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愛されていた、箱庭の令嬢

大変お待たせしました!!

やっと、名前が出てきます……。

想像していた終わり方と違う終わり方になりました……。



キーワードの、乙女ゲームと悪役令嬢は保険です。

主な主人公は転生者ではないので悪しからず。




私は真っ白な空間にいた。

なんだか、悲しい事があった気がする。

でもなんだっけ?


この空間はふわふわしていてなんだか心地いい。

なんだか眠くなってきた。

うん。もう寝ちゃおう。

ここには文句を言う人もいないんだ。

そう思っていたら声がした。

その声は言ったのだ。


『あーあ。やっぱりこうなっちゃったか』と。

『貴方なら大丈夫だと思ったんだけど、やっぱりあの王子が馬鹿だった』

と。


私の意識はそこでまた一旦途切れた。



次に目覚めた時も全く同じ空間。

いったいどれくらい経ったのだろう。


『時間?大体2年くらいかなぁ』


また声がした。

あの時と同じ声。


「貴方はだれ?」

私はその声に問いかけた。


『私?さぁ。私は誰だろう…。うーん。貴方の中にいるもう1人の貴方で無い存在?かな』


もっと難しくなった気がするのですが。


『ね。貴方はもう2年も眠り続けているわけだけれど、目覚める気、ある?』


「え?」


『目覚める気が無いのならば、私が代わりに貴方になろうか?』


私の代わりに私になってくれる?

そうしたら、もう、あの現実…殿下に捨てられた事を代わりに直視してくれる…?


……いや。駄目だ。私は私なんだ。

誰かが代わりになるなんて駄目だ。


「駄目。ちゃんと、ちゃんと私が私だから。貴方に私はあげない」


『うん。そういうと思った。もし、「いいよ」なんて言ったらぶちのめす所だった』


「ぶ、ぶちのめ…?」


『なんでもないよ』


凄く物騒な言葉に聞こえた気がした。


『じゃあ、早く目覚めないと。貴方を待っている人は沢山いるんだから』


私を待ってくれる人?

そんな人、いるのだろうか。


「そんな人、どこにもいないわ」


そうよ。

そんな人いないに決まってる。

だって私は殿下に捨てられたんだから。


『そうかなぁー?

でもさ、聞こえない?貴方を呼ぶ声が。

この声の人ね、ずっと貴方の事を読んでるんだよ。……もう2年間も1日も開ける事なく毎日。勿論一回だけ名前を呼んで帰っちゃう日もあるんだけどさ』


2年間、ずっと?

そんな事してくれる人、私の周りにいたっけ?

……いないわよね?


『ね。聞き覚えなぁい?この優しい声』


「優しい声?」


『ほら。また呼んでるよ?貴方の事。

ねぇ。そろそろ答えてあげて。きっと貴方の大切な人のはずだから』


大切な人。


誰の事かな……。


でも……。


私の名前を呼んでくれる声を聞いて、無意識に涙が溢れてきた。


私の名前を呼んでくれるのは、呼んでくれたのは、家族以外では()だけだった。


なのに、なんで私は()の声に振り向く事が出来なかったんだろう。


なんで、大切な人だったはずなのに、()じゃなくて殿下を見ていたんだろう……。


なんで………。


殿下の事だけを好きだったんだろう。

なんで、殿下しか見てこなかったんだろう。


『ほら。もう自分のいなければならない世界に戻りなよ。で、この優しい声の人に、伝えてなかった思いを伝えてきなよ。……そしたらさ、きっと笑顔になれるから。

ずっと貴方を見てきたけどひどいもんだったんだから。次はいっぱい笑ってね。もう、貴方を縛るものはなんにもないんだから。ね?笑顔を見せて。ーーーーー』


私は、名前も知らない彼女が私の名前を呼んだと同時にその世界は白けて目を閉じた。


次に目を開けたらそこは毎日の様に見ていた自分の部屋の天井、と、心配そうに私を見つめていた()がいた。


「………目が、覚めた…の?」


目に涙を浮かべた彼が私を見る。

その顔が酷く愛おしく思えて。


「……はい。……わたくし、永らく眠っていた様で…ご心配をおかけしました…。……アイザック様……」


(アイザック)に触れたいと思ったのに、体は動かなくて……。

……そうよね。だって2年間もずっと寝たきりだったんだものね。体なんて、動くはずないわよね…。

でも、声はスムーズに出るのね。

びっくりしたわ……。


「やっと、やっと、目を覚ましてくれた。……やっと、僕の名前を呼んでくれた……」


アイザック様は優しく私の頭を撫でてくれた。

もう、ずっと誰かに撫でてもらうことなんて無かったなぁ……。


「おはよう。ずっと待ってたんだよ?僕の愛しい"アメリア"」


アイザック様は私の名前を呼んで、額に軽く口づけした。


………口づけ?


「……え、え?」


私は顔に熱が集まるのに気づいて顔を隠したくなったけど、体は動かないのだ。

よって、真っ赤に染まった顔を晒すことになった。


「ふふっ。可愛いね?」

「も、もう!からかわないでください!!」

「からかってなんてないよ?」


もう一度、額にキス……今度は少し長かった……。


「ねぇアメリア。僕……僕が、王太子になったんだけどね」


アイザック様が王太子……?

え、じゃあ アイザック様は……

王族だったの?

アイザック様はあの、殿下の血縁者……?


「あぁ、僕は、あの馬鹿王子(ライアン)の腹違いの兄だったんだよね」


ライアン……。

そうだった。ライアン殿下だった。

いつからだろう。一度も名前を呼んでくれない殿下の事を私も名前を呼ばなくなったのは。

いつから、私は"殿下の事が好きじゃなかった"んだろう。

いつから、"殿下の事を好きな私"になろうと、してたんだろう……。

きっと、それは、出会った時……。

いや、出会った時は好きになってたはずなんだ。


「まぁ、そんな事どうでもいいかな」


どうでもよくはないと思うの。


「ねぇ、アメリア。僕と………。

僕の手を取ってくれないかな?」


「……手を取る?」


ちょと、今は難しいと思うの。

だって体が動かないから。


「あぁ、えっと………」


「アメリア。僕と結婚してください。

僕と、一緒に歩んでください。

きっと、ずっと、笑顔にするから」


ね?お願い。と、アイザック様は私の顔を覗き込んでくる。


私はその言葉を聞いて無意識にまた、涙がこぼれた。


でも、私でいいの?また、捨てられるんじゃないの?


「僕はね、アメリアじゃなきゃダメなんだ。もう、ずっと好きだったんだ。出会った時から、ずっと好きだった。……勿論、今すぐに返事が欲しいとは言わないから」


ずっと好きだった?私の事を……?

でも、答えていいの…。

私も………。


『伝えてなかった思いを伝えてきなよ。……そしたらさ、きっと笑顔になれるから』


笑顔に、なれる?


「アイザック様……。今までずっと、ありがとうございました。わたくしを、私と見てくれて。笑いかけてくれて。名前を呼んでくれて。本当にありがとうございました」


これが、伝えてなかった、感謝の気持ち。


そして、これが。


「こんな、こんなわたくしでも、宜しければ、これからもずっと、側にいさせてください。ずっと、わたくしの名前を呼んでください。………ずっと、わたくしだけを、愛してください……」


これが、彼女(・・)に言われて気づいた気持ち。

自分だけじゃ、気づけなかった、ずっと隠していた気持ち。


私もずっと、アイザック様が好きだった。

でも、"殿下の事を好きな私"であろうとして、気づかぬうちに隠していた気持ち。

"殿下の事を好きな王妃様でなくてはならない"という、囚われた気持ち。


凄く自分勝手だって、わかってる。

私だけを愛して欲しいなんて、難しいに決まってる。

でも。


「アメリア。僕は、ずっと、生涯君だけを愛すと誓うよ。ずっと僕の側で笑っていてください。僕に、君の名前をずっと、呼ばせてください。だから、ね?」


僕の手を取って?


「…はいっ」


アイザック様は溢れ出る私の涙を指で拭ってから、優しく、唇に口づけしてくれた。

その時に、永らく囚われていた私だけの小さな、小さな箱庭から、解き放たれたきがした。

もう、"殿下を好きであろうとする私"はもういない。

だって、もう、アイザック様の事が大好きだから。

……アイザック様という、箱庭に囚われるのは、悪くないのかもしれないのだけれどね。




「僕の愛しいアメリア。ずっと、ずっと離さないからね。……僕だけの、アメリア」




きっと、アイザック様が口づけの後に呟いた言葉が少し狂気的に聞こえたのは………気のせい……ですよね?







アメリア→愛されるもの

アイザック→彼は笑う

ライアン→幼い王


という意味らしいです。


アメリア→愛されていた。重たい王子に。

アイザック→彼は笑う。いろんな意味で。

ライアン→考え方、精神年齢の低い、幼い王子様。



アメリアの白い世界で出てきた彼女は、転生したけど、アメリア自身にならなかった少女?です。

アメリアの事をゲームでも、アメリアの中でも見守り続けた子になります。

多分一番アメリアが幸せ…?になって喜んでいるはずです。


アメリアとアイザックは、優秀な王と王妃になり、生涯民達に支持されて幸せに暮らしました。

2人が治めていた時代が歴史の中で一番平和だった…そうです。はい。




他作品で名前が被っていますが気のせい(じゃない)です。

作者のレパートリーがないんです。すみません…。


この度はお読みいただきありがとうございました!!


今度また、読み切りとして、その後のそれぞれの目線の話をあげる予定です。

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