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第17話

 今回は早く投稿できました!

高雄から発進した零式偵察機は、海賊が拠点としていた島を旋回していたが。


 「主、これが空を飛ぶということですか。いい気持ちです!」


 「ひぃ~~~、怖い、恐い、こわい。もう降りたいです、ていうか降ろして!!!」


 アーシェは、気持ちよさそうにしているがレリーナは高所恐怖症のようで先ほどからパニックりながらもワタワタとしながら涙目になるレリーナ、余りにも対照的な二人がいた。


 「?主、向こうの方にも島が見えますが」


 双眼鏡で周囲を偵察していたアーシェが指さす方向に進路を変更してしばらくすると、確かに島があったが方角を確認するとどうやら北から南に向かって転々とあるようだ。

 

 「とりあえず、今回は行けるとこまで行こうと思うがいいか二人とも」


 「はい!」


 「よくないで~~~す」


 元気よく返事をする一方、涙声で返事をする相反する声が聞こえたが、多数決でこのまま進むことに決定。

それを聞いた、レリーナは悲鳴を上げ過ぎたのかしばらくすると気を失ってしまったのであった。

 それから、巡航速度で数十分すぎたころ。


 「あの・・・主。そろそろ休憩にしませんか?」


 「うん?・・・そうだな近くの島にでも降りるか」


 「はい、是非そうしてください!」


 健治は、近くに見える島の海岸部に降りるために徐々に高度を落としていく。

幸い、着陸場所に選んだところは島の中央部には外洋の影響を受けにくい内海があるので問題なく降りることができた。


 「・・・よし、・・・・・・着水。もう、降りて大丈夫だよ」


 発動機が完全に止まり、安全が確認し終わると後ろに声をかける。


 「ありがとうございます!」

 

 さっさと降りて足早に森へと入って行く彼女に何をしに行くのか聞くのはよそう。

レリーナも途中で起きたのかゆっくりと降りていき、彼女も森に入って行く。

 健治も降りようとしたが先にミケに報告をしておくこうと無線機に手を伸ばす。


 「こちら、高雄一番。高雄聞こえるか?」


 「こちら、高雄。感度良好、どうかしましたか?」


 「ミケに現在までに分かっている情報を送るので確認してほしい」


 「こちらミケだ、内容は了解した。・・・どうも、配置的に地球のマリアナ諸島みたいだな」


 送った情報を確認したのか直ぐに答えが来る。


 「・・・もしかして、このままいけばサイパン島やグアム島なんか見えたりしてな」


 「可能性は・・・ある。言ってはいなかったがこの世界のベースは健治殿のいた世界をベースにしていたからな。もっともすべてではないが小さな島々なんかはそのままかもしれない」


 「なら、トラック諸島なんかもあるかも知れないと」


 「そうだな、もしあったのなら。そこを拠点にするのかい?」 


 「ああ、あそこなら根拠地として十分な規模が建設できる」


 「まあ、それもあったらの話だな」


 「そうだな、今はこの島々にサイパン島みたいのがあるかないか?だな」


 「それと、あの船の改装をどうするかだ」

 

 「やっぱり、ミケ達だけだと無理か」


 すると、無線機越しにでも不機嫌さがわかる声で答えが来た。


 「私は機関の調整に手が離せない。それにやはり乾ドックがいるし、分体も全員出さないと間に合わないな」


 「まあ、金剛の改装みたく上部の構造物とかを取っ払ってから機関を入れる作業があるからな・・・うん?」


 「どうかしたかい?健治殿」

 

 「いや、スマホに着信が・・・女神様からだな」


 震えるスマホのボタンを押して、電話にでる。


 「もしもし」


 「おお健治殿、息災の様じゃな」


 「おかげさまで、女神様のおかげでなんとななっています」


 「そうか、そうか。実はお主に朗報があってな、兵士召喚なんじゃがようやく申請が通りそうじゃ」


 「おお!そうなんですか!」


 「じゃがな、上も少し心配なのか制限が付いたがの」


 「どれくらいですか?」


 「召喚可能な人員予定はは、戦闘可能な兵士が1000名と後方人員が3000名ぐらいじゃ。あとは健治殿の今後の活躍により増えていくじゃろう」


 「いえ、例へ兵士と作業員合わせて4000名でもありがたいですから」


 「そうか、・・・なら人員はこれ以上いらんな」


 「いや、そんなことはないですから!」


 「ふっふふ冗談じゃ。制限の緩和の申請を続けるからの。そこは心配せんでもよい」


 いたずらが成功したのが面白かったのか、コロコロと笑う女神。


 「勘弁してほしいです」


 冗談としって大きく肩を落とす健治がそこにはいた。


 「ではな。・・・それと船の改装が終わったらなるべく早く大陸に帰ることじゃ。お主にとって重要な人物に会えるかもしれん」


 「・・・わかりました、いろいろありがとうございます」


 「うむ」

 

 電話が終わると、健治は直ぐにミケに通信を入れる。

間を開けることなく、返事が来た。


 「あの方との話は終わったようだね。それでそうだったんだい?」


 「ああ、兵士1000名と後方人員3000名を召喚できるようになりそうだよ」


 「ほう、よかったではないか」


 「あと、改装が終わったら直ぐに大陸に帰れと言われたよ」

 

 「うん?どういうことだい?」


 「なんか、俺たちにとって重要な人に会えるかもしれないって」


 「あの方がそういうならそうなんだろう。なら、急いで改装したほうがいいかもしれん」


 「そうだな、なるべく工期は長くしないほうがいいからな」


 2人がこれからのことを決めていくと間に、アーシェ達が帰ってくる。

手には、数種類の果物を抱えていた。


 「主!この島には果物が豊富ですよ!見てください」


 アーシェの腕にはリンゴなどの大陸でもよく見る物が抱えられていた。

そのせいか彼女から果物の甘いにおいがしてくるようである。

 一方、レリーナの方の腕には黄色いごつごつとした果物が抱えられていた。

だが・・・


 「レリーナ、それどこで見つけた?」


 「はい?アーシェさんと探していたら結構見ましたよ」


 アーシェに視線を向けると、彼女もうなずく。


 「この世界で、これを見つけるとは思わなかったぞ」


 「師匠?これはいったいなんですか?」


 「レリーナ、知らずにとってきたのか?」


 「はい!なんか珍しかったので取れるだけとってきました!」


 珍しいを採取できたのがうれしいのか満面の笑みを浮かべる。

無知って怖い。


 「これは、おやつで食べたチョコレートの原料であるカカオっていう果物だ」


 「こ、これがですか?師匠食べてみていいですか?」


 「え?あっちょっと待」


 静止も聞かずにカカオに齧り付くレリーナ。

しかし。


 「にっがい~~~!!!」


 どうやら果肉が苦いタイプのカカオだったようで思いっきり齧ったせいもあるのか、顔が大分ひどい表情になっていた。


 「師匠!これ全然甘くないじゃないですか!」


 「チョコレートは果肉じゃなくて、種子の方を使うんだよ。それに加工前だから苦くて当然だ」


 「そんな~~~」


 「これでも食べて、機嫌を直せ」


 存外にがっかりするレリーナに仕方なく、アイテムボックスから板チョコを出してレリーナに渡す。


 「!!!これは、ありがとうございます。師匠!」


 余程うれしかったのか健治たちの周囲を回る姿に二人は苦笑した。





 機嫌がなおったレリーナを放置して、健治は改装作業用の乾・ドックと係留用ドック・倉庫などの場所指定して決定をする。

 指定した場所が光を放ち、それが終わるとそこには立派な泊地がそこにはあった。

今回の施設規模は小さく、小規模の艦隊用の支援泊地として製作した物。

 よって、収容できる数は精々一個駆逐隊クラスしか停泊はできないだろうが、重巡洋艦一隻よりも攻撃力は増えるだろうと健治は考えていた。

 

 「ミケ、今いる島に今回の改装用の泊地を作ったから改装する船を高雄で曳航してきてくれないか?」


 「もうそちらに向かっている。到着は・・・そうだな6時間後だな」


 「わかった。こっちはいつでも作業ができるようにしておく」


 「了解、健治殿」


 通信が終わると健治はスマホの召喚用ツールを展開して、改装に必要なガントリークレーンや重機などを召喚していく。工作機械を出し終わると、次はドックの上に柱を設置していきゴムで作った植物の葉っぱを乗せて擬装を施して完成。

 こうして立派な秘密基地の出来上がる。


 「改めて、主の非常識さが確認で来ますね。短期間でいえ、一瞬でこんな施設を完成させてしまうのですから」

 

 「まあ、そうだろうな。この力がないとアーシェともレリーナとも会えなかったんだし」


 「それは・・・そう・・・なんですが」


 言葉が途切れ途切れになりながらも反論しようとするが隠しきれないのか、口元が少し緩んでいる。


 「さてと、ミケが来るまでやることがないな。・・・アーシェ、レリーナを連れて来てくれ。小銃以外の兵器の練習をしようと思う」


 「他の兵器ですか?」


 「ああ、アーシェは戦車とかは見ていないだろう?」


 「・・・はい、今まで主と練習したことがあるのは、速射砲と装甲車に搭載されていた機関砲と小銃しかありません」


 「それ以外にも、装甲車よりも厚い防御力と砲を持つ戦車と射程の長い野砲とかを練習しようと思うが、大丈夫か?」


 「はい、主を守るためにも是非!」


 「師匠!私もお願いします!」


 二人のやる気に満ちた表情で頷く。

本当に自分にとっては勿体ないくらいの二人だと、改めて思う健治であった。

 

 「それじゃあ、今から召喚していこうと思うが・・・どれがいいかな」


 健治は召喚リストの中からいくつかの兵器を出していく。

その内容は・・・

 ・九五式軽戦車ハ号

 ・Ⅱ号戦車

 ・一式砲戦車 ホニⅠ

 ・36型7.5㎝山砲

 ・97式曲射歩兵砲(81㎝迫撃砲)

 ・90式機動野砲

 ・18型10.5㎝軽榴弾砲

 ・38型4連2㎝対空機関砲

 ・88式7糎野戦高射砲


 以上の兵器を出し終えると健治は少なからずの興奮を覚えた。

これらはすべて生きていた時代には存在せず、本や写真しか見ることはできなかったのが見て・触れて・使えるのだ。


 「とりあえずこんなところだな。二人とも今回はこの兵器群を使って訓練をするよ」


 「ほへ~~~。師匠、これはなんですか? 今まで見たものとはかなり違いますよ!」


 「本当に、以前見たものが小さく見えますね」


 アーシェ達は、その兵器群の大きさや形を見て驚きの声を上げていく。

もちろんこれらは陸軍兵器の中では、真ん中ぐらいのしか召喚していない。

 陸軍のカテゴリーでもっとも大きいのは確か・・・47.3mの80㎝列車砲グスタフだったはずだが召喚することはまずないと思う。

 組み立てに3週間ぐらいかかり射撃するのにも500名ほど必要なほどで運用効率で言えばかなり悪い。

むしろ、そんな大砲が必要な事態になった時はかなりやばいはずである。


 まあ、今回は使わないのでこれくらいにしておき、早速訓練を始めようと思う。




 「それじゃ、始めようか」


 「「はい!」」


 三人は最も近くにある兵器「88式野戦高射砲」から訓練するために歩いていく。

やがて数時間に渡って、この島から爆音が鳴り響くことになる。

 たまに、島の近くを飛んでいた飛行タイプの魔物を撃ち落すがそれは練習の成果でもあり、健治たちの自信にもなっていった。

 それからしばらくしてミケが島に到着した時には浜の周辺には撃ち尽くした砲弾が所狭しと転がっており、これを見た彼女が三人を正座させて数時間のお説教が行われたという。





 日本軍の兵器を見ていると意外と世界の傑作兵器などを制式採用していたりしています。

少し考え方や見方を変えていたらもっといい兵器ができたんじゃないかと思いました。

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