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アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
73/98

第六章  曖昧な輪は確定せず  Ⅱ-ⅴ 【ルクト】

「わたし……『聖女』……なの? お兄ちゃん?」

 




……イリシス……もう目覚めていたのか。

 




もう誤魔化すことはできない。

 

もう誤魔化す必要はない。

 

僕は、この僕に縋ろうとうする瞳に対して向き合わなければならない。





「お兄ちゃん、答えてよ。どうして何も言ってくれないの……」

 




わかっている……わかっているんや。

 

僕は、イリシスに語らなければならない。

 

僕の『意思』。

 

僕の『罪』。

 





そして、イリシスに対する『贖罪』を。













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