宿敵同士のタックバトル
「クイーン!」
「どこにいるのですか!クイーン隊長!」
マキとジャックは叫びながらまだ人通りがわずかにある道を必死に探したながら目的地に向かった。
ジャックがゲンカの家に着き状況を説明しているときに部下の兵士たちの報告があった。
「今日の昼まではいたんだよなクイナは」
「はい、お昼休憩をとられに外に出られたっきり帰ってこなくて。いつもは時間十分前か
十分遅れのどちらかなのんですが‥‥」
「なんだそれ時間ぴったりってことはないのかよ」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!本当にこの廃墟みたいな場所に怪しい人たちがいたの?」
マキはプラナの言葉にツッコムと部下たちの報告にあった街外れの廃墟地で目撃された怪しい人影の情報をジャックに確認した。
「部下の報告だと‥‥この辺りに」
「しかしなんでクイナをさらったんだ。あいつが元クイーンだって敵は知らないんじゃなかったのか」
「わからない、そこらへんの事情も含めさらった奴らを問いただしてみるしかないよね」
「もう少し奥の方に向かってみよう」
マキたちが奥に走っていくと暗闇の中からどろの塊が飛んできた。
間一髪でかわし目の前を見るとフードを被った男がクイナを縛った縄をもって立っていた。
「クイーン大丈夫!お願い返事をして!」
「マーちゃん?‥‥ごめん‥‥ドジちゃった」
「貴方たちは何が目的なんですか!?」
「私たちはあなたの水晶をいただきたくてね。というわけでそこのかわいい元クイーン、こっちに来てもらえませんか」
フード男はクイナの縄を強く上に引くと苦しそうにクイナが表情をゆがめた。
「わたしのことはわかってるよね‥‥構わず私の分までぶっ飛ばして」
「そんなこと言ったって今の僕には‥‥」
「大丈夫だ、俺に任せておけ。マキは強化能力を俺とジャックに」
プラナは不安そうな顔でうつむくマキの肩に手を置くと小声で作戦を話した。
「わかった、でもどうやってクイーンを助け出すの」
「俺が全神経を足に集中させてあいつの顔面を吹っ飛ばす」
「そんな力技で大丈夫!?クイーン巻き込まれない?」
「大丈夫だって、俺と戦ってわかってるだろ最高速度も精密さも」
マキは自信満々で答えるプラナに流されるようにうなずくと作戦を開始した。
「ジャックあいつの気を逸らしてくれ」
「わかりました!」
「じゃあいくぞ!」
ジャックが横に移動し雷魔法を使い陽動すると同時にプラナの認識できないほどの速度で顔を蹴り上げた。
「これで救出‥‥あれ?足が動かない」
「それは泥人形だ。まんまと引っかかったな、詰めが甘いぜ」
「しまった。どうすれば」
影とともにフード男の本体が現れるとあざ笑うかのようにプラナに近づいた。
「元勇者も大したことないんだな。これで終わりだ」
「くそぉ‥‥」
「死ねーーーーー!?なに」
とどめを刺そうとした瞬間フード男の背中から大量の血が飛び散った。
「何が起こったんだ?」
「久しぶりだな相棒」
「相棒ってお前は‥‥」
そこにはプラナが懐かしく感じる男が立っていた。