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赤く濡れている  作者: 月成 亜弥
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小波

小波が立つ

僕の心にぽっかりと空いた穴に

小波が立つ


君と見上げてた星空はもうない

僕の胸にたつ小波は安らかなものじゃない


水平線の向こう

見えないあちらから

こちらの方におどろおどろしい色を持ってくるのではないかという


そんな静かな小波だ


覚えているかい

僕がいた頃を


今は

こんなにも世の中は騒がしく

こんなにも僕は静かに絶望している


君が全てではなかったけれど

君が居ない事も完全ではないんだよ


泣き叫んでくれ小波よ

こんな不穏な波を起こすくらいなら


いっそ泣き叫んで僕を激しく打ってくれ


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