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ドール―迷子の音符たち―  作者: 粟吹一夢
第一章 無愛想な出会い
8/73

08

 ドールを出たショーコとナオは、また駅に戻り、そこで別れた。

 ナオは、ショーコと反対方向に向かう電車に乗って、三つ目の駅で降り、そこから自宅までは歩いて五分ほどの距離だった。

 自宅はマンションの五階にあった。

「ただいま」

 玄関で靴を脱いで、リビングに行くと、母親と妹の沙耶さやがいた。長い黒髪をツインテールにした沙耶は、今年から小学校に通いだしたピカピカの一年生だった。

「お姉ちゃん、お帰り!」

 ナオの顔を見るなり抱きついてきた九歳下の沙耶が、ナオは可愛くて仕方なかった。

「ただいま。沙耶、もうお友達できた?」

「できたよ。男の子のお友達だよ」

「そ、そうなんだ」

「奈緒子ちゃん。高校の方はどうだった?」

 母親が、なんとなく遠慮がちな様子でナオに訊いてきた。

「う、うん。私も友達、できたから……」

「そう、良かった」

「あ、あの、明日から、その友達と放課後、一緒に図書館で勉強をする約束をしたから、ちょっと帰るのが遅くなると思う……」

「夕ご飯までには帰って来られるんでしょう?」

「う、うん。夕ご飯は、遅くなっても家で食べるから……。沙耶の寝る時間もあるから、私が夕ご飯の時間までに帰って来なかったら、先に食べてて」

「そう。でも余り遅くまで、勉強、頑張らないでね」

「う、うん」

 ナオは、母親と話をするたびに疲れが溜まっていく気がして、そそくさと自分の部屋に入った。

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