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ドール―迷子の音符たち―  作者: 粟吹一夢
第二章 小さな約束
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04

 カズホとマコトも早々と練習を切り上げ、連れだって下校していた。

 カズホとマコトは、それぞれ別の中学校から入学してきて、軽音楽部に入部して初めて出会った仲であったが、その時から気が合い、今では無二の親友となっていた。しかし、見た目も性格も対照的な二人であった。

 マコトは、スマートで長身のカズホよりも更に背が高く体格も良かった。着崩した制服の上からでも胸板の厚さが分かり、また運動神経も良く、どの運動部に入ってもレギュラーで活躍できただろう。

 ダークブラウンに染めた短髪をツンツンに立たせていて、彫りの深い顔立ち、太い眉毛にやや釣り気味な目は精悍さを倍増させていた。右耳にはピアスもしていたことから、一見すると怖そうなイメージがあり、よく見ると美男子なのだが、カズホのように女子から言い寄られることはなかった。

 二人の性格も、常にクールなカズホに対して、マコトは、瞬間湯沸かし器のように、すぐに熱くなる短気な性格であり、東田達に対してまだ怒りが冷めやらぬようだった。

「ったく! あいつら何を考えているんだ」

「仕方ないじゃないか。音楽に対するスタンスの違いってやつだから。まあ、去年から感じていたけどな」

「もう、そろそろ限界かな?」

「そうだな。でも、あいつらの代わりに、すぐ軽音楽部に入ってくれそうなメンバーの当てもないし……。しばらくは様子を見てるしかないだろう」

「あ~、腹立つ」

「マコト。俺、いつもどおり、飯食っていくけど」

「今日は俺、もう家に帰って寝るわ」

「そうか。じゃあな」

「おう。明日のライブ盛り上がっていこうぜ」

 二人はグータッチをした後、交差点を左右に別れた。

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