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4話「生徒会長と月無」


「ノームーンは何もできないんだな」

フリッツは槍を肩に乗せ、嘲笑を浮かべながらカナタを見下ろした。集まっていた他の新入生たちは興味津々でこのやり取りを見守っていたが、誰一人としてカナタを助けようとはしなかった。


その時、鋭い声が庭園に響き渡った。

「フリッツ・マクアリスター、即座に武器を収めなさい!」


振り返ると、そこには学院の現生徒会長、セレナ・アストロが堂々とした姿で歩み寄ってくるところだった。彼女の満月のエンブレムが光を放ち、彼女の存在感は圧倒的だった。


「生徒会長……」

フリッツは驚きを隠しきれず、槍を下ろした。彼も新入生であり、まだ学院の規則に慣れていなかったが、セレナの目の前では言い訳の余地はなかった。


セレナは厳しい視線をフリッツに向けた。

「学院の規則は理解しているはずです。学内でのリベレートは禁止されています。」


「でも、彼はただのシャドウクラスの生徒で――」

フリッツは弁解しようとしたが、セレナは冷たくその言葉を遮った。


「どのクラスに所属していようと、全ての生徒は平等です。学院内で他の生徒を威嚇することは許されません。」

セレナの言葉は鋭く、フリッツは何も言い返せなかった。槍は消え、指輪の形に戻る。


「これ以上規則を破れば、正式な処罰が待っています。」

フリッツは唇を噛み、無言で頭を下げてその場を去った。周りの生徒たちも次第に解散し、庭園に再び静けさが戻った。



「君がどのクラスに属していようと、それは関係ないわ。学院での生活はこれからが本番よ。自分を信じて、しっかりと前に進みなさい。」

セレナの言葉は温かく、カナタはその言葉に励まされ、少し笑みを浮かべた。


「ありがとうございます」

彼は頭を下げ、感謝の意を示した。


セレナは静かに微笑み、優雅にその場を去っていった。その背中には、彼女のリーダーとしての威厳と共に、カナタを応援する温かさが漂っていた。



セレナ・アストロ

生徒会長で王女。ルナクラスに所属している。

正義感に溢れ、生徒たちに慕われてる。

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