表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
66/98

第五章 世界の瑕疵-『扉』  Ⅲ-ⅸ 【ルクト・イリシス】 

「本当に、それでわたしはお兄ちゃんのところに戻ることができるのですか?」


わたしは、何かきっかけが欲しくて、彼女に尋ねた。


「はい」と彼女は即答した。

 

その彼女の答えを聞いて、もう迷うことはできなかった。

 

だからわたしは、




「……『共鳴』します」と彼女に言った。





    ▽





一瞬の強い光とともに、世界は、反転した。


黒から白へ。

 

静寂から轟音へ。

 

僕は身体のバランスを崩し、地に手をついた。

 

立ってはいられない。

 

立たせてはくれない。

 

しかし、僕は立たなくてはならない。

 

それが僕の義務だ。

 

イリシスから目を逸らせてはいけない。

 

イリシスを見失ってはいけない。

 

イリシスが、僕を欲している。

 

僕が、イリシスを欲している。

 

世界が、イリシスを拒んでいる。

 

世界は、イリシスを恐れている。

 

僕は、世界を守らなくはならない。

 

世界は、僕を必要としている。

 




だから僕は……。

 





だけど僕は…………。






「僕は、――」


 




僕は、イリシスに伝えるべき言葉をもっている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ