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アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
51/98

第五章 世界の瑕疵-『扉』  Ⅰ-ⅶ 【ルクト・イリシス】 

「私は、イリシスです!」

 


イリシスの声だ。

 




教会の方……?



 


まさか!?

 


焦燥感が僕を支配していく。

 


僕は、大地を蹴った。







   ▽



「……イリシス?」



そう言って、男の人は、眉をひそめた。しかし、その整い過ぎた顔は少しも崩れなかった。

 




……やっぱり怖いよ……この人……なんか普通じゃない。

 




……でも、ここでのまれちゃダメだ。

 




強気でいこう、強気で


(ガンバレ、イリシス! ありがとう、わたし!)。



「そうです。私は、第一審問管区長付異端審問官イリシス・リヒトフォーエンです」


「異端審問官だと? それはキミが望んで選んだ道か?」


「もちろんです」


「本当に?」


「本当です!」

 

わたしは、男の人の質問が不愉快で堪らなかった。男の人の一言一言がわたしの心をざわざわさせる。

 


不愉快だ

 


本当に不愉快だ。



「なるほど、それがルクトのやり方か……」

 

本当に、この人は何を言っているの……? 


わたしには全くわかんないよ。


この人が言っている"ルクト"って、お兄ちゃんのことみたいだけど……。

 


なんか、この人と一緒にいるのは"良くない"気がする。

 

早く宿屋へ戻ろう。


「もういいですか? 私、もう戻らないと……」と言いかけたとき、背後から足音が聞こえてきた。もの凄い勢いでこちらに向かってくる。

 


何?

 


誰かが走ってくる……どんどんこっちに近づいてくる。

 




そして、「イリシス!」とともに、わたしの前にお兄ちゃんが現れた。


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