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アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
21/98

第二章 再会は曖昧な輪の内側で  Ⅳ-ⅹ 【イリシス】

お兄ちゃん……。


感情を抑えきれなくなったわたしは、お兄ちゃんの胸に飛び込んだ。





もう、離れたくないよ……絶対に……。





お兄ちゃんの身体から、わたしの行動に戸惑っているのが伝わってくる……でも、拒絶はされない……それだけでも……とても嬉しかった……。


……無視されてもいい……お兄ちゃんの傍にいられるなら、それだけでいい……それ以上は、求めない……だから……





わたしを、拒絶しないで……お願い……お兄ちゃん……。





「あっ……」


お兄ちゃんが、わたしの背中に手を回して抱きしめてくれた。


お兄ちゃん……こんなことされたら、わたし、切なくなっちゃうよ……。


言いたいこといっぱいあったのに……言えなくなっちゃうよ……。



お兄ちゃん……。



お兄ちゃんは、今わたしの側にいる。



もう、どこにもいかないよね……?



わたしとずっと一緒にいてくれるよね……?



ねえ、お兄ちゃん……?



わたしは、お兄ちゃんの胸から顔を上げた。

 


お兄ちゃんは、わたしのことを真っ直ぐ見てくれている。

 


お兄ちゃん……。

 


わたしは、もう自分の気持ちを抑えることができなかった。

 


わたしは、お兄ちゃんが好き。

 


ずっとお兄ちゃんと一緒にいたい。

 


だからお兄ちゃん……わたしはもっとお兄ちゃんに……。

 


わたしは静かに目を閉じた。




 

お兄ちゃん……。

 




「よお、ルクトとイリシスちゃん。こんな昼間から人前で熱すぎるんちゃうか?」

 




えっ……なに? 

 


エルバさん! どうしてここに?

 


タイミング悪すぎ!

 


しかも、イリシスちゃんなんてなれなれしいよ……。


それに、お兄ちゃんのことをルクトだなん……てっ! ル、ルクトぉ!

 


わたしは、バッとお兄ちゃんから離れた。

 

 


エルバさんは、ハンザ家の一員。そのエルバさんが、”ルクト”と呼ぶのは、従兄弟であるルクトさま。


だから、エルバさんが、”ルクト”と呼ぶ人は、検邪聖庁であるルクト・ハンザさま……そして、今エルバさんが、”ルクト”と呼んだのは、お兄ちゃん……。

 




じゃあ! お兄ちゃんがルクトさまなの?

 




なんなの? 

 

全然わかんないよ?

 

いったいどういうことなの?

 

……もう……どうなってるの……?

 

なにがなんだか分からないよ……。

 

こうなったら本人に聞くしかない。




「お兄ちゃん」

 



わたしは、お兄ちゃんを睨む。



「な、何かな、イリシス」

 


お兄ちゃんは、強張った顔で、そう言った。


三哲です。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


さてARも、イリシスとルクトの再会に至り、ひとつの区切りがつきました。


今後も『毎日更新』をしていくつもりですが、もし、この拙作に感想を頂けるのであれば、もっと頑張れると思います。


……もし、よろしければ宜しくお願いいたします。


(・_・)ペコリ!

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