しているミケに、聞いてみるが食べるのに忙しいのか中々しゃべらない。
仕方なくステータスを確認しようとした時。
「?電話。いったい誰から?」
不審になりながらもそれをとると。
{もしもし、健治殿。無事に転生できたみたいじゃのう}
相手は、健治を転生させたあの女神のようだ。しかし転生自体は終わったはず一体なんの要件かと思う。
{すまんが、お主に渡すスキルを二つ忘れてのう。・・・・・・今、送ったぞ}
言葉が終わると同時に健治の体に何かが入ってくる感じがしたが直ぐに収まる。
{そのスキルは確認すればわかるが、アイテムボックスと鑑定じゃ。効果は容量制限なし、時間停止付き。じゃが生きたものは入らないがのう。 あと鑑定は文字道理でステータスを少し変更しておいたぞ}
「ありがとうございます。助かります」
{うむ、ではのう}
会話が終わると健治は自分のステータスを確認してことに。
名前:立花 健治
年齢:18
所有スキル:兵器・兵士の召喚(兵器は日・独・米1941年12月8日までに生産・試作済みまで・兵士は保留)
兵器・兵士を維持する施設・軍事物資・資源・後方人員の召喚
兵器・兵士を完璧に使用できる
異世界言語
身体能力強化
精神強化
アイテムボックス
鑑定
「回復用の魔道具はと」
アイテムボックスの中にあるそれを取り出すと。
「・・・針無注射器のガンタイプ?でいいのかな?」
グリップの部分には3本のバーがあり、おそらくこれが弾数だと思うが鑑定を使うと。
回復用魔道具・ガンタイプ
女神が健治の願いを形にしたアーティファクト。
あらゆる怪我(欠損を含む)・病気を治すことができるが寿命は延びない。
一発の補充に約1か月かかる。
「改めて確認するとすごいな。 どこか無人島いても生きていけそうだな」
ステータスの確認も終わったので、ミケの方を見るとパイナップルはとうに食べ終え今度は緑茶と塩大福を食べていた。
しかし、そろそろどうにかしないと夜になってしまいかねない。
「ミケ。そろそろさっきの質問に答えてくれないか?」
「ふぃ~~~。缶詰に関しては簡単だよ、健治殿のスキルの兵士・後方人員を除いたものを私のスキルに追加してあるからだ。 あと最初のゴブリンはなにが聞きたいのだ」
緑茶を飲みつつこちらの質問に答えてくるミケ。 質問自体は食べながらでも聞いていたみたいである。
水筒の水を一口、口にしそんなことを考える。
「いや、最初のサーチゴブリンだったか。俺を見つけたから警戒していたのかと思っていたが、最初からやけに警戒心があったから何かを追っていたのかと思ってな」
「確かにな、しかしあの時私のと健治殿のミニマップにはあのゴブリン以外に反応はなかった。 あれが見当違いの方向に進んでいた可能性もある、もし相手がいたとしたら逃げるのに相当な自信があるのだろうがな。 今となっては確認の仕様がない」
「そうか」
気にはなるが今は人里に行くことが先決なので、頭の隅に置いておくことにし、先の戦闘で消費した弾薬などを補充することにした。 主砲は一発しか使ったいなのだが機銃弾の残弾は半分以下なっていたことに驚くがこんな小型艇の搭載量なんかはたかが知れている。
なので手早く補充を済ましていくと。
「健治殿そろそろ降りる準備をしておいてくれ」
「おう」
降りる準備と言っても船長帽からヘルメットにかぶり直し、マウザーKar98kを肩にかけるのみである。
だがそんな短時間にミケは装甲艇を岸によせていた。
「着いたぞ、健治殿。 そこに見える獣道を進んでいけば集落があるはずだ。 今日はそこで休んでもいいのではないか?」
陸地に降りて、周囲を確認していると隣に降りてきたミケからありがたいお言葉が聞こえてくる。
「ありがとう。なにからなにまですまんな」
装甲艇をアイテムボックスにしまい、ミケにお礼を言うと彼女は小さく笑うとスマホに戻っていった。
それを確かめると健治は歩き始める。 途中、鑑定を使い周囲の植物を調べていく。
食べられる物や毒のある物、薬になる薬草を見つけては採取してアイテムボックスにしまっていくと。
「・・・キャーーーーーー!」
突然、森に悲鳴が聞こえてくる。
少し距離があるのか、聞きづらかったが確かに悲鳴だった。
健治はマウザーKar98kに銃剣を装着して走り出す。ミニマップで確認していくと赤い光点が一つと黄緑色の光点が一づつあるのが見えた。
そのまま進んでいくと小さな広場にでる、そこには足をすくませた少女となめるような視線を這わしながら今にも襲いかからんとするゴブリンがいた。
「まずいな」
健治は急いで小銃を構えてゴブリンにサイトを合わせると、すぐさま発砲する。
乾いた音と共に弾丸が放たれ、ゴブリンの頭を打ち抜く。 体を一瞬ビクつかせるとそもままたおれた。
周辺に他の魔物がいないことを確認して健治は少女に向かって歩き出す。
「おい、大丈夫か?」
声をかけるが少女に反応はない。
呆然としており心ここにあらずである、肩を叩いてみるとようやく首が動き辺りを確かめゴブリンを見てからこちらをみるを2~3回繰り返すと。
「あ、あのあなたが助けてくれたのですか?」
「ああ、大丈夫か? 怪我は?」
「いえ、怪我はないです。その・・・ありがとうございます。 私、ニナと言います。 この先にある集落で宿屋をしている者です」
「ああ、俺はたち、いや健治という。それでニナはなんでこんな時間にここに?」
もう昼を過ぎてあと少しすれば夕暮れになりそうな時間である。こんな時間に森に入るのは自殺行為に近いはず。
「はい、その料理に使う香草が切れてしまい。 森の近くにも生えているので急いで採って帰ろうとしたんですが・・・」
「なかなか見つからず奥に奥にと・・・か」
ニナの言葉を健治が足していくごとに顔をうつむかせていく。
どうやらあっているようだ。
「それで・・・探していた香草は採れたのか?」
「はい、それで帰ろうとしたら」
視線をゴブリンに向ける。
帰り際に遭遇したらしい。
「それはそうと時間はいいのか?」
辺りは徐々にとオレンジ色になりつつある、つまり夕暮れ、夜が近いことを意味する。
さらにニナの場合、取りに行くことを誰かに言ったかでも騒ぎの大きさが違う。
が、だんだんと顔が周りの色ではなく青くなっていく。 どうやらこっそりと出てきたらしい。
「ほら、集落まで案内してくれ。 急がないとさらにやばくなるぞ」
「そ、そう・・・ですね」
ある意味あきらめたみたいで香草の入った籠を抱え行く、トボトボと歩きたいみたいだが時間ないので早歩きに近い速度で歩いていくのがおかしかったが。
歩き始めて10分くらいで森をでる。
森をでて直ぐに丸太を組んだ塀が見えてきた。 近くには門があり、門の傍には槍と皮鎧を門番が二人いたが一人は恰幅のいいおじさんと話しているのが見える。
「ニナちゃん!よっかた。無事だったんだな」
「なに!ニナだと!」
門番がニナを確認し声をかけるともう一人の門番と話していたおじさんが声を上げた。
「・・・お父さん」
やはり、ゴブリンに襲われたことにより恐怖を味わったため親を見つけると安心したのだろう。声が震えている。
「この馬鹿が!心配をかけて」
「・・・ごめんなさい。お父さん」
ニナの父は娘に駆け寄ると抱きしめる。 口調こそ怒っているが心配でたまらなかったのだろう。
ニナは、父に2~3会話をするとこちらに向かってくる。
「あなたが娘を助けてくれた健治殿ですな? このたびはうちの娘がお世話になりました」
「いえ、怪我もなく安心しています」
「ありがとうございます。 ところで健治殿は宿はもうお決めに?」
「いや、今到着したのでまだです」
「では、私のところにでもこの集落で宿屋をやってますのでお礼をさせてほしいのですが」
「ではお世話になります」
ニナの父が歩き出し、ついていくことにした健治。 集落の中を歩いていくと夕食時なのかいい匂いが漂っていた。
そんななか一軒の宿屋の入っていく三人、どうやらここがそうみたでニナが先に入っていく、中での騒ぎが大きくなったようだ。
「健治殿。ここが私の宿屋でございます」
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「ふぅ~~。疲れた」
あの後、ニナの両親に散々お礼を言われ。
また、今日の宿泊費と朝夕の食事はお礼として無料としてくれた。
ただ、一泊だけなのがなかなか切実だが。
「さてと、ミケに兵器開発を依頼ないとな」
メニューを開き、開発する物と改修する物を確認し依頼を送る。
送った内容は、四式自動小銃(箱型弾倉に改修)、グロスフスMG42、パンツァーシュレックなどと艦艇には砲艦「伏見」(主砲を長砲身化、機銃を12・7㎜重機関銃に変更など)
必要になるであろうものを選んでミケに送っていく。
「こんなもんかなあとはおいおいだな」
そんなことを考えながら健治はベットにもぐり、就寝していった。