ランガンです!プラントカーニバルの生き残りです!女騎士が立つんです!
ひさびさとーこー
心地よい風がふく、夕刻前の原っぱに二つの高速で走る影がありました。
二つの影は並走しています。
そして若干遅い方の影がなにやら細長い筒をもう一方の影に向かって構え、指を動かしました。
ーズダンッ!ー
そんな音と共に筒の中から影よりも速い音速の何かが飛び出し、影へとまっすぐ延びました。
しかし影はそれをひょいと避け、ヒューっと元気に走ります。
その様子を見たもう一方の影は憤りながら叫びました、
「だぁああああ!!!!あたらん!!!ラグ使いかよラグはタヒね!運営氏ね!何なのこの異世界!!!」
圧倒的自己中に。
〚草〛〚異世界をゲームってwww〛〚まああんだけ早かったらな……あんなん当てれねえよ〛〚FPSであんだけ早かったらまじでキレる。バイクより小回りきいてるし〛〚つーかみんなイセミヤちゃんの足の速さ気付いてない?〛〚マジではやすぎぃいい!〛〚それでも竜には負ける〛〚いうな!かわいそうだろ!〛[やーい、転生者の癖に足遅いイセミヤもっと早く走れ!][こけてM字ぱんちら希望][それすこ][カミキタ!][やめてあげなよぉ(前かがみ)][草][これだけ好き勝手に言っても転生者ネキとちがって聞かれないってことはいいなぁ]
「全部見えてるんですけど! 皆さん一回クールダウンしてくださいよ!?だいたい前転得意なのであり得ませんよ最後!」
好き勝手に言いはじめた視聴者たちにどうどうと落ち着いてとイセミヤがいいましたがそれくらいでとまるネット民ではありません。むしろおもしろ半分に好き勝手なコメント欄が加速しました。
[フラグ乙][フラグじゃん!][みんなこれを置いていくぞ つティッシュ][wwwww][草][キマシタワー!][ぱんちらたのしみだあ][びば!ぱんちら!][ぱんちら警察だ!ぱんちらがみれるフラグが立っている配信とはここか!?][そうでっせ。さ、奉行様こちらを っ切り込みを入れたこんにゃく][ふ、越後屋お前も悪よのぉ][どんなパンツをはいてるのか楽しみだぜ(^∧^)グヘヘヘヘ][むむ、そういえばイセミヤちゃんパンツはいてなかったのでは!?][ふぇ?][そーいやそうだったな][はん、もろはいらね(`ε´)ペッペ][激しく同意][もういらないからまたねー(^^)/~~~][さ、みんな帰るぞ。][そだな]
そして急速に過疎りました。
「………みんな変態なんですか?」
[ふぁっ!?][変態……だ……と……!?][バカな!?どこに変態がいる!?][みんな普通だよなぁ!][くそ!変態は誰なんだ!?探せ探せ!][いやお前だろ?][←本当はお前だろ?][←この人たち僕とちがってパンツないと欲情しない変態です!僕はパンツなくてもあっても興奮します][見つけたぞ変態!捕まえろ][囲め囲め!][シマタ、ワナダッタカ!ツカマルゥ!][捕まえたぞ!][ツカマタ!][どうやって処刑する?][ここはやっぱり女装で][おっさんの女装とかいらんから][それな][僕はそれも好きです][ホモがいた][人類皆ホモだから多少はね?][なんか釈然としない]
盛り上がったり、盛り下がったり、あまりの茶番にイセミヤは呆れてこういいました、
「…………やっぱりコメント機能ロックしようかな………?」
[すいやせんでしたぁあああああ][すまぬうううううう][我々は全力を持って謝罪しよう、だからそれだけはやめるんだ][やーーーめーーーてーーーーーー!!!!!][俺らが悪かったから!ね?][許せ、許したまえ、許してくださいお願いします!][草]
「はいはいそこまでそこまで。狙撃の邪魔ですから普通にコメント抑えてくれないと困ります、本当にロックしますよ?」
[あ、はい][邪魔になってるなら仕方ないね][あ、スマソ]
「了解してくれてありがたいです。
というわけで無理ゲーランガン始めんぞ!
テンションあげるためにコメント抑えて盛り上がれぇえええ!」
[草][ワロタ][いやほんとモーリーファンタ][それ以上はいけない、いいね?]
こうしてコメントが減り先ほどよりはかなり視界がよくなった中イセミヤは無理ゲーランガンを始めました。
一方その頃、数多に積もるプラントカーニバルの死体の山の先で動く影がありました。
勿論プラントカーニバルです。その数は3。
ただ今まで見たプラントカーニバルとなにかちがうプラントカーニバルでした
(同胞がまた随分とやられたようだなぁ!)
(まあしかたもあるまい、所詮奴らは下級のプラントカーニバル。上級の我らと違って弱いからな)
(……中級……仲間……結構……やられてる……なぜ?)
(遠巻きに見ていたところ壁となるニンゲンどもを早々に倒されたあと、速射性の高い魔法か道具で滅多撃ちにされていたな)
(ちっ、役立たずどもが……!一気に盾出すなよ一撃で片付けられてんじゃねえか!うまく補給できた人間無駄遣いしやがって!!!)
(まあまあそういってやるな。あの火を操る者相手に怯えてしまうのは仕方のないことだ……我々だって早々と竜を放ってしまったのは悪手のほうだろう?)
(ああ!?あれ出さなきゃ100%全滅だったろうが糞ノッポ!むしろ遅すぎたんだよ!むしろあの変なの持ってた女の糞人間がなんだかよくわかんねえ飛び武器使ってた時にぶっ混めばよかったんだよ!竜は魔力耐性も物理耐性もかなり高いんだからあれくれえ平気だろ!)
(…………あれがただの魔法攻撃、物理攻撃ならばよかったのだがな……)
(……どういう……意味…?)
(分かりやすいように言えや糞ノッポ!あとはっきりしゃべれよ糞チビが!)
(……む……考えて……み…る)
(分かりやすく言うとだな。あの攻撃は下級とはいえ同胞たちを五人抜きするのだ)
(ああ!そんなの見たらわかるわ!そこに転がってるクズどもの骸みたらな!あの速射性能じゃ、情けねえが俺たちは殴り込む前になぶり殺される……だがあの竜なら)
(我が言った五人抜きとは速射性能のことではなく、一発の火力で五人を撃ち抜いていたということなのだが?)
(……は?……マジでいってんのか糞ノッポ?)
(嘘をついて何になる?もし何かになるとしたら我々の骸だな)
(……むくろ…………?……なに……それ……)
(……本当ならば我々が想起してはいけないものだよ、我々モンスターがそう思った時にはもうすでに敗北は必勝なのだから)
(……ちっ、しゃーねぇな。)
(今回はほとんどの同胞に加え、さらに竜を失うかもしれん、だからせめてあの炎を操る人間は回収しなくては……)
(それはそうだな、いくら俺たちが上級のプラントカーニバルで火力があろうが防御力ははっきりいってカス、範囲攻撃持ちがいたら逃げるしか助かる道はねえ。ほんと腹立つけど盾役が必要だからな。あの糞人間なら申し分ねぇ)
(では三人で一緒に舞うぞ、なるべく早く踊らせたい)
(……踊るの……?……やった……!)
(だりぃけどしょうがねえか……さっさと盾にして冒険者がいねえ村襲うぞ、腹が減った)
(ええそうですね、竜がどれくらい持つかもわかりませんし早くやって……ってあれ?あの人間どこ行きました?)
プラントカーニバルの一体が魔法少女がいないことに気づきます。
(……ほんと……どこ……?)
(くそっ!どこ行きやが…)
プラントカーニバルの言葉は遮られました。
―ズサッ―
一本の弓によって。
(ぐはっ……!)
(糞ノッポ!?)
「おかしいと思っていました……いくらプラントカーニバルとはいえ、フルドをそう簡単に操れるわけがありませんし、群れの規模が大きすぎる。だからプラントカーニバルの上位種がいるかもしれないと思って勇気ある少女を助けに来ましたが……」
三体のうち比較的喧嘩っ早い個体がノッポの個体を庇いながら声のした方向を見ました。
そこには白銀の鎧をまとった女の冒険者……
「まさか上位種が三体もいるとは思いませんでしたね、これではフルドが状態異常にかかり、この街の冒険者たちが負けるのも無理はありませんか
ですからあなたたちは私が屠ります」
エレオノーラが弓を引き絞りつつ立っていました。
ねむー




