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社畜生活の料理日誌  作者: 伊藤紗凪
2/2

02 ドライカレー

 今日は金曜日。休日の前日です。

 なので今日は少し頑張ってみましょう。

 そういうときはやっぱりカレーだと思うんです。まあカレーはいつ食べても美味しいですし、いつ作っても楽しいのですが。

 なんていいますか、雰囲気ですね。

 さてさて、ルゥを使うのもいいですが、たまには違うものをと思いました。

 買い物を済ませ、食材を並べます。

 カレー粉。合挽き肉。タマネギ。人参。椎茸。ピーマン。蓮根。生姜。ニンニク。赤唐辛子。粗挽きトマト。ソース(中濃、とんかつ、ウスター、お好みで)。顆粒コンソメ。パセリ。塩。コショウ。

 ……よし。OKです。

 では調理にかかりましょう。


 まず野菜を細かく刻みます。

 人参やタマネギはフードプロセッサーを使います。え?料理好きなら手で切れって?そう言いますけど、時間が限られている社畜にとってある程度効率も大事なんです。なので道具に頼れるなら頼ります。

 しかし、社畜はお金も限られています。なので持っているフードプロセッサーもお手頃価格の手動式なんですけどね。

 どのくらいの大きさに刻むかはお好みですが、今日は小さすぎない程度にしておきます。

 ピーマンと椎茸は手で刻みます。特に椎茸は柔らかいので、こればかりは道具に頼るわけにはいきません。

 さて、蓮根さん。これは予め水煮されたものを買いました。これも効率ですね。

 蓮根は少し大変なので、多少の手間は省略させてください。

 いいですか、何度でも言いますが、手間暇かければ料理、ではありません。

 生姜はおろして、ニンニクと赤唐辛子は細かく刻みます。

 よーし、準備できました。

 大きくて底が深いフライパンを用意します。あ、もちろんお鍋でもいいですよ。

 フライパンを温めてオリーブオイルを入れます。オリーブオイルに熱が通ったのを見計らって、おろし生姜とニンニク、赤唐辛子を投入。弱火で火を通します。

 生姜とニンニクの香ばしさがたまりません。

 ニンニクがちょっときつね色になったところで、人参とタマネギを入れます。

 ちょっとだけ火を強めます。刻んだ野菜全体に火が通るようにかき混ぜながら炒めます。そこに塩コショウを入れ味を付けます。

 タマネギに火が通り、少し透明さが出てきたかな?なところで合挽き肉を投入。

 先ほど以上にかき混ぜながら炒めます。

 炒めていく内に少しずつ肉汁が出てきます。本来なら肉汁が出るのは御法度ですが、カレーならOK。このあと全体に馴染みますからね。

 お肉に火が通ったところでピーマン、椎茸、蓮根を投入。

 その前に入れた食材が焦げないよう気を付けながら炒めます。時間は適当です。要は慣れですね。

 ある程度火が通ったところでカレー粉を全体にまぶします。

 カレー粉はついたくさん入れたくなりますが、そこは要注意です。カレー粉は確かにスパイシーな風味を強めますが、味のコクや深みを強めるわけではありません。そこを間違えて入れすぎてしまうと辛味が強くなりすぎてしまいます。なので「ちょっと少ない?」くらいで留めておきましょう。

 良い香りがしてきたところで粗挽きトマトを投入です。

 火を弱火にし、ヘラでトマトを潰しながら全体をかき混ぜながら馴染ませます。

 再び少量の塩コショウをまぶし、ソースと顆粒コンソメをほんの少し入れます。

 この二つは味付けです。一度に多くを入れると味が濃くなってしまい、野菜とお肉の味を消してしまいます。もちろん人によって好みはあります。なのでほんの少し入れて味を見て、もし足りないって思ったらまた少し入れます。そうやって少しずつ味を調整していきながら好みの味を見付けましょう。

 味付けは大変です。一度決まってしまったものは無くせません。他の味で上書きするしかないのです。だから少しずつ調整していくのがコツなんです。

 そうして全体に火が通ったら不要な水分が抜けるまでじっくり煮ていきます。その際焦げないようにゆっくりとかき混ぜましょう。

 ある程度水分が抜け、ヘラで持ち上げたとき重みを感じる程度になったなら火を止めます。

 その間にお皿にご飯をよそいます。

 ご飯の上にカレーをよそい、そしてその上に刻んだパセリをまぶします。

 ……完成です。


 ドライカレーの美味しさの一つは、それ単体で確かな味と食べ応えがあること。

 カレーの刺激と様々な野菜とソースから織りなす濃厚な味わい。それが粗めに刻んだ野菜が歯応えとともに口の中に広がります。

 時折蓮根のシャキシャキっとした食感と淡泊な味が口の中を程よくリセットするんです。

 ご飯と一緒に食べたとき、ご飯の甘みがカレーのスパイスと調和して、次の一口へと誘います。

 香りを楽しむとき、ふとパセリの爽やかな匂いがして、これまた食欲をそそります。


 夜も遅くなるのに、これではまた食べ過ぎてしまいますね。

 でも、たまにはいいでしょう。

 ご飯は楽しく幸せに。

 美味しいご飯と共に、よい週末を……。

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