赤いコートの女(二百文字お題小説)
沢木先生のお題「赤いコートの女」に基づくお話です。
短いのでお気をつけください。
霧雨が身体に纏わりつくように降って来る日曜の朝。
煙草を切らしていた事に気づいた俺はパジャマの上から膝まであるコートを羽織り、コンビニに出かけた。
傘を差すほどの距離でもないので、コートのフードを被り、路地を走る。
角を曲がればコンビニだ。
うん?
長い黒髪を霧雨に濡らし、赤いコートの女が立っている。
その雰囲気に思わず足を止めた。
この世の者とは思えない。
「ふふ」
女は俺を見て笑うと、バッとコートの前を開いた。
残念なほどお粗末様でした。