4 神薙
契約を成立させて、機嫌がよいスサノオは話を進める。
「おまえにまずしてほしいことは、神薙になることだ」
「、、、カンナギ?なんだそれ」
「マイナーだからな。まあ知らなくて当然だろうな。」
(、、、神様でも、マイナーとか使うんだ)
晃はそんなことを思いつつ、耳を傾ける。
「まあ、簡単に言うと巫女だな。」
「あぁ、あのいつも舞をしてる巫女さんのことか?」
晃は毎年こことは別の神社で巫女の舞を見に行っていた。その美しい舞に見入ってしまい、終わるまでずっと見続けてしまっていた。その記憶を思い出していた。
「そうだな。厳密には違うのだけどな」
「違う?どう違うだ?」
「巫女にも種類があってな、まあそのうちの一つだ。神薙は、俺のような神を自身に憑依させて、人に害をなす怨霊を祓う役目がある。」
こいつ、、話が長くなりそうだから、多少省いて要点だけまとめてそうだなと思ったが、巫女さんにも種類があるのかと驚いた。
つまり話をまとめると、
「お前の力を借りて、俺が怨霊を祓えばいいってことか。」
「そうゆうことだ」
スサノオは強く頷く。
「でも、神様の力なくても神社の巫女さんとかでもよくないか?」
「今言っただろう?巫女には種類がある。神社の巫女は神に感謝を伝えることが役目であり、怨霊を祓うわけではない。それに人間が神の力を借りる理由があるのだ。このシステムは俺も納得がいかないのだがな。ほとんどの人間は霊力という力が備わっている。おまえにもな。」
「え!?俺にもあるのか?」
「あぁ。微弱だがな。霊力は高いほど、怨霊や神がはっきりと視える。」
晃はオカルトが大好きで自身にもその力があることがとても嬉しかった。微弱なのは残念だけど。
「テレビとかでいう心霊スポット行って、視えてしまうみたいな?」
「わかりやすく言うとそうなるな。だがそれだけだ。怨霊や神にどうこうできるわけではない。それに、神が力を貸さない限り、霊力は自身に存在しているだけの無意味でしかない。霊力を運用するために、神の力が必要であるということだが、とても効率の悪いシステムだろう?」
「なるほどな。神様はまさに宝の持ち腐れを解消する機能ってことか」
晃は納得したが、同時に疑問が出てくる。
「なんで俺ははっきりとお前のことが視えるようになったんだ?今まで視えたことがないのに」
「それはおまえが掟を破って俺の依代を見たからだろう?」
晃はどきっとしてしまう。
(さすがに掟を破ったのはまずかったのか)
自分の不甲斐なさが押し寄せてくるが、対してスサノオは話を続ける。
「依代に干渉すると、その依代に宿る神と縁でつながってしまう。だから俺をはっきりと認識できるようになったのだ。これで疑問は解消したか?」
「とりあえずな」
晃がそう言うと、スサノオは不敵に笑う。
「これからおまえは霊力を上げる特訓をしなければな」
「は??特訓??」
これから何が始まるかわからない。
「神薙になるためだからな」
スサノオは不敵な笑みをしばらくしていた。




