7. 悪夢
『……へぇ、私、✕✕✕✕なんだ。
びっくりしたけど、なんかうれしい!
それにしても、話聞いた感じ。これってさ✕✕✕ゲームっぽいよね? 私知ってる! 私はそれの✕✕✕✕みたいなものだよね』
『……げ、げーむ? えっと、何か勘違いしていない? ちゃんと聞いて、いい? 君はね……』
誰かと誰かの会話が聞こえる……。
小さい女の子と、小さい男の子の声……。
真っ暗闇の中、それだけが私が感じるものだった……。
『ふーん、✕✕✕✕とか✕✕✕とかよく分からないけど、それも✕✕✕✕✕✕✕さえあればいいみたいだし、とりあえず、このアイテムを使って、✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕と仲良くなればいいんでしょう? 超簡単じゃない!』
『あ、あのさ、確かに✕✕✕✕✕✕様が手助けしてくれるし、君にはアイテムも渡してるから、簡単に見えるかもしれないけど……ぼく、なんか不安だよ。目的と手段をごっちゃにしないでね、お願いだから……君を何の為に✕✕✕✕にしたのかを忘れないで』
『しないしない~! ✕✕✕✕の使命なんでしょ。ちゃんと✕✕✕を✕✕すよ? 信じて? ね?』
『うん……信じる。ううん、信じさせてね……』
その瞬間、声が途切れる。
何も聞こえなくなって、終わったのかな?と思った。
けれど、しばらくしてまた会話が始まった。
『✕✕✕✕……君は何をしてるの?』
『見て分からない? みんなと遊んでいるの』
『遊んでるって……君、それを遊びだって言うの?』
さっきの小さな女の子が大きくなった……そんな少女の声と、さっきの小さな男の子の声がする。
声からもわかるほど男の子は……愕然としていて、絶望していた。
『君は✕✕✕✕なんだよ? 純真と清廉からかけ離れたことを……こんなことをしていいと思ってるの?』
『え? ✕✕✕✕だからこそじゃない。✕✕はいくらあっても良いでしょう? それに、ちゃんと✕✕✕✕✕✕✕よ! 私、全員、✕✕しているもの!』
『……それが✕✕✕✕✕✕✕? ねぇ、そもそも✕✕✕✕✕✕✕は1つしかないものだってぼくは言ったよね?
君が何を言っているのかぼくには分からないよ!
全員✕しているからいいってものじゃない! そんなのただの屁理屈じゃないか!
なんて酷い事を! 今、君が侍らせているその子達には……✕✕の人だっていたはずじゃ……』
『✕✕? あははっ、そうなの? でも、みんな、私がちょっと甘えたり体を寄せたりするだけで、私のこと✕✕✕になったみたいよ?
確かにアイテムも使ったけど、結局その程度だったんじゃない? ✕✕なんて本当あってないような……吹けば飛ぶような……ふっ、あははっ、つい思い出し笑いしちゃった……本当に面白かったなぁ』
『✕✕✕✕……?』
『✕✕✕にも見せたかったなぁ。
彼らが自分達の✕✕✕✕✕✕を捨てるところ! あの子達の負け犬顔最高だったよ!惨めでさ悔しそうでさ。でも、愛されてるのも勝ってるのも私だから何も言えなくて怒りを堪えるしかないの! あんなに偉そうにしてる子達が負けて睨んでくるのよ!! 超爽快だった! あれこそざまぁって感じ!』
『………………』
『また見たいな、私にコロッと惚れて✕✕✕✕✕✕をさっさと捨てる男の子の顔も、プライドの高い女の子が、負けて心の底から絶望して折れてるとこも……!
楽しくてたまらない……!
✕✕✕✕っていいね! 最高よ! この世界の中心は私なのも、全てがイージーゲームなのも!
こうして好き勝手できる! 許されてる! 私の人生、最高よ!』
『…………✕✕✕✕。ぼくは、失敗したんだね…………』
『…………え?』
『 君こそ✕✕✕✕だと思って、君をサポートして予言通りに導いていたつもりだった。でも、君は✕✕✕✕なのをいい事に……✕✕✕した。
こんなのぼく達がずっと求めていた✕✕✕✕じゃない……。そもそも他人の✕✕✕を望むような✕✕✕した✕✕✕✕が、✕✕の象徴たる✕✕✕を✕✕すことなんて出来ない!
だって今の君の✕✕は、✕✕✕✕✕✕✕から最も程遠い✕✕れたものだ。そんなものを抱えている君はもう✕✕✕✕なんかじゃない!
失敗した……ぼくは、間違えちゃったんだ……これじゃ、この世界はもう……』
『✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕!!!!』
その瞬間、突如とした鼓膜をつんざくような激しい叫び声が闇の底から起こった。
獣が唸ったかと思うような絶叫。
だけど、よく聞くとそれは女の子の金切り声だった。
『私から全て奪う気!? 絶対許さない!!許さない!! この世界は私のものなのよ! だって私を✕✕✕✕に選んだのは貴方なのよ!? なのに! ただ少し遊んだだけじゃない! ちゃんと✕✕✕は✕✕するって言ってんだから! 今まで通り大人しくその✕✕✕✕の力を私に貸しなさいよ! ねぇ! 聞いてるの!? 私が許さないって言っているの! この✕✕✕✕である私をコケにして……ゆるさない!許さないユルサナイユルサナイ! 許さないゆるさないユルサナイ許さない許さないユルサナイゆるさないゆるさないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ!!
こんなことならオマエなんてさっさと……!!!』
『コ ロ セ バ ヨ カ ッ タ』




