表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
34/98

第四章  曖昧な輪は望む者の手の中に Ⅱ-ⅱ 【ルクト】

「ルクト様っ!」


 

ランカスティ司祭が、僕の腕に手を絡ませてきた。そして、執拗に自分の身体を僕に密着させてくる。

 




うわっ! 胸が、胸が、大きな胸がぁ!

 

 



ふっーっ、あぶないあぶない。

 

一瞬理性が飛びそうになってしまった……。

 

それにしても、いったいなんなんだこの女は? 


なんか僕のことを以前から知っているみたいやけど……昨日、会ってからずっとこんな調子や……。

 

いったい、なにを考えているんだ? 

 

『異端審問官』として自覚があるのか?

 

でもこいつ、胸の大きさは自覚しているな……効果的に使って……じゃなくて! とにかく、こいつに注意をしなくては。



「ラ、ランカスティ司祭……」


「なんですか?」

 ランカスティ司祭は、一層自分の身体を密着させてきた。


「ちょっとまてぇーい!」

 僕は、彼女の身体を突き放そうとした。

 

しかし……。





 ガシッ!





彼女は、僕の身体にしがみついてきた。

 

なにすんねん、この女はっ!


「やめなさいっ! ランカスティ司祭っ!」


「いやです!」


「離れなさい!」


「いやです!」


「これ以上、このようなことをすると、貴方を罷免しますよ!」

 僕は、きっぱりと言い切った。すると、彼女は、パッと僕の身体から離れた。

 




す、すばやい……。





「これでどうですか?」

 ランカスティ司祭は、すました顔で何事もなかったかように言った。

 

くそーっ……殴りたい、殴ってみたい。しかし、ここは堪えるのが、検邪聖庁としての正しい態度だ。


「いいでしょう。これからは私との距離をこれぐらいは保ちなさい」


「嫌です」と即答する彼女。


「どうしてですか?」

 この僕の問いかけに対して彼女は、笑顔で「だって、あたしルクト様のことが大好きなんですもの!」と答えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ