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アンビエント・リング  曖昧な輪の連  作者: 降矢木三哲
アンビエント・リング 第一部
17/98

第二章 再会は曖昧な輪の内側で  Ⅳ-ⅵ 【イリシス】

お、お兄ちゃん……?




な、な、なんで、お兄ちゃんがここにいるの!?




しかも、わたしだってこと気づいていないみたいだし……。


それにしても、なにナンパなんてしてるのよっ! わたしがどんな気持ちで、この三年間を過ごしてきたと思ってるのっ!



わたしは、お兄ちゃんと再会することだけを願ってきたというのに……。


それなのに……それなのに再会がナンパだなんて……あんまりだよ……あんまりすぎるよぉ……。





本当に泣きたくなってきたよ。





よし!





こうなったら、このままお兄ちゃんをからかってやろう! 



そして、後でわたしが『イリシス』だってことをばらして、驚きのあまり腰を抜かすのを見てあげるんだからっ!


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