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ドール―迷子の音符たち―  作者: 粟吹一夢
第二章 小さな約束
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08

 カズホは、自分の言葉に過敏に反応するナオの仕草が面白くて、また突っ込みを入れたくなった。

 が、その時、気づいた。

(俺、どうして水嶋とこんなに話しているんだろう?)

 前日に転校してきた同級生で、席が前後で隣り合っているが、教室では、朝、挨拶を交わす程度で、ちゃんと話をしたことはない。

 そもそも、カズホ自身、女の子と話をすることが苦手だったはずだ。

 小さい頃から美少年であったカズホは、数知れず言い寄ってくる女性から我が身を守る方法として、女性に対して、ぶっきらぼうに接するようになり、いつの間にか女性と話をすることが苦手になっていた。それが、ナオに対しては普通に話ができていることに、カズホ自身が驚いていた。

(水嶋は、他の女の子とどこが違うんだろうか?)

 カズホに話し掛けてくる女の子は、できるだけ自分を可愛く見せようとしていることが見え見えだった。カズホは、ぶりっ子や見栄っ張り、計算尽くといった演技臭さをいつも嗅ぎ取っていた。

 しかし、ナオには、そんな匂いが微塵みじんもしなかった。

 まず、その格好からして、可愛く見せようとしているところがまったく感じられないし、話をしていても、演技臭さも感じられず、自然のままで反応していることはすぐに分かった。

(マコトのボケに突っ込んでいる時と同じ感覚だな。これって、水嶋を女性として見ていないということなのかな?)

 その答えは、まだ、カズホには分からなかった。

 しかし、今まで出会ってきたどの女性よりも、ナオとの会話は自然に弾んだ。

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