主敵同士のタッグバトル
随分と地形が変わったからな、お前の拠点なんてとっくの昔に亡くなってるだろ」
「そんなのわからないでしょ。結構良い造りだったし残ってるよ‥‥たぶん」
「そうだよ!なんたって最高の建築家だったビショップが建てたんだから。ね!マーちゃん」
「ねーー」
疑いの目を向けるプラナにマキとクイナは声を合わせて答えた。
魔女の手掛かりを探すために自分たちが昔使っていた城を調査しに来ていた。
「仮にあってもそこを使われている可能性は低いと思うぜ」
「それでも今思いつくのはこれしかないんだから、それにもし使われていなかったならアレが残っているだろうし」
「アレ?なんだよそれ」
プラナが振り返るとマキたちの後ろに得体のしれないモンスターが土から出てきて攻撃を仕掛けようとしていた。
「マキ!後ろに敵だ。どうやらあいつらが城を使っている可能性が高くなってきたな」
「そうみたいね。マーちゃん強化お願い」
「了解!ちゃっちゃと倒しちゃって」
二人が戦闘態勢をとると黒い光が体を包み、どろ人形をなぎ倒していく。
「これでも喰らってライトニングアロー」
「くそ、いくら倒してもゾンビみたいに復活しやがる。ただのモンスターじゃないなこれ」
「何者かの特殊能力だろうねプラナ、クイーンいったん逃げるよ。本体を見つけないと」
マキたちはお互いに顔を見合わせると、プラナの風魔法で一掃するとまっすぐに走り出した。どうやら案の定スピードはないみたいだ。
「こんな山奥で汗だくになるなて最悪~」
「ほんとだよね。帰って早くシャワーを浴びる為にも見つけ出さなきゃ」
「こんなに遠くに走って逃げたらここがどこだかわからなくなってしまうな」
「そうだね。せめてどこか休める場所があれば‥‥」
しばらく走っているとクイナが疲れた様子で立ち止まった。
「ここらへんで休憩にしない、私疲れちゃった」
「もう疲れちまったのか?元クイーンが情けないなぁ」
「普通疲れるよこれだけ走ったら。昔から思ってたけどあんたってほんと体力お化けよね」
「まあ体力を多く消費する技ばっかりだし。それに昔は聖剣使ってただろ、あれ使うたびに通常の数倍マナ使うしな。なるようにしてなったもんだから」
マキが二人の会話を聞きながらふと辺りを見渡すと、苔まみれの建物らしきものが見え、他の二人もそれに気づき同じ方向を見た。
「こんな山奥に建物ってことは」
「間違いないね、僕たちの元拠点マナ城」
「きっと今はネオ魔女軍が使っているだろうし、警戒しながら近づくわよ」
マキたちはかたずをのみ込むと苔だらけの城に向かった。