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アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
8/98

《幕間》

オレは、間違っていたのか……。






”彼女”を、汚した。


”彼女”を、貶めた。


……そして、”彼女”から、全てを奪った……。





……それでも……オレは、”彼女”の傍にいる。






”彼女”は、オレの罪の証。

 

”彼女”は、オレの無力さの証。

 

”彼女”は、オレの弱さの証。




 

今のオレには、”彼女”の他には何もない。”先生”に追いつこうとして、”あいつ”に、置いていかれないようにして、全てを失ってしまった……。





 

そう……全てを失った……。





 

そして、その代償として『扉』を手に入れた……。




 

『扉』は、オレの罪の証。


『扉』は、オレの無力さの証。

 

『扉』は、オレの弱さの証。





 

オレは、自分のためにも、そして、”彼女”のためにも、”あいつ”に会わなければならない。そうすれば、オレは、”彼女”に、贖罪をすることができる……。

 




”あいつ”に……ルクトに会わなければ……。


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