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赤く濡れている
赤く濡れている
スタンドも棚の本も
頭を巡る思い出も悲しみも
赤く濡れている
激しく泣き出した午後の空を見上げても
そこに青はない
情熱でもなく愛でもなく
哀しく濡れている
いつからか僕の目には赤しか映らなくなった
憎しみでもなく悲しみでもなく
全てが赤く濡れている
君はいつから去っていったんだろうか
そればかりが頭をギリギリと締め付ける
僕の濡れた赤に
君は永遠に気付くことは無い
君が残していった
記憶だけを追い求めて
僕は赤く濡れてしまった