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2.伯爵家令嬢、ティアから見た少年。

それ、勢いのままに書きまくるぜ。







 ――少女にとって、それは運命の出会いだった。



「はっ……はっ……!?」



 その日は、いつもより遅い時間に外出した。

 付き人を数人引き連れていたものの、殺しを厭わない相手を敵にしたら関係ない。伯爵家令嬢のティア・リューデングラムは、付き人の助けあって命からがら街を逃げていた。しかしながら、護身術程度の力しかない少女が捕らえられるのは時間の問題。

 結果として、間もなくティアは身柄を拘束されてしまった。



「離して……!!」



 必死に逃げようと試みるが、単純な腕力で敵うわけがない。希少なユニークスキルを持っていたとしても、その差は簡単に埋まらなかった。

 相手は大人の男性三名。だからもう、諦めよう。


 そう考えた瞬間だった。




「やめろ……!」




 一人の少年が、颯爽とその場に現れたのは。





「ああん?」

「なんだ、お前……」

「大人が三人で一人の女の子を相手に、なにしてるんだ!!」



 少年はそう言って、腰元から得物を抜き放ち構えた。

 敵対の意思を示したからだろう。男たちは、すかさず少年のことを取り囲み命を奪おうとした。ティアは人の死を見たくない一心で、両目を強く瞑る。

 そして、その直後に聞こえたのは――。





「え…………?」





 男三人の悲鳴だった。

 驚きに目を開くと、そこには……。




「す、ごい……!」





 炎の剣を構えて仁王立ちする少年の姿。

 彼はしばし固まっていたが、一つ息をつくとティアに手を差し出して言った。




「大丈夫かい……?」





 この瞬間に、ティアの中で少年――イソンは、仰ぐべき師となったのである。









「あれは、結局なんだったんだろう……?」





 ボクは仕事終わりに、街を歩きながらそう呟いた。

 女の子を守るため、剣を引き抜いたところまでは憶えている。しかし、そこから先の出来事がと想定外だった。だって――。



「どうしてボクが【ファイア】なんかを……?」



 本来使えるはずのないスキルが発言したのだから。

 一日経った今でも、あのことは疑問でしかなかった。無我夢中に剣を振ったら男たちは倒せたけれど、それ以降のことは曖昧だ。

 女の子を保護者らしき人たちに受け渡して。

 それで――。




「あ、あの……!!」

「ん……?」




 そこまで考えた時だった。

 目の前に、あの時の女の子が現れたのは。

 金の髪に紫の瞳。愛らしい顔立ちの少女は、ボクを見て意を決したように言った。





「お願いです……!」






 若干、頬を赤らめながら。






「私を弟子にしてください……!」――と。





 


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― 新着の感想 ―
[良い点] ユニークスキル【吸引力】とても心惹かれる設定です。 [一言] とりあえず3話分として★3つ置いていきます。 もう少し拝読してから追加します。
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