プロローグ② 謎・友情編
新章。
青春を語るに当たって、探るに当たって、避けては通れない道――友情。
愛だ正義だと叫ばれる此のご時世に昔ながらの価値観で輝き続ける、絆、とうものは人類が生み出した不朽の名作といえよう。
恋愛が夢に例えられるなら、友達は決して冷めることはない現なのだろうか。
大変なとき、たとえば世界が恐怖に陥ったとき、なぜ社会は絆を叫びたくなるのだろう。
人間の情を、友の声を聞きたくなるのはなぜなのだろうか。
本当に一人では生きていけないのだろうか。
僕は思う。考える。
僕にとっての友達は誰なのか。
友情とは何なのかを。
もしも僕に友と書いてライバルと呼ぶ存在がいれば、と夢想する。
数少ない貴重な時間を過ごす仲間。
二度ととはもどれない高校生活をともに過ごす友。
いずれ卒業を迎えバラバラになると知っていながらもズッ友を自称する彼らに僕は疑いの目を向けてしまう。
不滅の友情に疑問をもってしまう。
胡散臭さを感じてしまう。
――そもそも友達って何なんだ。
薄っぺらい友情。
情に厚さなんてあるのだろうか。
この議題をともに討論してくれる仲間すら、僕には元からいないのだった。
三日に一回。お昼から楽しんでいただけるよう、精進いたします。




