宿敵同士のタックバトル
「この強大な隕石はどうかしら!」
「無駄だオール・ザ・シールド!」
体の大きな男性が魔女の膨大な攻撃を止めると魔法使いの女性による拘束魔法で動きを封じ、
その間に僧侶である女性がすでに力を使い切った勇者に回復魔法で復活させていた。
「拘束魔法で動きを止めたわ!今よ勇者」
「ありがとなみんな!これでとどめだーーー!」
「勇者メーーー!」
勇者の最大のマナを宿した剣が魔女の体を引き裂くと激しい音をたて消滅した。
こうして魔女によって脅かされていた世界は勇者たちによって無事平和になった。
***
「マキーこれそっちにおいてくれ」
「わかりました。果物の横ですね」
「おう、いつも助かるぜありがとな嬢ちゃん」
「だから男ですって、いい加減そのいじりやめてくださいよ」
あれから百年、魔女はマキとして生まれ変わっていた。しかし前世の記憶は残っており昔成し遂げることのできなかった世界征服を目指し再び歩き出そうとしていた。
(お金もたまりギルドを設立できる年にもなった。そして今日ギルドを立ち上げ、野望を果たすんだ)
ほとんどの人が魔法を使え、中には特殊な能力を持つ者もいる現代ではギルドを立ち上げ上り詰めるのが主流になっていた。そんな中マキは魔法が使えずある特殊な能力をもっている。
マキは手伝いを終えると早速ギルド協会に向かった。
「ギルド新設がしたいのですけど」
「ギルド新設ですね、かしこまりました」
必要な資金と引き換えに契約書を受け取ると手続きを済ませた。
ギルド活動には最低二人必要だがマキは一人なので同じく活動を開始する人とタッグを組むことになる。
マキは酒場で同じ条件の人を待っていると一人の男が声をかけてきた。
「すみませんマキさんですか?」
「はい。もしかしてあなたが」
「初めましてプラナです、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
挨拶を済ませると登録作業をしながらお互いについての雑談がはじまった。
「マキはどんな魔法が使えるんだ?」
「僕実は魔法が使えなくて、その代わり見方の力を強化できる能力があります」
「珍しいな魔法が使えずに特殊な能力だけ持ってるなんて。ちなみに俺は風の魔法が得意いで、自己修復できるんだ」
楽しげに話しているとプラナから驚きの言葉を口にした。
「実はさ俺前世の記憶持ってるんだよね 俺は‥‥」
「奇遇ですね僕も持ってるんですよ僕は‥‥」
「勇者だったんだ」
「魔女でした」
二人の声が重なると同時に登録完了の音が鳴り響いた。