3 契約
「、、、契約?なんのつもりだ」
(スサノオって言ったよな。確か神様の名前だったような、、わけわかんねー)
いったん落ち着いて考えを巡らせつつ、しりもちをついた自身の体を起こす。自身より少しだけ高いスサノオと目を合わせるが、大海原を連想させるような美しい深い青色の瞳に圧倒される。
「別にお前をどうこうするつもりはない。お前には俺にちと協力してほしくてな」
「怪しすぎんだろ、そんなの断る。」
晃はきっぱりと断る。が、スサノオはそれを見越したように話す。
「" 陽向 "は今、眠ったままなのだろう?」
その言葉を聞いて、驚愕した。おそらく顔にも出ているだろう。
(、、なんで!!!姉ちゃんの名前知ってんだ!!?)
陽向は晃の姉であり、晃の唯一の家族である。
スサノオは晃の驚いた表情を愉快そうに見つつ、不敵に笑う。
「俺と契約したら陽向を助けることができる、、と言ったらお前はどうする?」
「、、、なんだと?」
(本当にわけがわからない、どうしてこいつと契約したら、、姉ちゃんを助けられるんだ?)
陽向は昏睡状態に陥っている。原因不明の病気だといわれ、目覚めるかどうかもわからない。そう思った途端、行き場のない怒りを、自身の目の前にいる相手にぶつけてしまう。
「、、、姉ちゃんは医者でも目覚めるかわかんないって言っていたのに、おまえは簡単に言えるんだな」
「当たり前だろう。神なのだからな。」
スサノオの自信に満ちた答えに、なぜか湧き出た怒りがなくなってしまった。
溜息をしつつ、スサノオの話に耳を傾ける。
「それで、契約の内容は?」
「陽向を助ける協力をする代わりに、俺の姉上を助ける協力をしてほしい、というものだ。」
晃は怪訝そうにスサノオを見る
「どうゆうことだ?」
「俺の姉上が封印された。お前の姉が眠りについた同時刻に」
「、、、!!」
スサノオは淡々と答えるが瞳が揺れているようだった。晃は同時刻にこのようなことが起こるのは何か引っかかるように感じた。
(、、、わかんないけど、姉ちゃんとこいつの姉さんがなんらかのつながりがあるのか?)
「今の俺の力ではお前の姉も、俺の姉上も助けることができない。ただ、お前の力があれば二人を助けることができる。」
「、、、、」
その言葉を信じていいものか、と迷いが生じることはなかった。むしろこいつと一緒なら姉を助けられるとなぜか確信できた。
一刻も早く姉を助けたい、そう覚悟を決めて。
「わかった。俺は何をすればいい。」
「では契約成立だな」
スサノオはこの結果は当然だといわんばかりだという表情だった。




