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壊れたアンドロイドは最後に虹を見る  作者: アルーエット
34/35

メッセンジャー

『君…』

脳にそんな声というか、言葉が伝えられた。

反射的に木を見上げた。すると頭の中に映像が流れてきた。

焼夷弾を落とす飛行機、銃の行列。

光が空を覆う光景。光の柱が何本も降りて、倒れる人間達。

それがこの街だけではなく、全世界で起こったことが自然と分かった。

また、脳に響く。

『人間は皆死んだ』

「僕は人間ではないということか?」

無意識に呟いた。

風が吹き、木の葉がざぁっと音を立てた。

僕はなんて馬鹿なのか。自分を死神だと思っておいてそんなことを言うとは。

『君の、思っている通りかもしれない。人間は滅びた。だけどあと二つ、人の形が動き回っている』

「それはどこにいる?」

『分かっているはずでしょう』

ああ、分かっている。その者は僕の願いを叶えてくれる。木は僕の脳に収まりきる全てのことを教えてくれた。たとえば、解明されなかった歴史の謎とかも。僕の正体も。全て。いや、たった一つを除いて全て。それは。

「あなたは何者なんだ?」

また風が吹いた。一つのりんごが柔らかな草の上に落ちる。

『人間の、罪、だろうか』

僕はりんごを拾いあげた。

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