印象が変わるシリーズ その1
「あ、お久しぶりですね、先輩」
「そうね。お久しぶり」
数日開けての文芸部。ちょっとした用があって、このしばらく休みをもらっていた。
「ところで、今いるのは花奏先輩と茜だけですか」
「おひさー!」
「まずは、座りなさい。今日の活動内容を話すわ」
そう言われ、僕は文芸部室の中にある椅子に腰掛ける。
「最近、作者がとある先生に、下ネタの才能がないと言われたそうよ」
「急に何を言い出すんですか。まあ、確かに面白いとは言いにくいかもしれませんが」
「と、いうことで、作者は考えたそうよ。下ネタを卒業しようと。そこで、今回からは数回に渡ってとあるシリーズをしようと思うのよ」
「シリーズ、ですか?」
「そう、なになにをつけるとなになにになる、っていうシリーズを。某物語シリーズでは『勇気』を付けることで日本語の面白さを引き出していたのよ」
「はあ、確かにあれは面白かったですね」
「そこで私たちも何かをつけて印象を変えたいと思うのよ」
「で、一体何を付けるんですか?」
「〇ックスよ」
「……は?」
「聞こえなかったの? セッ〇スよ」
「なんか、下ネタから離れるとか言いながら――」
「さあ! それでは始めましょう!」
「それじゃあ、私から。『命を掛けるセ〇クス』」
お。確かに何かカッコいいようなきがする。やることはセック〇なのに壮大な物語が背景にあるような気がする。なかなか面白いな。
「それじゃあ、次は茜が行くね! 『〇ックスオブセ〇クス』!」
いや、セッ〇スの〇ックスって何よ。使い方を間違えるとつまらなくなるな。
「『友達を裏切るセ〇クス』」
結果的に友達を裏切っているが、これまた何か壮大な背景が見えてくるような気がするよ。
「『鼻くそをほじりながらする〇ックス』」
いや、これはこれでありか。一見鼻くそをほじっているように見えるが、実は影でセック〇をしている、というふうにも思えなくない。
「『斬新な〇ックス』」
新しいセック〇始まりだ!
「『無駄のないセ〇ス』」
クソッ! なんというテクニック!
「『100万円の〇ックス』」
どんなセレブとぅ!
後半は先輩がノリに乗って話していた。そして、考えていた茜が、
「『ギャルとセッ〇ス』!」
「普通だわ!」