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第一話 選択

 新人魔導士の俺は、胸を躍らせながら冒険者ギルドへの道を走っていた。今日は18歳の誕生日、ギルドへの冒険者登録が今日から可能になる。幼い頃聞いた父さんの冒険譚みたいに、今日から魔物のいる森に入ることができるんだ!


 ギルドの受付に冒険者登録の旨を伝えるとすぐに奥のカウンターに案内された。どうやらここで説明を受けたり登録をするらしい。

 俺の目の前に立った受付嬢が、にこりと笑うと質問を始めた。

「ではまずお名前と年齢、それから希望する役職を教えてください」

「リオンです。歳は18、役職は魔導士です!」

「ありがとうございます。希望が魔導士とのことですので、魔力の測定をさせていただきますね」

 そう言って受付嬢は俺の目の前に水晶を差し出した。言われるがままに水晶の上に手をかざせば、薄い桃色に輝き出した。なるほど、これの色や光の強さで魔力のことがわかるのか。

「……残念ですが、魔力量が最低ランクのようですね。あまり魔導士になるのはお勧めできませんが」

 受付嬢が憐れむように苦笑した。

「嘘だろ!?これまでずっと魔法の勉強も、練習もしてきたのに、最低ランクなんて、そんな……」

 今までの努力が次々に思い出される。毎日学校帰りに図書館で呪文の勉強、休みの日には庭で魔法の実践練習をしてきた。父さんも褒めてくれたのに、肝心の魔力量が少なくてはいくら魔法が使えても意味がないじゃないか……!

「では、魔導士になることは諦めますか?」

 俺の表情が暗くなったのに気がついてか、受付嬢が俺に問いかける。魔導士の道を諦めて才能のある他の役職を選ぶか、今までの努力を裏切らずに魔導士を選ぶか……。覚悟を決めて口を開いた。

「魔導士になります。今までやってきたことを裏切るのは、俺にはできない」

「……でしたら、ギルドカードの作成に移ります」

 受付嬢はため息をつきながらも最後まで手続きを行なってくれた。魔法の才能がないのに魔導士になるなんて、思われているのは明白だが、手続きの方は淡々と進んでいく。

 駆け出し魔導士に支給される魔導書を受け取る。これで魔法を効率よく扱えるようになる。

 最後に書類とカードにサインをして手続きは終了した。

 これで晴れて冒険者。

 役職は、魔導士だ。

 受け取った魔導書を胸に抱き、軽い足取りで任務の募集掲示板へ向かう。

――この時はまだ、このギルドで自分がどんな扱いを受けることになるのか、想像もしていなかった。


リオンくんは、仕事を探しに行きます。

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