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ドール―迷子の音符たち―  作者: 粟吹一夢
第六章 強まる絆
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10

 ファミレスを出ると、雨はあがっていた。

 駅の改札に向かいながら、カズホはナオに訊いた。

「水嶋。運命って信じるか?」

「運命?」

「ああ、今日だって、会えない可能性の方が高かっただろう。でも、ちゃんと水嶋と会えた。やっぱり運命の赤い糸ってあるのかな?」

「……まだ、分からないです」

「そうだな。……なんか俺には似合わない乙女チックなこと言っちゃったなあ。我ながらちょっと照れるな」

「うふふ」

 改札口に着くと、二人は足を止めて自然に見つめ合った。

「水嶋。今日は本当にありがとう。今日の埋め合わせは必ずするよ」

「えっ、そんな、……良いですよ」

「でも、水嶋に迷惑掛けたからなあ。何かお返しをしないと俺の気が済まないし」

「……」

「何でも良いから言ってくれよ。なんだってするぜ」

「でも…………。あっ」

「んっ、なんか思い付いたのか。なんだ?」

「あ、あの、……その、それじゃ今度は、私の誕生日に、また二人で会ってもらえますか?」

「水嶋の誕生日っていつだ?」

「三月なんですけど」

「まだ、だいぶ先じゃん。でも約束するよ」

「本当ですか?」

「ああ」

「ありがとう。……それじゃあ帰りますね」

「ああ、気を付けて」

「さよなら」

 ナオは、改札を入り、振り返って胸の前で小さく手を振った。

 カズホは、ニコニコしながら、顔の横で手を振ってくれた。

 ナオは、振り返りホームに上る階段の手前まで行って、再び改札口の方に振り向くと、また、カズホが手を振ってくれた。

 ナオも、今度は顔の横で大きく手を振った。

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